TaskChuteというツールは見た目よりずっと「細かく使う」ことに向いています。
豊富にショートカットがあり、手に馴染んだ操作が可能なので、1分ごとに記録をとるといったときに力を発揮することが多いのです。
全部のタスクについてやっていることではありませんが、私は一部の仕事については、TaskChuteをレシピノートにしています。
とにかくレシピを作ってしまう
レシピとは、要はチェックリストなのですが、チェック項目ごとに所要時間の目安があって、手順がだいたいにおいて上から下まで決まっているチェックリストと考えてください。湯煎で5分温めてから、たまごをとき・・・といった具合のものですね。
私にはこの手順書と細かい時間の目安が欲しいものとして、料理はもちろんのこと、ブログ執筆、連載執筆、メール処理などがあります。
ブログや連載など、一定の書式と長さがだいたい決まっている文章を作るには、レシピが役に立ちます。書けない書けないといってうなっていても始まりません。疲れるばかりです。それよりも
- ネタを集める 3分
- 使うネタを決める 1分
- 競合記事チェック 2分
- ちょっと考える 5分
- 小見出しを適当に振る 1分
- 書き出してみる 1分
とやっていった方が進むものです。
これの作り方なのですが、作り方で悩む人が多くいらっしゃいます。なぜ悩むかというと「どういう手順のレシピが最高のレシピか」と考えてしまうからです。そんな最高のレシピなどあるはずがないのです。
むしろ最低最悪のレシピでもいいからとにかくレシピを作ってしまうことです。それには、自分がやったとおりの記録をまず残すことなのです。
この、かなりいいかげんで、ぐちゃぐちゃのメモこそ、私のブログを書いていく過程です。必ずしもスムーズに進んでいないものが、洗練されていないのは当たり前です。洗練されたレシピがあったところで、その通りにできないなら使い物になりません。
これを使い回していくうちに、だんだんマシなものになっていくのです。洗練とは、使い回した先にできあがるものであって、ふつうその逆ではあり得ません。
TaskChuteのすばらしいところは、行動記録でもあり、タイマー的な計測装置でもあり、順番も変えられて、しかもそれをそっくりリピート設定できる点です。今日やったことを、来週もまたやりたいと思ったら、すぐにそうできます。やったことを記録していくだけで、レシピができてしまうのです。
タイマーだけではこうはいきませんし、ノートだけでも無理です。たぶんレシピを作るというのは、けっこう面倒なことだと思います。少なからずレシピは、職人さんが頭の中にあるものを書き起こし、それを編集してできているものでしょう。
だから私のようなド素人がまったく同じようにやってみても、ケーキができなかったりするのです。書いてあるとおりにやることが、同じようにやることを意味しないのです。(よいレシピはそうではありません。子供の頃私は、ある本のレシピに従えば私でもケーキができるという事実を知って、驚愕しました!)
TaskChuteを使うと、レシピが非常に簡単に作れます。TaskChuteはレシピ作成ツールでもあるのです。
記事でできあがった「レシピ」を先送りしないために応用する。そんな方法について述べたのが、次の本です。
もちろんそれだけではありませんが、基本的な考え方はこうです。そもそも先送りしたくなるときというのは、疲れている。次にやることの中で、最初にやらなければならないことを考える気力すら、足りていない。
しかし次にやることがいつも「レシピを見る」だったら、かなりラクになる。人は、同じことを繰り返すのは得意だから。
» 先送りせずにすぐやる人に変わる方法<先送りせずにすぐやる人に変わる方法> (中経の文庫)[Kindle版]