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仕事を2つに分けることで見えてくるもの

By: Richard NorthCC BY 2.0


仕事には大きく分けて次の2つの種類があります。

  • 1.スポットタスク
  • 2.継続タスク

1のスポットタスクは、完了基準が明確にある仕事です。

何を作ればいいか、つまりゴールが明確になっているのです。それゆえ、ゴールから逆算して現状とのギャップをどう埋めていくかが課題となります。

このギャップがあまりにも大きすぎれば、ストレスを感じてなかなか取りかかることができません。

そこで、いくつかのパートに分解して、小さな単位で一つずつやっつけていくようにします。

例えば、「カレーライスを食べる」はスポットタスクです。

「一皿平らげる」という明確なゴールがあり、そのゴールに向かって、スプーンで一杯ずつ口に運んでいくわけです。

仕事でいえば、「提案資料の作成」などはスポットタスクでしょう。資料の完成というゴールが明確にあるからです。

これを小さな作業に分けていくことで無理のないペースで“完食”することができるはずです。

なかなか取りかかれないのは“食わず嫌い”といえるかもしれません。まずは一口食べてみて、その上でペース配分を考えるようにします。

一方、2の継続タスクは完了基準があいまいな仕事です。

言い換えれば、終わりのない仕事といえます。それゆえ、自分でゴールと評価軸を設定する必要が出てきます。

ここで設定するゴールは任意のもので構いません。逆に言えば、自分にとって無理のないゴールにすれば、達成感を 漏れなく味わうことができるということになります。

例えば、「筋トレ」は継続タスクです。

「今日は30回やる」とか「今週はトータルで120回やる」といった数値目標を立てて、これを着実にクリアしていくことで、達成感が得られ、自信もわくでしょう。

仕事でいえば、「市場動向調査」などが継続タスクです。

調査そのものにはゴールはなく、何らかの仮説を立てて、これを検証できるような材料を10個集める、あるいは期限までに集められるだけ集める、といった恣意的な締め切りを作り、その中でベストを尽くすことになります。

そもそも終わりのない仕事ですから、締め切りを設定することによって達成感を引き出すわけです。

別の視点で分けてみる

これとは別の視点で仕事を2つに分けてみましょう。

  • 1.ルーチンワーク
  • 2.イレギュラーワーク

ルーチンワークは、毎日あるいは毎週、さらには毎月など、一定の頻度で定期的に行われる仕事です。

ルーチンワークの例としては、次のようなものがあります。

  • 日報(毎日)
  • 週報(週に一度)
  • 交通費や立替経費の精算(月に一度)

これらは決められた頻度と期日に従って確実に行う必要のある仕事といえます。つまり、一定のタイミングでしかるべきアウトプットを出す必要があるわけです。

一方、イレギュラーワークは不定期あるいは突発的に発生する仕事です。

言い換えれば、ルーチンワーク以外のすべての通常業務を指すことになります。

ルーチンワークが伴奏なら、イレギュラーワークはメロディといえるかもしれません。

一定のリズムでルーチンワークを行っているからこそ、その上で通常業務が滞りなく行われるからです。

演奏に楽譜が必要なのと同じように、仕事にも楽譜があれば安心です。楽譜とは、どのタイミングで何の音を出すか、という音の“時間割表”といえます。

同様に仕事の楽譜は、文字通りどんな仕事をどのタイミングで行うかを記した時間割ということになります。

楽器の心得のある方ならよくご存知かと思いますが、慣れてくれば楽譜など見なくても演奏できるものです。

同様にリズムパートを担当するルーチンワークは、慣れてくればあまり深く考えなくても楽にできるようになります。

だからこそ、メインのメロディパートである通常業務に集中できるのです。

そうなるためには、最初に時間割を作って、どのタイミングでどんな“音”を出せばいいのかをしっかり把握することでしょう。

まとめ

以上、2種類の「2つに分ける」を取り上げてみました。2つに分けることで初めて見えてくることは多々あります。

何が見えてくるか?

それは取っかかりです。分ける前は攻めあぐねていたのが、分けた後は突破口が見つかり、一気にその仕事に取りかかれるようになるのです。

『できる人は5分間で仕事が終わる』という本で「二等分法」と呼ばれる方法が紹介されているのですが、まさにこれです。

なかなか取りかかれない仕事を取りかかりやすいものに変えるための工夫です。

アンドリューは良くある問題を抱えて、私のところにやってきました。
税金の還付申請のことでしたが、一人で簡単に出来る仕事なのに、会計士に高い料金を払うのがおかしいと思っていたのです。

毎年、同じことを考えるので、しまいには準備が嫌になり、毎年申請が遅れがちになってきました。

罰則制度が自動化されたので、問題はさらに深刻です。

彼にこの二等分法を紹介すると、これが税金の還付申請には最高のやり方だと考えたらしく、その年は生まれて初めて、ストレスもなく期限前に準備を完了させました。

アンドリューはこう言ってくれました。

「僕はこの二等分法で税金の処理をしました。今までは苦痛の種だった仕事を、このシステムのおかげで、単純な決断と実行の組み合わせに置き換えることが出来たのです」

» できる人は5分間で仕事が終わる (Wish books)