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目標勾配効果でタスクリストを完了させる



佐々木正悟 少し以前から、「すでにスタンプがいくつか押してあるポイントカード」を受け取ることがよくあると思いませんか?

これは、2006年にラン・キヴェツ教授が行った

  • 10杯のコーヒーを買うと1杯分おまけがもらえるカードをわたされた人々
  • 12杯のコーヒーを買うと1杯分のおまけがもらえるカード(ただし2つ分のスタンプがすでに押してある) をわたされた人々

の2グループでは、後者のほうがおまけまでにたどり着くのが速くなるという実験結果によるものなのです。

これを「目標勾配効果」と言います。

どちらにしてもおまけまでには10杯のコーヒーを買う必要があることに変わりはないのですが、私たちはすでに進められている事象にのっかる方が、1から進めなければならないケースよりモチベーションが湧きやすいのです。

タスクリストを最初から進めておく

したがって、1つもチェックマークの入っていないタスクリストを使うのは、よけいなエネルギーを要することになるでしょうし、チェックマークがつきそうもないタスクリストを使うのは、無駄に終わるリスクが高いと言えます。

私はタスクシュートを使い出したとき「これ使い出すのが楽だ」と不思議に思っていましたが、それは「すでにやり終わったことになっている行動のいくつか」がリストアップされているからです。

たとえば「起床」「洗顔」「トイレ」などがそうです。タスクリストなど見るまでもなくそういうことは起きて自然とやっていたので、タスクリストを見たときにはそれらを「終了した」ことにする作業になるわけです。

そこまでやるのが面倒だ、という意見も当然あるわけですが、タスクリストは概して終わりそうもないタスクの羅列というケースが多いものです。

私などはそれまでGTDに従って、気になっている未達項目ばかりのリストを抱えていたから、「何もしていないのにどんどん終わっていくリスト」というのは新鮮でした。

タスクシュートでなくてもいいので、最初からどんどん「完了マーク」をつけられるタスクリストを作った方が、最後まで完了できる可能性は高くなります。

それが目標勾配効果なのです。