早めに「痛い」目に遭っておかないと「ヤバイ」ですよ!

人は誰しも目の前の要求に応えつつも、それとは別に「これでしばらくはラクができる」を求めて日々がんばっているのではないでしょうか。でも、その「これ」が自分の“ソト”にしかないものだったら、いつまでたってもラクにはなりません。

もし「これ」を自分の“ウチ”に持つことができれば、その日から世界は一変します。ただし、以降ずっとラクになる、ということではありません。相変わらず過酷な日々は続きます。でも、その過酷さは以前とは質の異なるものになるはずです。

 
20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!今回ご紹介する『20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!』は、そのタイトル通り、20代に向けたお金に対する認識変革を促す一冊。

30代以上の人であっても、お金の使い方はまだ20代レベルという人は少なくないと思います。なぜなら、お金に関する公式な教育(学科)というものが日本ではまだ確立されていないからです。そういう意味では「20代」とは「日本人」のことを指しているのかもしれません。

 
さて、本書の目指すところはお金の使い方を改めることにあるのですが、その力点は認識変革に置かれています。その意味では、以下のエントリーの主題と通じます。

» 2人の経営者がホームレス時代に学んだ、たった1つの教訓 

方法だけ真似ても認識は元のままでは得られる成果はオリジナルには及ばないでしょう。むしろ、方法を知らなくても、認識さえコピーできれば得られる成果はオリジナルと同じか、あるいは超えることもあります。

問題は、認識そのものは認識しえないこと。認識の変化は結果としての方法の変化によって間接的にしか知り得ないのです。

 
でも、これを逆手に取れば、方法を変えざるを得ないような状況を意図的に作り出すことで、認識を改めることができる、ということになります。

本書はこの「方法を変えざるを得ないような状況を意図的に作り出す」ための仕掛けが随所に盛り込まれており、結果として読者にお金の使い方に対する認識を書き換えることに成功しています。

 
例えば、サラリーマンのお小遣いはライフステージにより次のように目減りしていくといいます。

  • 独身時代は:平均5万6500円
  • 結婚すると:平均5万2900円
  • 子どもができると:平均3万8900円

職場でも、羽振りがよく毎日ランチのあとにスタバのラテを飲んでいた先輩が、缶コーヒーを飲むようになり、そのうちペットボトルに詰めた水を自宅から持参するようになります。

単純に考えれば、最初から自分の小遣いを3万8900円にしておけば、毎月1万7600円が貯まることになります。

23歳から働く社会人が30歳で結婚すると考えて、

 1万7600円 × 12ヶ月 × 8年 = 168万9600円

この金額を株式投資や不動産投資の平均的な利回りである6%で運用すれば、年間10万円以上のペースでお金が増え続けることになります。

これを読めば、スタバのラテに対する認識はイヤでも変わるでしょう。

お金は貯めるより使う方が難しい

「利殖術」とか「システムトレード」といった言葉があるくらいに、お金の貯め方・稼ぎ方については仕組み化・体系化が進んでいます。でも、お金の使い方については発展途上なのではないでしょうか。

これは、お金が手元にないのにその使い方を知っても意味がない、と多くの人が考えるからだと思われます。

でも、こうは考えられないでしょうか。

  • お金が手元にないのは、それを使う用途がないからであって、貯め方を知らないからではない

 
と。

 
使う用途があれば、人はどうにかしてお金を工面し、必要ならば貯めもするはずです。

富豪を富豪たらしめているのは、貯め方や稼ぎ方に通じていることではなく、使い方に通じていることではないか、「さすが金持ちはお金の使い方が違うな」という認識は誤りで、もともとお金の使い方が一般人たちとは違ったからこそ、彼らはお金持ちになったのではないか、と思うのです。

使い方を変えるには

では、お金の使い方を変えるにはどうすればいいでしょうか。

それは、お金のムダ遣いを経験することです。

 
「こうすると損しますよ」とか「こういう風に使うとトクします」といった教えに沿って、“無傷”のままで年を重ねていくと、その人は一見したところは優れたお金の使い手になれるかもしれません。

でも、彼のお金の使い方は彼の“ソト”にしかなく、損をするとは実際にはどのようなことなのか、特に感情に対してどんなインパクトを生じさせることなのかを知りません。

一方、ムダな買い物を重ねたり、知らず知らずのうちに数十万あるいは数百万のお金を失って後から愕然としていたり、といった痛みを被った人にとっては、「こうすると損しますよ」とか「こういう風に使うとトクします」といった教えは、言葉以上のインパクトをもって“古傷”に障りますから、人一倍鮮烈に脳裏という“ウチ”に刻み込まれるでしょう。

 
このことは、お金に限らず、時間にしても、やる気にしても、情報にしても、人の気持ちにしても、人の持ちうるあらゆるリソースに当てはまる「使い方」の原理でしょう。

この点に留意しながら読む限り、本書は投資効果のたいへん高い一冊といえます。

 


 
▼合わせて読みたい:
「本当に大切で難しいのは、実は稼ぐより使うほうであると断言できます」ということで、お金の使い方に焦点を絞って書かれている一冊。著者の“ウチ”に刻み込まれたお金にまつわる実体験は読み応えがあります。


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