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結局、原稿は何を使って書くのがベストか?



佐々木正悟 前回の続きです。


これまでに、

  • Evernote
  • Scrapbox
  • Pages
  • Notebook

などなど、ほかにも放浪してきているものの、結局原稿そのものは、テキストエディタで書いているのが現状です。

今はUlyssesというものを使っています。


書こうと思ったとき、書けること

冒頭に挙げたアプリやサービス、どれにも一長一短あります。どれも悪くはありません。しかし、テキストは何があっても、もたついてほしくないのです。書こうと思ったとき書けないというのも、困るのです。

そうなると、Evernoteはいいときとよくないときの速度の落差が激しすぎます。

Scrapboxもテキストエディタ向きではないな、と私には思えました。そもそもネットに接続できなければいけませんが、いつでもその環境を確保する気になるとは限らないのです。それがすべて。

Pagesは軽快感といい図の挿入のしやすさといい、ある意味ではベストです。しかし、これは言ってみればMacのWordであり、これに例えばiPhoneから「メモ」を追記する気が全くしないのです。できないとは言いませんが、する気がしないと言えばわかっていただけるでしょうか?

原稿を書く上で「原稿にメモしたい」と思う機会は100%発生します。Evernoteにメモっておいたりたすくまにメモっておいて、そこから転記すればいいのですが、本の原稿というのはそういうクッションを入れたくなくなる。興が乗ってくるとなおさらです。

残るは、UlyssesやNotebookのような高機能型メモアプリ。これらは「メモ」だからメモする気になれるのです。「メモ」だから、サイドペインにリストアップされていてもそれらが「ファイル」のようには思われず「メモ」らしく思われるのです。

Ulyssesを使っている理由

サイドペインはやはりあった方が便利です。例えば今書いているこの原稿は、シゴタノ!の2019-01-24という「メモ」に書いています。「シゴタノ!」もリストにあって、その上には「CHANGES」というリストがあって、その上にはまた別のリストがある。

そういうリストを切り替えられるようになっていた方が、「ファイル」を開くよりもずっといいのです。



Ulyssesはなんとも軽快です。サイドにあれこれリストがあったり、文字数をすぐ数えられたり、クイック書き出しでWord形式に即座に書き出せるなど、やりたいことは大抵即座にできるくらいの機能を備えているのに、軽快です。

iPhoneからでも目的の「メモ」を即座に見つけられて、それを編集できるほどなのです。

ほぼ同じようなことは、今時大抵のツールでやれますから、Ulyssesのサブスクリプションという価格体系(月額550円。年間一括なら毎月366円程度)は受け入れがたく思われるかもしれません。

しかし、今後どうなるかわかりませんが、原稿を書く媒体というのは、そのまま原稿の保存場所ともなるので、サブスクリプションで、動作も安定していて、ある程度センスのいいデザインであることなども、選択の条件となり得ます。サービスが途中で打ち切られると、ダメージを被るからです。

Ulyssesが私にとっては原稿の保存場所になるという意味では、検索機能が優れている点も見逃せません。たまった原稿からアクセスしたい文章を見つけ出すという必要にも駆られるからです。

ちなみにちょっと脱線しますが、pptxエクスポートに対応したUlysses的なプレゼン資料作成ツールというものがどこかにないでしょうか? プレゼン資料を軽快に作れて、サイドリストですぐに切り替えられて、検索対応していて、保存場所にもなるというものがほしいですね。

「書き上げる」ワークショップを開催します

ズバリ「書き上げる」をテーマにしたワークショップを開催します。

私自身、2006年以来これまでに50冊ほどの本を書いてきました。年間4冊ペースです。しかも、50冊書いてきて、締め切りに遅れたことは一度もありません。

なぜ、そのようなことができるのか?

私に常人にはない特殊な能力があるから、というわけではありません。

さまざまな執筆をサポートしてくれるアプリの恩恵が非常に大きいです。
あとはほんの少しの工夫を加えるだけで、締め切りまでに書き上げることを可能にしています。

その工夫の内容とは以下のようなものです。

  • 思いついたアイデアをそのままアウトラインに組み込む手法で執筆時間をグッと短縮する
  • クラウドにネタとアイデアを蓄積することで発想を逃がさない
  • 書きたい意欲が高まった時を逃がさず文章化していく
  • 執筆計画をカレンダーと連携させて締め切りのストレスから自由になる

「ほんの少しの工夫」と呼ぶには少々込み入っていると感じられるかもしれません。

でも、一度これら一連の工夫をアプリと組み合わせて「仕組み」として組み上げてしまいさえすれば、あとは本当に日々この仕組みに沿って手を動かしていくだけで、毎日少しずつであれ機械的かつ確実に執筆を進めることができます。

そして、締め切りまでに余裕をもって書き上げることができるのです。

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なかなか筆が進まない人のための「書き上げる」ワークショップ

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