Tips for Mastering E-mail Overload
受信トレイに山のように届くメールをいかにして効率よくさばくか、という技術的な話はそれこそ山ほどありますが、結局自分一人ががんばっても“山”そのものを動かすことはできません。
そもそも、メールは気安く送ることができるために、コスト負担構造が逆転している、すなわち書き手よりも読み手にとって重荷になっていると、書かれています。
●メールが登場する以前は、送り手にコストがかかっていた
●連絡文を書く、切手を貼る、投函する、といった手間、
●送り先の数に応じて嵩む郵送料、
●それゆえ、おのずと送り先を厳選していた
そして、
●メールの登場とともに、これらの送り手のコストが格段に下がり、
●ちょっとした思いつきや衝動でメールを送れるようになった
●しかも、一度に数十人の同僚に送り届けることができる
●自分ができる、ということはみんなも同じことができる、ということ
●その結果、受信トレイがメールでいっぱいになる
このような大量のメールの大半は自分が読まなくても良いメールだったりします。でも、「読まなくても良い」と判断するのにも、開封して中身をチェックする時間はかかってしまいます。
●あなたの1分あたりの報酬額はいくらだろうか?
●年収を120,000(分)で割ってみれば分かる
●この計算を組織を挙げてやってみると良い
120,000分の根拠は書かれていませんでしたが、年250日、1日あたり8時間働いた場合の総時間と思われます。この1分あたりの自分のコストを知っておくと、そのリアルさが痛感できると思います。
「スパムメール処理に500円!」
「電話でのクレーム対応で750円!」
残業代が別途支払われるのならともかく、年俸制の場合や管理職であれば残業や休日出勤をすればするほど、1分あたりのコストは下がっていくことになります。パイは同じままでさらに細かく刻まれることになるからです(仮に1日2時間残業したとすれば、10時間×250日×60分=150,000分で割ることになるので20%オフ…)。
そこで、読み手のメールコストが安く済む、すなわち
1.その人にとって必要なメールだけを送るようにする
2.読み取り時間が短くても済むような書き方をする
といったトレーニングに組織を挙げて取り組もう(Taming e-mail)と提案されています。そのためのメールの書き方が具体例とともに紹介されていますので、いくつかピックアップしてみます。
件名は本文を要約したものにする
×悪い例
件名:納期についてのご相談
○良い例
件名:納期は4月25日でいかがでしょうか
CCで当事者以外も読んでいるメールのやり取りでは、コンテクストを明確にする
×悪い例
To:Billy Franklin
From:Robert Payne
件名:Re: Re: Re: チャリティードライブへのご支援のお願いそうですね。アップルパイでOKです。
○良い例
To:Billy Franklin
From:Robert Payne
件名:Re: Re: Re: チャリティードライブへのご支援のお願いアップルパイはどうかということでしたが、それでOKです。
Toでたくさんの人に送る場合は、本文で一人一人指名する
(原文では「CCで送る場合」としている)
×悪い例
To:アビー, ビル, シンディー
件名:Web site design draft is doneWebサイトのデザインラフが上がってきました。添付を確認して下さい。今週中にデザイン会社にフィードバックをしないといけません。
○良い例
To:アビー, ビル, シンディー
件名:Web site design draft is done>アビー
マーケティングの狙い通りになっているかをチェックして下さい。>ビル
このスローガンが当社のブランドにマッチしているかどうか確認して下さい。>シンディー
万一デザインをやり直すことになると、スケジュールがずれ込みますね。Webサイトのデザインラフが上がってきました。添付を確認して下さい。今週中にデザイン会社にフィードバックをしないといけません。
Bccを使わず、個別に送る
×悪い例
To:Fred
Bcc:Chris今日の14:00からの会議に出席してください。
○良い例
To:Fred
今日の14:00からの会議に出席してください。To:Chris
今日の14時から会議室を予約しておいてください。
相手にやって欲しいことをメールの末尾にリスト形式で書く
続いて、メールの読み方についても書かれているのですが、長くなりましたので次回に。。
最後に今回取り上げなかったものも含めてまとめておきます。
●件名は本文を要約したものにする
●CCで当事者以外も読んでいるメールのやり取りでは、コンテクストを明確にする
●たくさんの人にCCで送る場合は、本文で一人一人指名する
●Bccを使わず、個別に送る
●相手にやって欲しいことをメールの末尾にリスト形式で書く
●要件が多い場合は要件ごとにメールを分ける
●確認項目が多い場合は、紙にリストアップして電話で確認する(お互いの時間の節約になる)
●転送する際は必要部分以外はカットする
●ミーティングを招集するメールの件名には、日時に加えてその目的も書く
●一画面に収まる分量にする
●急ぎの要件は電話する
原文はこちら。