拙著新刊のご紹介。というか、タイトル通りです。
作家になりたい人のための本でもなく、すでに数冊の著作を持つライターのための本でもありません。今まさに、これから一冊目の本を書こうとしている人ための本です。
目次は以下の通り。
- 1.道を決める
- 2.忍び寄る影に抗う力
- 3.準備と行動
- 4.執筆はリズムに乗せて
- 5.小さな感触を確かめる
- 6.王国と建物
- 7.コンテンツの道具箱
- 8.困ったときのピット・イン
- 9.筋を通しバランスを整える
- 10.質は読み返しから
- 11.文章のチェックポイント
- 12.鎖および救いとしての締切
- 13.執筆の終わり、販促の始まり
これら13編に加え、巻末に「推薦図書」のミニリストも付いています。
執筆の動機
本書はセルフパブリッシングなのですが、セルフパブリッシングでないと発売されない類の本でしょう。なにせ作家にあこがれる人はたくさんいますが、「これから一冊目の本を書こうとしている人」は限られています。つまり、ニッチです。普通に考えれば、商業出版のマーケットには乗りにくいでしょう。
というわけで、セルフパブリッシングを使ったわけですが、その「ニッチ」さには少し変化も生まれてきていると感じています。自分の身の回りを見ていても(もちろんネットです)、「本を書きたい」という人だけではなく、「実際に本を書いています」あるいは「書きました」という人が増えてきているのです。
その舞台は商業出版ということもありますし、セルフパブリッシングということもあります。どちらにせよ、電子書籍の特性(低コスト・低ボリューム)によって、書き手への門戸は大きく広がりつつあります。
では、それをサポートする情報はどうでしょうか。どうにも、これが追いついていない印象があります。
執筆に関する技術的な話は多く見かけますが、「本を書く」という行為の全体をサポートする話はあまり見かけません。
というわけで書いたのがこの本です。
ただし実務的な話はほとんどありません。たとえば契約書云々や、マーケティングの話は出てきません。その代わり、商業出版であってもセルフパブリッシングであっても役立つ話が盛り込んであります。
さいごに
執筆とは基本的に孤独な作業です。
仕事の環境的に、多くの作家と交流して執筆のノウハウを交換するということもありませんし、そもそも原稿は書き手が最初から最後まで自分の手で書き上げるものです。少なくとも、執筆に関しては一人でやる仕事なのです。
だからといって、他の人からのアドバイスがまったく役に立たないということはないでしょう。
本書ではあまり押しつけがましくならないように(「こうすれば売れる本が書ける!」)、ある書き手から別の書き手への手紙という形式を取りました。
ビジネス書っぽくノウハウがまとまっていたりはしませんが、頭から終わりまで読んでいただければ、執筆の姿勢やいろいろなノウハウについて触れることができるかと思います。
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タイミングからいって、そろそろ紙の本の新刊を紹介してくるだろうな、と予想された方も多かったかと思いますが、綺麗に裏切ってみました。紙の本の新刊についてはまた次週書いてみます。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。
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