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4月12日(土)にタスクカフェを開催しました。
タスクカフェとは、タスク管理の習慣化をテーマに掲げるワークショップです。
月に1度、土曜日の午前中に開催しています。
2011年8月以来今回で33回目となります。
当初は「週次レビューの習慣化」がメインテーマでしたが、現在ではタスク管理を駆使して「いつかやりたいことを少しでも前に進める」ことを旗印にしています。
仕事を人に任せる技術
今回のタスクカフェでは以下のようなトピックを扱いました。
- 人に仕事を任せるのが難しい理由とは?
- 仕事を前に進めるための4つの攻略プラン
└1.ヤマを張る
└2.自分でやる
└3.人に任せる
└4.自分で勉強する- 佐々木と大橋が仕事を人に任せる時に実践していること
- 仕事を人に任せるための5つのステップ
メインテーマは「仕事を人に任せる技術」。
カギは次の2つです。
- 1.コミュニケーション
- 2.普段からの仕込み
タスクカフェはこれまでに32回開催してきましたが、「コミュニケーション」についてはほとんど触れることがありませんでしたので、今回改めてきちんと整理し、お伝えすることができました。
ご参加いただいた方からは、特に「仕事を人に任せるための5つのステップ」について「わかっていたつもりだがすっかり抜け落ちていた」という声を複数の方からいただきました(この5つはコミュニケーションを円滑に行なうためのポイントを整理したものです)。
今回の記事では、2つめの「普段からの仕込み」について、少し掘り下げてみます。
「人に任せる」のはギャンブルである
なぜ人に仕事を任せる必要があるのでしょうか?
それは言うまでもなく、自分一人では仕事がさばききれなくなるからでしょう。部屋が狭くなったら広い部屋に引っ越すがごとく、時間が足りなくなったら人手を増やすわけです。
部屋の狭さという問題は引っ越すことでほぼ確実に解消されますが、しかし、時間の不足という問題は人手を増やしたとしても解消される保証はありません。
増やした人手に対して、「教える」必要が出てきます。自分とまったく同じレベル、とまではいかずとも、近いレベルで代わりにやってもらえたらありがたい。
というより、やってもらいたい、という目指すべき結果に対して、そこに至るまでのプロセスは長く険しい道のりになるのです。
自分がやれば1時間でできる仕事があったとして、その手順を人に教えるのにまず時間がかかりますし、その人が教えた通りにできるかを見守る必要もあるでしょう。つきっきりにならずとも、折に触れて進捗を確認したり助け船を出したり、あるいは教えたことが誤解して伝わっていればその誤解を解かなければなりません。
自分でやれば1時間で済むところをその何倍もの時間がかかってしまうこともあるでしょう。
しかもその間、自分の仕事は止まったままです。
時間がかかっても、所期の成果物があがるならまだましです。
締切に間に合わせるためにやむを得ず自分で引き取って何とか最後まで完成させる、ということも起こりえます。教えた時間と手間がすべて無駄になるのです。
こうなると、
- 「自分でやった方が早いうえに無駄もない!」
という結論に飛びつきたくなる、あるいはそうせざるを得なくなります。
でも、ここで「ぐっ」とこらえて、「教える」という投資を続けていると、大きなリターンが返ってきます。
自分の時間が増えるのです。
ギャンブルではあるが、事前に仕込むことができる
このあたりについてはサブ講師の佐々木正悟さんが以下のような記事を書いています。
» Evernoteに思考を保存して時間を節約する | ライフハック心理学
昨日タスクカフェで「教えることは時間を投資して、得られるかもしれない大きなリターンに期待すること」という話をしたり聞いたりしてきた。
当然誰もがひっかかるのは「投資に見合ったリターンが得られるのか?」という直感的な疑念。膨大な時間をかけたあげく、自分でやる他なくなったというのでは、「教えて」失った時間をどうしてくれる、ということになる。
結論は、任せたい相手を前にして初めて「教える」ための準備を始めたのでは遅い、ということです。
常に「教える」ための準備を整えながら仕事を進めること。こうすることで、まず自分自身が「昨日の自分」に教えてもらいながら確実に仕事を進めることができるようになります。記憶に頼らなくてもすむため、精神的にも楽です。当然、ミスも減ります。
「辞書やノートの持ち込みが可能」な筆記試験のようなものです。
相手が他人であれ「明日の自分」であれ、要領よく「教える」ためには、何を伝えるべきなのか、すなわち情報を整理しておくことが欠かせません。
アイデアを実行に移すための情報整理術
そこで、次回は「アイデアを実行に移すための情報整理術」というテーマで、5月10日(土)に開催します。
仕事を前に進めるうえでアイデアは不可欠ですが、アイデアさえあれば仕事が前に進むわけではありません。
アイデアは集めるのは簡単ですが、うまく活用するにはコツが要ります。
集めたアイデアを必要なときに即座に取り出せるように、普段から整理して備えておく必要があるのです。
これを実践するうえで現時点で最高のツールはEvernoteでしょう。
そこで、次回はEvernoteでアイデアを集め、整理し、活用するための技術をご紹介します。
とはいえメインテーマは「Evernote活用術」ではなく「情報整理術」です。Evernoteをお使いでない方も次回お伝えする技術を身につけることで、アイデアを死蔵させることなく必要な時に必要なアイデアを取り出せるようになるはずです。
「溜まりまくった情報をいつか整理しよう」と棚上げしている方はぜひご参加ください。
» 「いつかやりたいこと」を少しでも前に進めたい人のための「タスクカフェ」@池尻大橋
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