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分解できないタスクをどうするか

昨日はシーケンシャル管理の実践例を途中までご紹介しました。

以上の考え方を適用すると、右の図のような感じになります。13:45時点の状態で、終了予定を見ると「18:30」となっています。これは、残りタスクをすべて見積もり時間通りに終わらせるた場合の終了予定時刻です。

現時点で「今日の仕事は何時に終わるのか」がわかるため、今が順調なのか遅れ気味なのかを常に把握しながら仕事を進めることができます。これがわかっていれば、飛び込み作業が入ってきても適切な判断を下しやすくなります。受けるのか、断るのか、あるいはいつならできるのか、という回答をすばやく返すことができます。

今回は、この続きで一日の仕事が終わった時にやるべきことを考えてみます。

右の図は、仕事を終えた時点の様子です。

10時間の見積もりに対して、実際には13時間かかりました。余計にかかった3時間を分析してみると、セルに色を付けたタスクについて時間の見積もりが過少であったことが分かります。見積と実績とのギャップの大きさは、そのタスクに対する自分の習熟度を表しています。大きければ大きいほど不慣れであると考えられます。

実際のデータを見てみると、ギャップが大きかったのは最後の2つのタスクです。

 1.章構成に従ってPowerPointでスライドを作成(166%;1時間オーバー)
 2.校正とブラッシュアップ(200%;1時間オーバー)

同じ「1時間オーバー」であっても、見積に対してどれだけオーバーしたかに注目します。すると終盤に近づくほどに超過度合いが著しくなっています。大幅に超過しているタスクは、事前にその作業イメージが描けていなかったと考えることができます。

時間超過の原因の1つに、終了条件があいまいであることが挙げられます。何をすればそのタスクを完了とみなせるかが明確になっていなければ、作業に迷いが生じます。上記のタスクで言えば「章構成に従ってPowerPointでスライドを作成」は、実はまだあいまいさが残っていますし、「校正とブラッシュアップ」についてもどこまでブラッシュアップしたら完了とみなせるのかが明確になっていません。もちろん、自分で納得のいくまで、という微妙な基準もあるにはあるのですが、できれば事前に決めておいて、後からチェックできる方が望ましいでしょう。

とはいえ、これ以上タスクに分解すると、細かくなりすぎて逆に作業イメージが見えなくなるおそれもあります。そんなときは「チェックポイントの設定」が有効です。

まず、「章構成に従ってPowerPointでスライドを作成」ですが、以前もご紹介した「リアルタイムロギング」メソッドが適用できます(再度の引用になってしまいますが、リンクを辿るのも面倒だと思いますので改めて)。

そんなこんなで、僕がここ1週間ほど試してみて調子がいいのが、「リアルタイムロギング」メソッド。
冒頭の「報告書作成」でいえば、作業を開始するときに

  ■××向け報告書最終化
  後半へのつなぎを考える
  タイムテーブルの再確認

などとロギングしておくだけです。「なんだよそれだけかよ!」という感じです。しかしなんとも情けないことに、たった2時間の作業なのに、しばしばこのログが役に立ってしまうのです。いつの間にか「こだわり」の悪魔に支配されて、オブジェクトの配置揃えなんかを一所懸命やってしまい、ハッと我に返ったとき、この2時間で最低やるべきことを思い出させてくれます。もちろん「中断」に対しても有効。

つまり、満たすべきチェックポイントをリストアップしておき、それ以外のことはやらないようにするわけです。こうすることで、手順には分解できないタスクでも「チェックポイント」がその完了基準、あるいは道しるべとなって仕事を一直線に進める上で役に立ちます。

次の「校正とブラッシュアップ」についても同様の対処が可能です。上記引用文中にもありますが、プレゼン資料や企画書となると、どうしても見栄えを気にして、ちょっとした色使いなどにこだわってしまいがちです。もしこのタスクでやるべきことが、例えば以下のように定められていれば、これに沿って進めることで、作業のブレを減らせるでしょう。

 1.企画の意図は伝わるか、別の解釈の可能性はないか
 2.スライドの間のつながりに矛盾や飛躍はないか
 3.Fさんのアドバイスである○○がきちんと表現されているか
 ・・・など。

<分解できないタスクをどうするか>

完了基準としてのチェックポイントをリストアップしておく。