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あえて逆をやってみる

わかっていてもどうにもうまくいかないことがあります。スケジュールも立てたし今やるべきこともわかっている、という状況に身を置いても──「そういう状況になりさえすれば必ずできるはず」とできなかった頃に思い描いていたまさにその通りの状況になっているのに──できないのです。

このような、がんばらねばいけない状況なのにがんばれない。がんばろうとすればするほど空回りしてしまうというこの状況は、どのようにしたら打開できるでしょうか?

リラックスと積極思考を心がけよう(メンタル・タフネス)

 まずは、自分の心身のコンディションについて、自分自身でチェックします。自分がどんな感じで行動した時、結果が良いのか、あるいは悪いのかに気づく必要があります。良い結果をもたらす心身のコンディションづくりをするためです。

 次に、心身のリラックスと積極的な思考を心がけましょう。これらがメンタルタフネスを発揮する基本だからです。そのためには、まず、「歯を食いしばらない」ことが大切です。上下の歯を引き離すようにすると、力まずにリラックスできます。高速度撮影の映像で見るカール・ルイスの走行中のほほは、波打つように揺れていました。彼は歯を食いしばって走っていなかったのです。ジャック・ニクラスもボールを打つ時、歯をかみしめるかわりに、下唇を軽くかみしめるようにしました。そうすることで力まずにプレーができるようになったと述べています。

見た目と実際との間には常にギャップがあるものです。カール・ルイスやジャック・ニクラウスは「がんばるべきときにリラックスする」という事例でしたが、逆の令もあります。水面(みなも)を優雅にたゆたう白鳥は、水面下では必死に水を掻いているでしょう。

そう考えると、結果として目指すべき態度がある場合、例えば、がんばらねばならない状況においては、むしろがんばらないこと、言い換えれば力を抜いてリラックスしている方がいいのかも知れない、あるいは、リラックスしてもいい時こそ、必死にがんばってみるなど、置かれた状況と実際の行動とはあべこべの方が実はうまくいくのではないか、という仮説が思い浮かびます。

あべこべと言えば、漫画「ドラえもん」にアベコンベという道具が出てきます。アベコンベで触れたモノはその機能が逆転します。

例えば、パパが吸っているタバコにチョンと触れると「吸えば吸うほど長くなるタバコ」になり、ママが洗濯物を干している物干し台にチョンと触れると「干せば干すほどビショビショになる物干し台」になる、という次第です。そういえば、以前もこのアベコンベに言及していたのを思い出しました。

達成しやすい行動目標の立てるコツ

余談ですが「ドラえもん」で「アベコンベ」という道具があったのを思い出しました。

アベコンベ

この道具の先端でふれたものは、全てあべこべに働くのである。消しゴムをこすれば真っ黒になり、たばこは吸えば吸うほど長くなる。掃除機はゴミを吐きだし、かみそりでひげをそればひげがワサッと生える。こんな調子だから、持ち主であるドラえもん自身手に余り、捨てようと考えていたが、もったいないというのび太が使い道を探すことになった。とはいえ、やはり全く役に立たず、それどころか誤ってアベコンベを自分の頭に触れさせて狂ったドラえもんが暴走、そこらじゅうのものをあべこべにしてしまうという騒動を引き起こしてしまった。役立たずというほかない。

役立たずではありますが、常識を疑う目を養うためにこの「アベコンベ」的な視点は意外と大切なのではないか、と思ったりします。この辺りについてはまた改めて。。

ようやく「改めて」の機会にたどり着きました。ポイントは逆に考えてみること。

締め切りに追われている時は、アベコンベで自分の頭をちょんと突いて、ニコニコしながら仕事をする。「あはは、追われてるなー」と自分で自分のことを笑いながら取り組んでいると、不思議と楽しくなるものです(ちょっとおかしい人に見られそうですが…)。

締め切りに追われながら必死の形相で仕事をしていたら、ますます「追われる自分」が強調されてしまいます。度を超えるとオーバーヒートしてしまったり(その結果は現実逃避という形で現れます)、仕事自体は無事に終えられたとしても、その後に反動としての「燃え尽き」がやってくるかも知れません。

ニコニコしていれば「あれ、もう終わったの?」と終わったのも気づかないぐらいに仕事をすんなりと乗り越えることができるでしょう。当然燃え尽きることもありません。

逆に、余裕がたっぷりある時は悲壮感たっぷりの表情で「すぐに終わらせなければ!」という鬼気迫る決意で臨みます。「どうせ今日中にやらなくてもいいわけだし…」などと思っていると、必要以上に気がゆるんでしまい、仕事がほとんど進まない、ということになりかねません。余裕があるからこそ、アベコンベで自分の頭をちょんと突いて、「早く終わらせなければ!」と自分を焚きつけて仕事を進めます。その結果いっそうの余裕が生まれるでしょう。

これは、お金に余裕のある時こそ倹約してコツコツ貯金をするという態度に似ています(実際に余裕が無くなってからでは手遅れという場合が少なくありません)。もし本当に“財政”がピンチになってしまったら、ゲーム感覚でやりくりを楽しむことで、乗り越えることができるでしょう。

手持ちの現金を給料日までの日数で割り、1日あたり1600円しか使えないことが判明。でもその日からは「1日に1600円までは安心して使えるのだ」ということで不安な気持ちがかなり軽くなったのを覚えています。

しかも、「今日は1400円しか使わなかったから明日は1800円使える!」という小さな幸せを感じたこともありました。そこからはほとんどゲーム感覚で、Excelで管理シートを作って、日々使ったお金を入力すると、翌日以降の一日に使える金額が再計算されるようにするなど、むしろ楽しんでいた記憶があります。

目の前にある仕事が持っているリズムに引きずられることなく、自分のテンポでビートを刻んでいくことができれば、常に自分らしい仕事ができるはずです。「アベコンベ」のアイデアはそのための取っかかりになりそうです。