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なにもしていない時間はない



佐々木正悟 タスクシュートで行動の記録をつぶさに残していくとすぐに気づくことですが、私たちは、

  • 何もせずに時間を過ごす

ということができません。

ボーッとソファに座っていても「それも行為として名づけて記録しなさい」というタスクシュート・ルールの縛りのもとでは、何かしらの名付けが必要になります。

  • 休憩
  • 一呼吸
  • リラックス

なんでもいいですが、「無題」では困ります。

こんな記録を忠実に残していくと、短い人でも一日あたり3〜4時間は費やしている「睡眠」といった行為には、他に代えがたい重要な意義があると考えるようになります。

「寝なければできないこと」がある

生産的なことをしている時間と、なにもしていない時間という区別は、幻想に近いものです。おそらくこの発想は、産業革命、工業オートメーションといったものの副産物に過ぎず、100年くらい昔のものです。

睡眠時間を短くして威張っていた「生産的な有名人」と言えば、ナポレオンとエジソンがすぐに思い浮かびますが、どちらも20世紀以前のヒーローです。しかもナポレオンはひんぱんに昼寝していたことで知られています。

コロナ時代になって、面白い科学レポートがあります。私たちは在宅ワークを強いられ、外出自粛が言われるようになったために、睡眠時間が長くなったというのです。

パンデミックが変えた睡眠と夢 | 日経サイエンス

COVID-19は,私たちの夢の世界を変えた。ロックダウンによって,多くの人がよく長く,より遅くまで眠るようになった。中国では就寝時刻が1週間の平均で26分,起床時刻が72分遅くなり,同様の傾向はイタリアや米国にも見られる。

もちろんこれだけであれば、「生産性はむしろ下がっている」と言わざるを得ないでしょう。家から出ないようにいわれて、その結果、「より長く眠るようになった」というだけです。

ただし、睡眠や「夢見」には、長期的に見れば「生産性を向上させる機能」があります。

たとえば同じ記事に、簡単にまとめられているのです。

夢には問題解決を助ける,恐怖の記憶を消去する,社会的状況をシミュレーションするなど,非常に幅広い機能がある。

つまり生産効率のために、寝なければできないことがあるということです。

たしかに眠りながらものを書いたり、新しい製品を開発したりすることはできません。しかし、それを実行するための精神力をサポートしてくれるのは、他ならぬ睡眠の力なのです。

そして、他に代えがたい「睡眠」のような大事なタスクの持つ力を、わたしたちに知らしめてくれるのが「タスクシュート」なのです。