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心からゲラゲラ笑いながら仕事に楽しく取り組めたら100点


大橋悦夫この記事で新年の抱負のようなものを書こうとしている大橋です。

『人生100年時代不安ゼロで生きる技術』という本に以下のようなくだりがありました。

私は、仕事の究極の目的は「この世界のしあわせの総量を増やす」ことにあると考えています。

自分の周囲1メートルを見渡すだけでも、服、靴、机、イス、清涼飲料水など、他の人がしてくれた仕事であふれていることがわかります。

紛れもない現実として、私たちは他の人がしてくれた仕事なしでは1日たりとも生きていくことはできません。そしてあなたがする仕事も、間違いなく誰かの役に立っているのです。

私たちと仕事の関係をこのように見直してみると、
「それぞれの仕事を交換しながら、互いの人生に貢献し合っている」
という事実が見えてきます。

当然ですが、このことに気づいたあとに浮かぶのは「では、自分はどんな仕事をとおして誰の役に立てばいいのか?」という疑問です。

これに続いて、著者の倉園佳三さんは「個性と役割のマッチング」という話に展開していきます。

僕が注目したのは、「あなたがする仕事も、間違いなく誰かの役に立っている」という一文。

間違いなく誰かの役に立っている=世界全体のピースとして欠かせない存在である、と解釈しました。



実はここ数年、「自分の仕事は誰の役に立っているのだろうか?」という、軽いアイデンティティ・クライシスに陥っていました。

仕事内容について誰かに尋ねられたときに、胸を張って「こういう仕事をしています!」と答えられなかったのです。

もちろん、黙っているわけにはいかないので、当たり障りのない答えを返していました。

相手が「あぁ、それね」と納得して、そこで“スレッド”が終了するような無難な答え。

そんな折、以下の動画を見て、心を動かされるところがありました。

こういう感じで仕事ができたら最高!

その動画とは、現在公開中の『新解釈・三国志』という映画のコメントムービーです。

主演の大泉洋さんと脚本・監督の福田雄一さんが、この映画について紹介しています。


6分16秒の動画ですが、この動画における福田雄一さんの身ぶり手ぶり話しぶりのすべてが個人的に

「うわっ、これだわ…」

と感じたのです。

映画の脚本と監督という役割を担いつつも、福田さんは個人として大泉洋さんの大ファンで、監督としての「こうあるべき」を履行できないのではないか、という不安を抱きプロデューサーに相談したりもしたそうです。

大泉 洋のファンすぎて、全部が面白く感じちゃってるんですけど

と。

そうは言いつつも、この動画では最初から最後まで大泉洋さんと話すのが楽しくて楽しくて仕方がない様子。

そんな福田雄一さんの姿に「うわっ、これだわ…」と感じたのは、こういう感じで仕事ができたら最高だろうなと思ったからです。

何よりも心からゲラゲラ笑っているのが最高で、「大泉 洋のファン」というあり方は監督としてそうあるべきだからではなく、個人として純粋に心から好きだから、という自然体。

ゆえに、真似が難しいのです。

誰かが「福田雄一さんみたいな監督になりたい」と考えたときに「そうか、出演する俳優のファンになればいいんだな」と、形だけを真似ても「福田雄一」にはなれないでしょう。

誰かを真似るのではなく、自分の心のおもむくところに従う、すなわち自分の役割に立ち返る、ということです。

かくして、僕自身の役割は何なのだろうか?という最初の疑問に舞い戻ります。

「追い求める」より「逃げ続ける」ほうが生き残りやすい

ここで「逃げる」というキーワードを思い出しました。

「追い求める」より「逃げ続ける」ほうが生き残りやすいのかも | シゴタノ!

この記事の内容を3行でまとめると、

  • 現時点で「楽に成功」できている人は、「誰でも楽に成功できる方法」ではなく「その人にとって楽に続けられる方法」を採用している
  • 「自分にとって楽に続けられる方法」は逃げ続けることによって手に入る
  • 「逃げる」ことこそが正攻法であり成功法となる

ということになります。

ふと、大学時代の1993年に英文学の授業の一環で英語劇が課題として課されたことを思い出しました。

グループに分かれて、クラスメイトたちと英語劇を作り学期末に上演する、という課題。

グループ分け後、さっそくキャストやスタッフなどの役割分担を決めます。

小学校時代の学芸会でセリフなし or セリフ1つの役しか割り振られなかったことから、「自分は役を演じるような人間ではない」という揺るぎない自己認識があり、このときも当然「裏方」を希望しました。

大道具とか照明といった、舞台に立たずに済む役割なら気が楽だと思ったのです。

ところが、フタを開けてみるとメンバーからの推し(押しつけ)でディレクター(監督)になってしまいます。

それまで演劇部に所属するようなこともなく、従って、ディレクターという役割は未経験。

それでも、脚本選び(オリジナル脚本ではなく、授業で指定されたいくつかの既成脚本から選ぶ)に始まり、稽古のスケジューリング、「役者」たちへの演技指導、大道具さんや照明さんへの指示出しなど、演劇というプロジェクトのPMとして、手探りの中でのスタート。

試行錯誤しながら続けるうちに、役を演じるクラスメイトたちの普段とはぜんぜん違う姿に驚かされることになります。

「みんな、演技うまいんだなあ」と感心するばかり。

同時に、「自分はみんながソツなく演技に集中できるような場を作ればいいんだ」という自分の役割が見つかりました。

そこからは手探りは手応えに変わり、自信をもってこのプロジェクトに打ち込めるように。

最終的には上演も大成功。

…そんな思い出が、福田雄一さんの、心から楽しそうに大泉洋さんと話している姿を見ていて、蘇ってきました。

当時の僕は「演じる」ことから逃げることによってディレクターという役割にたどり着いたわけです。

そして、当時の自分と同様に、これからの自分もまた「みんながソツなく自分の役割に集中できるような場を作る」ことを役割として担えばいいのではないか、と。

昨年11月からスタートしたPodcast番組「シゴタノ!ラジオ」での僕自身のあり方がまさに「みんながソツなく自分の役割に集中できるような場を作る」になりつつあると感じています。

「シゴタノ!ラジオ」は対談をベースとしており、当初はパートナーの大下千恵さんの問いに答える形で僕がいろいろ話すという構成でしたが、ゲストを迎えての鼎談になると、「ゲストの方からたくさん引き出したい」と感じるようになり、実際にたくさん話してもらうようになりました。

この感じがとてもしっくり来ているのです。

特に、元旦にアップした、タスクペディア開発者の小鳥遊(たかなし)さんをゲストに迎えた回。

音声012:新春特別対談、TとTについてTさんに聞く(前編) - シゴタノ!記録部

▲「Tさん」=小鳥遊さんです。ぜひ聴いてみてください!

「ありのままの自分は100点」

『新解釈・三國志』の公式サイトには、福田雄一さんと大泉洋さんのコメントムービーとは別に、メイキング動画が合計6本アップされています。

そのいずれもが、実に面白い。

映画『新解釈・三國志』公式サイト


コメントムービーの中で大泉洋さんが「ちゃんとしたお芝居のできる人達をいっぱい呼んで、延々とふざけているw」と言っていましたが、その通りメイキング動画にはいずれも「延々とふざけている」様子が収録されています。

キャストはもちろんスタッフも、心から楽しんで撮影に臨んでいるように感じられます。

「仕事なんだからちゃんとしなきゃ」という緊張感よりも、「こういう楽しさをスクリーンを通して伝えたい」という漏れ出るようなゆるさ。

この雰囲気は、以前観た実写ドラマ『アオイホノオ』でも感じたものでした。最終回で岡田斗司夫さんと原作者の島本和彦さんが登場し、本当に楽しそうに演じていたのです。



こんな風に楽しく仕事ができたら最高だろうな。

そう思ったとき、「ありのままの自分は100点」という言葉を思い出しました。

出典は『生まれ変わっても、この「仕事」がしたい』という本です。

前述したように、私たちにはさまざまな役割があります。そこで、それぞれを自己採点してみましょう。私なら、次のような点数がつきます。

働いている自分 …… 70点
夫としての自分 …… 50点
息子としての自分 …… 40点
日本国民としての自分 …… 60点

では、それらの役割の真ん中にある、「ありのままの自分」は何点でしょうか? そう、誰もが皆、ありのままの自分はまちがいなく「100点」なのです。

ここを「60点」「70点」と、100点以下で考えている人は、今すぐ「100点」と思い直しましょう。ありのままの自分が欠けている人なんていないのですから

心からゲラゲラ笑いながら仕事に楽しく取り組めているとき、そのときの自分は「ありのままの自分」でいられているはずです。

つまり、心からゲラゲラ笑いながら仕事に楽しく取り組めたら100点、なのです。

そして、冒頭で紹介した倉園さんの

  • 「あなたがする仕事も、間違いなく誰かの役に立っている」

という題目は、

  • 「心からゲラゲラ笑いながら仕事に楽しく取り組む」

ことによって現実化するはず。

まとめ

今年2021年の抱負は、

  • 心からゲラゲラ笑いながら仕事に楽しく取り組む

ということで、本年もよろしくお願いいたします。


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