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なによりもまず恐怖を手放してみる



佐々木正悟 あけましておめでとうございます! 今年もシゴタノ!で鋭意連載していくつもりですので、どうぞよろしくお願いします!

さっそくセミナー告知からの引用で恐縮なのですが、私たちは、「本当に行きづまった」と感じるとき、たとえ他の人に相談するとしても、次のように、

  • この問題は解決されまいぞ! させてたまるか!

という不思議な意気込みを抱く傾向があるようです。

グッドバイブス勉強会 シーズン2「第1回 私は本当のことを何も知らない」 - グッドバイブスファクトリー | Doorkeeper

たとえば、次のような深刻な悩みを抱えている人がいたとします。

「子どものころから、ミスや間違いを指摘されるのが苦手でした。いまの職場で、パワハラ気味の上司から毎日のように叱責を受け、とても辛い日々を過ごしています。転職も考えましたが、自分にはこれといって人より優れたスキルもなく、いまはコロナ禍ということもあり、うまくいくとは思えません。家族もおそらく、私の転職には反対するでしょう」

もし、この人が「本当のことを知っている」としたら、いま見ている望ましくない世界は、紛れもない現実として確定することになります。

もし「現実として確定」するとどうなるでしょう?

解決不能になります。

「私の問題だけは例外なのです!」

  • ミスや間違いを指摘されるのは苦手であり、これはもうどうしようもない!
  • パワハラ気味の上司は毎日のように叱責し、これはもうどうしようもない!
  • 日々はとてもつらく、これはもうどうしようもない!
  • 転職するにも自分にはスキルがないからムリそうで、どうしようもない!
  • さらにコロナのこともあるから、ますます転職はムリそうだ!
  • 家族も反対する!

さて、何かいい方法はあるか?

このシゴタノ!の運営者である大橋悦夫さんなどにも寄せられる相談だろうと思いますが、「ブログを書くこと」や「フリーランスとして生きること」や「タスクシュートの開発者」は、それらの「専門家」であり、「ありとあらゆることに通じている」のだから、「どんな問題でも解決できるのだろう!」とまず思われているのです。

しかし相談者はたった一人の例外を必ず意識しています。

「自分」は例外なのです。

「私の問題だけは例外なのです! 他の問題はすべて鮮やかに解決できたのがあなたでしょう。でもそのあなたでも解決できないのが私の問題なのです!」

そういう強い気持ちがあるようです。

突破口はここにある

私はよくこの種の「問題」には2つのアプローチがあると思ってきました。

1つは、「自分の問題は、自分ではもちろん、他の誰にも解決できないものだ!」というこの気持ち自体をなんとかする必要がある。

もう1つは、「実は問題の解決作は自分がすでにたくさん用意している」ということです。「転職するにも自分にはスキルがないからムリそうで、どうしようもない!」ということであるならば、「転職のためのスキルを身につける」が解決策になるかもしれません。

しかしこの「スキル」のような提案は、出したとたん、「しかし自分には、スキルを身につけるだけの、根気もお金も時間もないのです!」と強い調子で否定されるでしょう。やはりこの「気持ち」をなんとかするのが先決のようです。

私は自分のことを「前向き」だとも「建設的」だとも「ポジティブ」だともなかなか思うことができませんが、こうした訴えを聞いていると「意外と自分は前向きな人間なのかもしれないな・・・」と思ってしまうことがあります。

ただ、前向きでも後ろ向きでも、問題の解決を遠のかせる要因は明らかです。「おびえ」です。これはとてもわかりやすい話です。

たとえば上のように「自分の問題は解決不能!」「提案は役に立たない!」という人の心理状態は、「恐怖で身動きが取れなくなっている」というほかありません。

ヤスデ恐怖症の人が、部屋の中でヤスデを発見して恐怖のあまり身動きが取れなくなれば、その問題は解決できません。

けれど「ヤスデに恐怖を覚えない人」がそのヤスデを外に追い払ってくれれば、それで問題は解決されます。しかも、ヤスデ恐怖症の人と、ヤスデにおびえない人の、どちらの人がヤスデについて「少しでも詳しく知っているか」といえば、恐れていない方の人でしょう。

恐怖症の人は、恐怖している対象について、恐ろしさのあまり、なにも知っていません。実はここに突破口があります。

おびえている人がよく知っているのは怖いということだけなのです。

グッドバイブス勉強会 シーズン2「第1回 私は本当のことを何も知らない」 - グッドバイブスファクトリー | Doorkeeper