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ありきたりな意味ではなく「ダラダラした」のはいいことです



佐々木正悟 最近になって、このテーマが増えてきていますが、

  • 行動記録がだらしないと、みるのもイヤになる

といった訴えをよくうかがいます。

しかし私は、それは絶対にちがうと考えます。

もし模範的行動ばかりがズラリと並んでいるタスクログを目にすることがあったら、私なら気持ちが悪くなります。

  • ためになる本を読んで、少しヨガをしてから、英語の勉強がしたかったのに、気がつくとネットサーフィンしてばかりいた

というのはきわめてまっとうです。まともな神経の持ち主だという気がします。

このような脱線がまったく起こらず、お母さんがいつも目を細くして頭をなでてくれるようなログだけが並んでいるとしたら、体は大人になっているのに、誰かに支配されている印象以外、何も見つけられそうな気がしません。

なにが自分にとって本当に大切なことで、どのくらい勤勉に仕事をし、どのくらい休憩するのがいいことなのかまで、すべて自分で決めるというのは、もしかすると、とても難しいことなのかもしれません。

だから世間の価値観を適当に借りてきて、

  • 部屋をきちんとし
  • 教養を深められそうな本を読んで
  • 時間が足りないときにはオーディオブックを聞き
  • 適度な運動をする

という生活をロボットのように送るほうが、実は楽なように思えるのかもしれないのです。

「自分が何をしたがっているのか」を自分で発見するために

けれども私たちは、世間やお母さんに褒めてもらうために生きるだけでは、人生がもったいないと感じる能力を備えているから、そんな生活パターンには「抵抗を」示すはずです。

「脱線」とはそんな抵抗のあらわれなのです。

  • 「無駄な抵抗はやめて、おとなしくいいことをしなさい

という言葉にも、ある程度までなら従えるでしょうが、それにも限度というものがあるでしょう。

  • 「記録を参考にしましょう」

と繰り返すのは、自分が何をしたがっているのか、自分で発見して決めるようにしましょう、という意味なのです。

  • 「ダラダラと、悪いことばかり、しちゃいました」

などと、他人に告白している場合ではないのです。

「いいこと」と「したいこと」が一致するようでなければ、「脱線」はなくならないか、ムリになくせば、不毛な感じが残るはずです。

▼編集後記:
佐々木正悟



あと2週間弱で発売となる本書は、私にとっては大きな方向転換となる新刊です。


 
前作あたりから「ライフハック」が少なくなってきましたが、本作には事実上「ライフハック」が登場しないといっていいと思います。
 
ライフハックはある意味では、「義務教育に登場できないが、IT革命以後であれば、誰もが知っておいた方がいい知識」というようなものです。
 
だから今後も、あちらこちらで取りあげていきたい好きなジャンルではありますが、同時に自分としては、もっとマインドよりの話をいろいろなメディアでしていきたいと考えています。