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前にできたとおりにやるための「全部リスト」を持っておく



佐々木正悟 調子の出ない日のやり方なのですが、ようするに、自分の1日の「完全なプログラム」を用意してしまって、それをなぞるだけにとどめるのです。

イメージしづらいかもしれませんが、朝の冒頭の方だけを書くならば、こんな感じになります。

  1. アラームをとめる
  2. 起きてiPhoneのスクショを撮る
  3. トイレに行く
  4. 歯を磨く
  5. コーヒーをいれる
  6. 体重計に乗る

ポイントは、これを朝の1時間分とか、食事の準備まででとどめているのではなく、夜寝るまでずっと続いているところです。日によっては100項目を超えます。

すべての日をこれで通しているわけでは、もちろんありません。しかし、調子が極端に悪い日には、これで通してしまうこともあります。

確認して、なぞる

調子が悪い日に、なぜこれがやれるのか? むしろ、調子がいい日だけしかやれないのではないか?とそう質問されたこともあります。

しかし逆です。調子が悪い日だけ、何とかできるのです。

調子がいいと、人に割り込まれます。自分の「プログラム」だけをこなせばいいというわけにはいかなくなります。調子が良ければ、電話に出たり、人から頼まれた急な用事にも答えたり、また、自分でも余計なことをしたりするでしょう。

ある日私は、39度の高熱を出しました。しかしその日は、セミナーがありました。幸い原因は小児ぜんそくのようなもので(私の持病です。私はもちろん小児ではありません)、参加者さんにうつる気遣いはなかったので、強行したのですが、まさにこのプログラムが役に立ったのです。

以前にやったとおりに起床し、セミナーに行く準備をし、以前にいったとおりの道を、ほぼ以前に歩いたように歩く。

私はよく道に迷うため、1日プログラムの中には、渋谷駅の改札を出たら左へ曲がる、とか、○○交差点では黒いビルを目指して歩く、などというのまであります。

誤解のないように申し上げますと、私は別に記憶に障害があるわけではなくて、こういうリストがなくたって、1度覚えた道を間違えるわけではありません。また、こんなリストがなくたって、セミナーのことを忘れたりはしません。

私はリストをふだんは「確認して、なぞっている」のです。これによって、心理的負担を下げているのです。

最近はほとんど懇願したいくらいの気持ちになっているのですが、一般の人にもぜひ、1度で良いからこういうことを試してみて欲しいのです。病的に見えるのは分かりますが、ラクなのです。大変なストレスの軽減になります。わかりきったことでも、書いてあることをやればいいというのがラクなのです。

いちばん感覚的に近いのは、わかりきったところに行く場合でも、カーナビを利用することです。近所の3分で行ける郵便局でも、目的地設定し、ナビの言うとおりに運転することです。

これが「記憶の補助」とは考えにくいでしょう。これは「わかりきったことのためにでも認知力を使わない」というような話です。

もちろん、毎日こうやって過ごしていたら退屈かもしれませんし、張り合いもないかもしれませんし、そもそもほかのこともするようにと言われてしまうでしょう。自分でもほかのことをしたくなるはずです。それはそれでいいのです。

しかし、人間には調子が悪い日もあります。それも、ただならぬレベルにまで落ち込むこともあるのです。そんなときにもできるやり方を知っておくと、心理的に大きな自信がつくものです。