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認識を改めることで仕事のスピードはまだまだ上げられる

START!仕事のスピードを上げる秘訣は、速さ(スピード)よりもむしろ早さ(スタート)にあると思っています。

たとえば、キーボードのタイピングスピードをアップさせるべく血のにじむような努力を重ねても、せいぜい1.5倍から2倍というのが関の山でしょう。10倍になることは絶対にないです(ここで「攻殻機動隊」のワンシーンを思い浮かべた人とは話が合うかもしれません、マニアックな話題ですみません)。

むしろ、仕事を前にして取りかかりあぐねている時間を限りなくゼロにできれば、すなわち、すぐに取りかかることができるようになれば、ロスタイムが圧縮されることによって、トータルで見たときの仕事のスピードはぐっと上がります。

ぐっと単純化して、1日10の作業を行う人が、それぞれの仕事の取りかかり時に10分のロスタイムをかけていたとします。このロスタイムをゼロにできれば、1日あたり100分の時間を節約できます。1週間5営業日なら500分で、実にまる1日分(8時間)の時間が生み出されます。

今まで少しずつ掠め取られていた時間を取り返しているだけなのですが、残業や休日を温存できる点にインパクトがあります。

それゆえに、『スピードハックス』という本のタイトルはむしろ「スタートハックス」の方がよかったのかもしれない、と思ったりもします。とはいえ、「スタートハックス」だったら売れなかっただろうな、とも。

そんな思いもあって、中身的には「スタートハックス」に当たる本を現在執筆中なのですが、煮詰まってきたので、その中からコンセプトとツールを1つずつご紹介。

 

コンセプト:成果=時間×集中力

1日の時間は24時間と限られているのですが、もう1つ注意を向けるべき変数があります。それは、時間のように数値化はできませんが、集中力です。

単純に考えて、10時間かけて10の仕事をするのと、1時間で10の仕事をするのとでは、成果は同じですがコストは10倍違います。その人の評価はもっと違うかもしれません。

そうなると、集中力をいかに高めるか、そしてそれをいかにキープするか、そのコントロールがカギになってきます。

集中力に注意を向けるためのエクササイズ

成果を上げるうえでこの部分を避けて通ることはできません。そこで「スタートハックス」(仮)では、まず時間を忘れて集中力に注意を向けるためのエクササイズを盛り込んでいます。

このエクササイズは、僕が普段企業研修の中で行っているもので、日頃から先送りにしている「取りかかりあぐねている仕事」を用意して、これを5分間で「取りかかれる仕事」に変えていきます。

不思議なもので、研修という環境と5分間という制約の2つがそろうことで、先送りをし続けている仕事に掛かっているロックが一時的に外れるのです。このときを逃さずに、一気にその仕事の急所を押さえてしまいます。

その結果、ロックが外れたままになりますから、あとは焼いて食うなり煮て食うなり、という「仕留めるモード」に移行できます。

ちなみに、このエクササイズは次回の「高速思考・高速行動ハックス」セミナーでも体験いただきますので、参加される方はお楽しみに!

 

ツール:Toodledo

上記のコンセプトを具現化するツールとしては、最近使い始めたToodledoが今のところはベストなものだと考えています。Toodledoについては、佐々木正悟さんが以下で解説されています。

 
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ざっとWebを見る限り、Toodledoはタスク管理ツールというくくりで捉えられていることが多いようですが、佐々木さんと僕は「集中力コントロールツール」というくくりで捉えています。

2人ともにTaskChuteというツールを使い込んだうえで Toodledoに移行しているために、このような認識を持つに至っているのだと思いますが(詳しくは上記の2つの記事を読んでいただくと概略がつかめると思います)、個人的にはToodledoをタスク管理ツールとして使うだけではもったいない、と思うのです。

ツール<使い方<考え方<現実認識

ツールは、人の数だけ使い方がありますし、使い方の根底には考え方があります。考え方を形成するのは世界観、すなわち現実認識です。そうなると、表層に過ぎない使い方に振り回されているのはもったいない、ということになります。

たとえば、Toodledoに関して、僕自身は1日の時間(睡眠時間を除いた活動限界18時間)を3時間ずつの6つの区画に分けたうえで、それぞれの区画ごとにタスクを振り分けて使っています。この使い方は僕が1日という時間を6つの区画に分けて認識していることから生まれた考え方に基づいています。こうすることで、あくまでもイメージ的にですが、各区画ごとに集中力を配分できます。

 
一区画は3時間ですから、丸一日(18時間)に比べると扱いやすくなります。つまり、見通しが立てやすくなるのです。

 「今から18時間でこのレポートを仕上げてくれ」

と言われるのと

 「今から3時間でこのレポートを仕上げてくれ」

と言われるのとでは、明らかに後者の方ができるかできないかの判断を下しやすいでしょう。

もちろん、3時間というのもそれなりの塊ですから、分解の余地はあるわけですが、

 「18時間もあれば、ちょっとぐらいサボっても問題はあるまい」

という油断の入り込む余地は少ない、と言えます。

 
人間が機械と大きく違う点は、同じものでも見え方・見せ方によって、認識および判断が大きく左右されるということでしょう。

ここに100項目からなるタスクリストがあるとします。もし、これを終電まで残り1時間という、疲労がピークに達した状況で見せられたらどうでしょう。おそらく「今日はこれくらいにして、明日に仕切り直しをしよう」という判断が導き出されるかもしれません。

一方、終電までの1時間の間にやり終えてしまいたいことはこの4項目で、トータルで50分あれば終わりそうだ、というデータが把握できていたら、じゃぁできるところまでやってしまおうか、という判断が下せるのではないでしょうか。

Toodledoは、こうしたタスクの見え方・見せ方を自在にコントロールできる点が優れていると感じています(そのためにかなりマニアックなカスタマイズを施しています)。

Toodledoの具体的な使い方についても、次回の「高速思考・高速行動ハックス」セミナーにて、実際の画面を交えてご紹介します。

関連エントリー:

1日を複数のセクションに分ける意味 
本を1冊書くのにかかる時間を「見える化」する 
現実的かつ有効なスケジュールを立てるコツ 
時間に対する愛情ある配慮 
できそうだと思ったことは、たいていできない 
取りかかれない仕事対策1~何となく気が進まない場合 

 
 

▼編集後記:
大橋悦夫
友人の肘井寿治さんが「付箋仕事術(ふせんしごとじゅつ)」という変わった名前のセミナーを企画しています。今回のタスク管理の話にも関連するのでご紹介。
※三宮(神戸)で開催されるセミナーです。

 
PCを使ってタスク管理をするのはどうも実感がわかない、という人もいると思いますので、実際に手で触れることができる付箋を使った手法は一定の需要がありそうです。

メリットとしては、以下の通りだそうです。

短期目標に向けて行動することで長期目標(夢)が明確になっていく目標の成長サイクルを作れること。これを理解すると、夢が明確でなくても目標を決めて行動できるようになります。付箋仕事術が得意な数ヶ月単位で目標の成長サイクルを回して夢の明確化を加速し、行動が増えるので夢の実現性も高まります。

詳細は以下。

  • 日時:2009年12月13日(日) 13:30~16:45
  • 会場:三宮センタープラザ西館 6階 6号会議室
  • 講師:一人ビジネス トレーナー 肘井 寿治(ひじい としはる)
  • 定員:8名
  • 参加費:7,500円 → 特別価格 4,500円

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