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優先度の高い仕事を片づけるには、まず「考える仕事」と「手を動かす仕事」を分ける



大橋悦夫
1月18日(土)に第30回となるタスクカフェを開催しました。

タスクカフェとは、タスク管理の習慣化をテーマに掲げるワークショップです。
月に1度、土曜日の午前中に開催しています。

2011年8月にスタートして今回でちょうど30回を迎えました。

当初は「週次レビューの習慣化」がメインテーマでしたが、現在ではタスク管理を駆使して「いつかやりたいことを少しでも前に進める」ことを旗印にしています。

今回のタスクカフェでは以下のようなトピックを扱いました。

  • ツールを活用するうえで押さえておくべき3つのポイント
  • 優先度の高い仕事を片づけるために最初にすべきたった1つのこと
  • 考える仕事を素速く進めるための3つのステップ
  • 考える仕事を進めるためのChatWork活用法
  • レシピとは何か
  • レシピ作成レシピ
  • 必要な時に適切なレシピをすぐに取り出せるようにする方法

この中から「優先度の高い仕事を片づけるために最初にすべきたった1つのこと」について、ご紹介します。

優先度の高い仕事を片づけるために最初にすべきたった1つのこと

例えば、「来週のプレゼンに備えて発表資料を作る」という仕事を抱えているとします。

当然、早く着手して、余裕をもって終わらせたい。安心したい。

そのように考える人は少なくないでしょう。

でも、実際にはこの種の仕事にはなかなか取りかかれないものです。

プレッシャーが高まるからです。

  • みんなをあっと言わせるようなすごいプレゼンをしてやろう
  • そのためには周到な準備が必要だ
  • そのためには十分な時間が必要だ
  • そのためには十分な資料が必要だ
  • そのためには十分なエネルギーが必要だ

「あっと言わせる」まで行かずとも「失敗するわけにはいかない」という気持ちがあるだけでも、心理的な負荷が増し、取りかかるための敷居がぐんぐん高くなってしまいます。

「やらなきゃやらなきゃ…」と強く思えば思うほど、ますます手がつかなくなるのです。

その結果、締切間際になるまでほとんど何もできずに過ごしてしまい、最後は勢いで何とかやりおおせることになります。

以下のような状況です。

『マンガでわかるスピードハックス』
『マンガでわかるスピードハックス』

» 『マンガでわかるスピードハックス』より

「考える仕事」と「手を動かす仕事」を分ける

対策としては、プレッシャーの高い仕事を「考える仕事」と「手を動かす仕事」の2つに分けることです。

例えば、「発表資料を作る」ということであれば、

  • 資料に盛り込めそうなアイデアを集めて構成案を作る
  • 構成案をもとに発表資料を作る

絵の具で絵を描くことにたとえれば、考える仕事が「鉛筆での下書き」であり、手を動かす仕事は「絵の具での色塗り」に当たります。

「下書き」の工程では書いては消して書いては消してを繰り返していたとしても、最終的にくっきりとした輪郭線が描けていれば、「色塗り」の工程は非常にラクになります。

「下書き」をせずに、いきなり絵の具で「色塗り」を始めると、どこをどう塗っていけばいいのかがはっきりしていないうえに、やり直し(塗り直し)がきかないので慎重になり、手が止まります。

白いキャンバスを前に考え込んでしまい、時間だけが過ぎていき、提出期限間際にノリと勢いに頼ることになってしまいます。

発表資料を作る場合も同様です。

使う・使わないは気にせず、まず盛り込めそうなアイデアを集めて構成案を作り、順序を入れ替えたり、足りない部分を追加したり、不要な部分を取り除いたり、といった「捏ねる」作業を行ないます。これが「考える仕事」です。

できあがった構成案を、最低でも一日程度寝かせたうえで形をととのえ、「手を動かす仕事」である「発表資料作り」にまわします。構成案の要素を一つずつちぎって、プレゼンソフトに盛りつけていきます。

盛りつける段階で多少のアドリブも発生しますが、どのように盛りつけるかの基本方針は「捏ねる」段階ですでに固まっているので、ここで大きくブレることは少ないはずです。

ある程度機械的に進められる仕事になるため、心理的な負荷も減り、見通しもつけやすくなり、安心して取り組むことができるようになります。