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自分の役割の見つけ方



大橋悦夫絵がうまい人の多くは、いきなり細部から描きだす印象がある。

たとえば、韓国出身のイラストレーター・漫画家のキム・ジョンギさんは、下書きをいっさいせずにいきなりペンで描き始める(最初に目や口などの細部から描き始めて、その細部が含まれる全体が描き足されていく)。

知人のイラストレーター(本業は企業研修講師)も、やはり最初に細部 → 全体の順に描いていく。


こうした事例を目にするたびに、描き手の目の網膜にワイヤフレームのような下絵が投影されていて、それをトレースするようにして描いているんじゃないか、などと考えたこともあったが、前回紹介した「マップヘイター」を知ったことで別の考えを持つようになった。

いきなり細部から描き始める人はおそらく「マップヘイター」であり、細部を描いてみて初めて「ここにAがあるということは、隣にBがあるはずだ」という具合に、自らが描いている絵に導かれるようにして次に描くことが分かる、という「仕組み」なのではないか、と。

これはピース同士の組み合わせを頼りに作っていくジグソーパズルに似ている。

そして、自分の役割というものもイラストやジグソーパズルと同じように、とりあえず何か行動を起こしてみて、そこから得られた反応を頼りにまた次の行動を起こす、というくり返しの中で見い出されていくと考えると筋が通る。

庵野秀明さんは、プロフェッショナル「庵野秀明スペシャル」の終盤で「なぜそこまでするのか」という問いに対して「僕が最大限人の中で役に立てるのがそこくらいしかない、世間にはそれくらいしか役に立たない」と答えていた。

世界中に存在するあらゆる役割をしらみつぶしに検証していく時間はないので、結局は一番気になる部分から「描き始める」ことで気づいたら役割を見つけていて、いつの間にか「絵」になる活躍ができるようになるのだと思う。

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