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時間があまってないのなら、優先順位づけには意味がない

By: Raúl Hernández GonzálezCC BY 2.0


佐々木正悟 時間であってもお金であっても、優先順位が意味を持つのは、リソースが余っている場合だけです。

必須のモノを買うだけでもお金が足りないなら「優先順位」を検討する意味は、ほとんどありません。

最低限の食費と光熱費とトイレットペーパーなどは、どうしたって削りようがない支出です。仮に削るとしても、少なく使うとか、質を落とすというだけの話であり、そこに「ムダ」はほとんどないわけです。

それでも毎月赤字が出ているとか、お金を借りないとならないというときに、海外旅行に行くべきか、はたまた車を買うべきか、という検討は、妄想の域を出ません。

そういう妄想も、心の健康のためにむしろ必要だとは思いますが、優先順位づけを現実的にやるということとは違います。

時間も同じです。睡眠やトイレや食事など、なくすことのできない活動に繰り返し使うだけで、1日が終わっているのなら、「優先順位」をつける意味はほとんどないのです。

まずは「なにもしない」こと

時間が全然ないひとの、まずやるべきは「時間に余裕を持つこと」です。その目的を達成するには、毎日繰り返しやっていることの頻度を下げることです。特に、日に5度も6度もやっていることであれば、食事やトイレでなければ、その頻度を1度くらい下げることは可能です。

そしてその代わりに「なにもしない」ことです。少なくとも1日に数分くらいは「なにもしない時間」を意識的に持つようにします。本当に、数分でもいいのです。

その「空いた数分を使う」優先順位ならばつけられるでしょう。数分では大したことはやれないと思うかもしれませんが、それなら、「毎日やる」ことで「数分×数日分」という形にして、成果を積み上げるようにしていくしかありません。

これを実現するためにも、記録が必要になるわけです。やりたいことを、前日どこまでやったのかが即座に分かり、その「続き」に間髪入れずに取りかかることができるようにするためです。

▼編集後記:
佐々木正悟



今月に入って、相次いで上梓させていただきました。

人によるのはもちろんですが、一般的にいえば、大ごとは一気に仕上がらないものです。

私は今まで50冊近くを出版させていただきましたが、10年前の自分に向かって「これから50冊本を書け」といったら、すごい抵抗を示すと思います。

10年で50冊書こう、などと決めていたわけでももちろんありません。

毎日ちょっとずつ、時には全然書かずに終わらせてしまう日もあるわけですが、それでも本が仕上がるのは、要するにちょっとずつ書くからです。他の要素もありますが、書かなければどうしようもありません。

ちょっと進めても、だれも褒めてくれるわけではないし、たいていは誰かに気づかれることすら、ありません。

まして1冊目ならともかく、40冊目などとなってくると、腰痛に耐えて本を書いても家人などは「まだ本を書いてたの?」などと平気で言ってきたりします。

そうなったとき大事なのは「余計なことを一切考えない」ことです。人が何かに挫折したり、挫折しないとしてもやめてしまうのは、あれこれ考えた結果です。

考えることが、大事なターニングポイントにつながることはもちろんあるので、考えることは大切です。

しかし、どんなことでも、やめてしまったら手に入らなくなるもの、というものもあります。そういう意味で、考えずにひたすら続けていくこともまた、大事です。

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