たとえば、長期休暇というのは実家で過ごしたりするので、ふだんと違う環境で作業をすることが多くなります。
子どもがまだ赤ん坊であると、子守りをするにはほ乳瓶が必要でしょう。ほ乳瓶は、殺菌して使っている人も多いでしょう。粉ミルクも選んでいる人も多いでしょう。
そういう「作業環境のセット」のために、たとえば自宅と実家とでは、かかる時間が全然違います。
授乳にしても原稿書きにしても、実作業時間は、こなれてくるとそんなに短くできません。ふだん25分かかる原稿を、2分5秒で書く、などということはあり得ないのです。しかもそんな忍者ハットリくんみたいなことができたとしても、節約できる時間は20分少々。
紅白歌合戦でも見ていたらあっという間に過ぎ去る程度の時間しか、節約できないのです。
しかし「環境のセット」にかかる時間は、節約できます。
脱線を防ぐために
私たちの作業能力と、作業のモチベーションは、かなりのところまで環境次第で決まります。原稿書きなど、横から常に文句をいわれたり電話が頻繁にかかってくる状況では、進みません。
授乳にしても、落ち着いたところで時間をしっかりかけられるのと、横に姑などがいてよけいなプレッシャーをかけてくるのとでは、全然作業のストレスが違います。
環境を整えるのに人が時間とお金をかけるのはもっともなのです。
しかしだからこそ、仕事の進む環境をたえず追求し、理想的な環境を繰り返し「活用する」効用は大きいのです。
「環境難民」になってしまって、いつも新しいセットをして、それでもしっくりこないとなると、時間のムダは半端なものではなくなります。
新年に実家に戻ったりすると、「環境を求めてさ迷っているうちに1日が終わる」という現実に遭遇します「環境をあつらえておくこと」の重要性は、時間の節約のためには欠かせないのです。
以上の事実はまた、1日にやることが多すぎる人ほど、実作業時間以外の部分でも、時間を消費しがちであることを物語っています。
やることを変えるたびに、環境セットのし直しが必要になるからです。
食事環境、授乳環境、入浴環境、読書環境、執筆環境。
それぞれ全然違います。
環境を変えるたびに、時間を使っています。そして、うまく環境が整わないと、作業する気になれないし、作業自体もはかどらないのです。
「脱線」はしばしば、変化しきれない元の環境下で、やりやすい作業に引きずられるようにして、生じます。
快適でスムーズなモードチェンジを追求しましょう。
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セミナー告知の内容に少し手を加えました。
このテーマに沿って、4つのサブトピックを3時間いっぱいを使ってお伝えしたいと思います。
- 挫折しないタスク管理(GTD)
- いつかやりたいことをやる方法
- デジタル情報整理のコツ
- 書籍企画の作り方と出し方(おまけ)