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一年間、毎月一冊電子書籍の新刊を発売した体験をまとめました

By: Jessica SpenglerCC BY 2.0


倉下忠憲というわけで、電子書籍の新刊です。

つまり、「一年間、毎月一冊電子書籍の新刊を発売した体験をまとめた」電子書籍の新刊を発売しました。

» ゼロから始めるセルパブ戦略: ニッチ・ロングセール・オルタナティブ (セルパブ実用書部会)[Kindle版]


一種の体験記なので、技術的なノウハウの話はありません。企画の考え方といったものも含まれていません。むしろ、マーケティングな視点が多く含まれています。

目次は以下の通り。

概要

第一章 「月くら」計画ビギニング
  「月くら」計画の概要をご紹介。
第二章 「月くら」計画から学ぶ9つの教訓
  「月くら」計画から得られた教訓を9つにまとめて提示。
第三章 500人の読者理論
  セルパブで食べていくにはどのくらいの規模が必要か。
第四章 セルフパブリッシングの未来
  黎明期を抜けたセルフパブリッシングはどうなっていくか。

より詳細な目次については、ランディングページをご覧ください。



本書は、基本的には、セルフパブリッシング実践者向けです。「セルフパブリッシングとはなんぞや?」という知識はすでに持っていて、さあ、今からセルフパブリッシングするぞ、という方が指針を得られるような内容となっています。セルフパブリッシングとは何かがわからない方はご注意ください。

ただし、本書は「インターネットで情報を提供する人」にも何かしらのヒントが含まれているでしょう。そうした活動も、広い意味でパブリッシング活動ではありますので。

夢のない話

残念ながら、本書は、「いかにして低労力で高収入を得るか」といった話ではありません。たぶん、それを期待して手に取られると、ひどくガッカリされるでしょう。本書では実際の売上げ実績がいくつか公開されていますが、おおよそ人様に自慢できるものではありません。でもって、それが今のところの「現実」ではあります。

もちろん世の中には、極端に儲かっている人もいるのでしょうが、やはりそれは局所的というか、例外的な存在です。それを一般化して考えると痛い目を見ます。しっかりと「現実」を見据えることが大切です。

しかし、今の「現実」が、未来の「現実」とイコールであるかはわかりません。コツコツ続けるうちに、変化が訪れることもあるでしょう。そして、どうせコツコツ続けるなら、早い方がよいでしょう。先手を打つなら早めに、です。

希望がある話

いしたにまさきさんの『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』では、ブログの継続性(正確には、やめないこと)の重要性が語られています。最近では、バズって急に目立つ人も出ていますが、長い視点で見ると、そういう人って「あれっ、どこいったのかな?」みたいなことがよくあります。何かしらのトレードオフが働いているのでしょう。

本書で語っている力学も、基本的には同じ路線です。

一つひとつとしては小さい話なのですが、長く続けるうちに、それらが少しずつ積み重なっていきます。そして、どこかでそれが相転移します。そこで生まれるものがどのようなものであるのかを、あらかじめ見通すことはできません。だから、私は「成功」を保証できません。でも、そこに相転移が起こることには、強い確信が持てます。

» ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である


さいごに

「自分で本を作って、自分で売る」

言葉にすれば、シンプルなことです。しかし、ここには何か根源的なものが含まれています。「儲け話」はそれに付随するおまけでしかありません。

ちなみに、内容とは関係ありませんが(いや、実はちょっとあるのですが)、本書はKindle Unlimited(以下アンリミ)に対応していますので、アンリミに登録されている方ならば無料で読めます。

アンリミの無料体験をお試しされた方も多いでしょうから、もしセルフパブリッシングに興味・関心があれば、チラリと覗いてみてくださいませ。

» ゼロから始めるセルパブ戦略: ニッチ・ロングセール・オルタナティブ (セルパブ実用書部会)[Kindle版]


▼編集後記:
倉下忠憲



ようやく、止まっていた「月くら」計画を前に進められました。とはいえ、まだまだ計画は遅れています。とりあえず、あと2冊仕掛かり中の原稿がありますので、それを仕上げたいと思います。8月28日のイベントもよろしくお願いします。

» Lifehacking.jp:夏の知的生産 & ブログ祭り


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。


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