今から24年前の1997年2月15日に買った以下の本は、買ったその日から夢中になって読み始め、日記によると2月18日に読み終えている。
本書の中でとりわけ目を引いたのが「貯金しようと思わなくても自動的に残高が増えていく仕組み」の解説パート。
ざっくり言えば、銀行口座を2つか3つ用意して、ルールに沿ってお金を移動させていく、というもの。
銀行口座を2つか3つ用意する
具体的には次の3つの役割を各銀行口座に割り当てる。
- 1.マスター口座
- 2.定期支出口座
- 3.イレギュラー支出口座
まず、あらゆる収入はマスター口座に集中させる。
会社員であれば、マスター口座は給与振込口座になる。
次に、支出のうち生活に必要な出費はすべて定期支出口座から支払うようにする。
たとえば、日々の外食や買い物、毎月必ず発生する家賃や水道光熱費や通信料など。
最後に、支出のうち「なければないで何とかなる」出費はすべてイレギュラー支出口座から支払うようにする。
たとえば、映画やマンガやゲーム、スマホやロボット掃除機やスマートスピーカー、サプリや健康食品など、生活に利便性や潤いをもたらしてくれるモノやサービス。
口座を3つ用意する代わりにクレジットカードを2枚用意する
とはいえ、今や現金を使う機会はめっきり減っており、代わりにクレジットカード(電子マネーやキャッシュレス含む)で支払うことが増えている現状を考えると、クレジットカードを2枚用意する方が分かりやすい。
- クレジットカードAは、生活に必要な出費用
- クレジットカードBは、「なければないで何とかなる」出費用
に分ける。
カードが別れていれば、引き落とし口座は1つでも良いと思う。
つまり、必要な銀行口座は次の2つで済む。
- 1.マスター口座
- 2.カード引落口座
この運用を試してみれば、クレジットカードAの引き落とし金額は毎月ほとんど変わらないことにほどなくして気づくはず。
自分の生活の「維持費」が分かる。
一方、クレジットカードBの引き落とし金額は月によって大きく変動する。
多くの場合、お金がなくなるのはクレジットカードBが原因である。
お金を動かすのは月に一度だけ
ところで、現時点ではお金はマスター口座にしかないので、クレジットカードの引き落としが行われる前にカード引落口座にお金を入金しておく必要がある。
たとえば、
- マスター口座に給料が30万円振り込まれた
- マスター口座からカード引落口座に27万円振り込んだ
結果、マスター口座の残高は3万円。
この3万円が貯金ということになる。
もし、家計がピンチに陥ったら、あるいは何らかの理由でまとまった資金が必要になったら、一定期間はクレジットカードBを「封印」すれば、最低限の生活は守りつつ、ピンチをしのぐための時間が稼げる、あるいは貯金が増えるスピードがアップする。
最初から「万一のときはクレジットカードBの出費を削る」と決めてあるので、改めて「何を削ればいいか」を迷ったり悩んだりせずに済む。
困ってから考えるより、困る前に考えておいた方が決断は下しやすい。
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