こちらで「携帯メールでアイデアを捻り出す」というアイデアをご紹介しましたが、もう少し踏み込んでみます。
ひらめくためのコツは、
1.今の自分が置かれている状況について思いを馳せ、
2.その中で困っていることを具体的に想像し、
3.それを解決するためにはどうすればいいか?というステップで考えることです。席を立つタイミングというのはその時々で状況が違いますので、それがヒントになります。例えば、朝であれば家を出てから会社に着くまでのことを振り返る、夕方であればそれまでのその日の仕事を振り返る、など材料に事欠きません。席を立つ直前に考えていたことをネタにしてもよいでしょう。
また、このような脱線はたいていは数分で終わるために、そのタイムリミット内に何としてもひらめき終えなければなりません。紙にメモするのではなく、あえて携帯メールにするのは、
1.電子データとして記録が残る(検索や再利用がしやすい)
2.片手で入力ができる(紙の場合は両手になる)という2つの要因が大きいのですが、最近の携帯は予測変換のおかげで、自分がよく使う言葉は素早く入力できるため、効率がよい、という理由もあります。
さらに、時間が限られているために、アイデアを、
・なるべく短い言葉で
・ポイントを押さえて
・簡潔に書くことを強いられます。自分が後で読み返しても何のことかがわかるように客観的に書く必要もあります。これは論理的に考えるためのちょっとしたトレーニングになると考えています。
・・・と書きましたが、まとめると、
1.3分程度のタイムリミットがある
2.思いついた時ではなく別のきっかけでできたタイミングに、ついでに捻り出す
3.条件付けにより習慣化されやすい
4.情報圧縮力が高まる(短い言葉でポイントを押さえて簡潔に書く)
ということになります。
上記は毎回ランダムにその時々に感じたことを“読み切り”の形で書いていく方法になっていますが、これとは別に、毎朝テーマを1つ決めて、その日はひたすら同じテーマについてのみ書いていくという方法もあります。
例えば、以下はある日のアイデアメールです。テーマは「ルーチンタスクを減らす」。
16:54 管理対象を減らす
後からトレースできなくても困らないことリストを作ってトリミングしていく
18:30 管理対象を減らす2
アウトプットが重複するタスクを統合していく
20:01 管理対象を減らす3
やる時に実は気が重いと感じてるタスクは、
1.他で統合、2.他で代替、3.やめる、のどれかを実行
21:45 そのタスクは何を産み出すための行動なのか?
効果のあることに時間を投資する
24:36 日々のルーチンタスクごとに具体的に役に立っていることを挙げる
効果のあることに時間を投資しよう
テーマに沿って、「どうしたらルーチンタスクを減らすことができるか」という視点で思いついたことを次々とメールしていったものです。
もともとこのテーマを考えるきっかけとなったのは、以下の一文を目にしたことでした。
なにもかも管理できているということは、ペースが遅すぎるということだ。
─マリオ・アンドレッティ
「うわ、確かに!」と思い、仕事のペースを早めるために、管理対象を減らすには、あるいはルーチンタスクを減らすにはどうすればいいか、という出発点が得られました。
アイデアメールを送る際は、「送信済みメール」の最新のメールを再編集するようにします(上書きする)。こうすることで、前回送ったメールの本文を見ながら考えることになるため、アイデアを書き接いでいくことができます。
先ほど挙げた一連のメールは、それぞれ直前のメールを上書きする形で書いているため、一人連歌のごとく、前のメールの言葉を受けて、書き接いでいっている様子が見て取れるかと思います。
考えるためのまとまった時間を取れなくても、電車の待ち時間や何となくボーッとしているようなコマギレ時間に前回送ったアイデアメールを眺めることで、毎回一から考えることなく、積みあげていくことができ、考えを前に進めることができるわけです。
そして、一日の終わりに、その日に携帯から自分宛てに送ったアイデアメールをPCでまとめて読み返すと、それは1つのまとまりのあるアイデアとして姿を現すでしょう。それだけでブログのエントリー1本分に相当する内容になることもあります。
読み返してみて見通しが悪いようであれば、それらをマップ形式で整理すると良いでしょう。
いずれにしても、この習慣を続けることで、机の上で一から考えることなく、外出から戻ってPCの前に座ったら、すでに考える材料がメールボックスに集結している、という状態になり、あとは手を動かすだけでよくなります。当然、仕事のスピードもアップするはずです。