24時間でやれることを増やしたいと思ったとき、真っ先に睡眠時間を削るようにしていませんか?
私も昔は、
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(1)仕事
(2)プライベート
(3)睡眠時間
という順番で優先順位をつけており、やりたいことが多いときは睡眠を削っていたものでした。
しかし、今は、
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(1)睡眠時間
(2)仕事=プライベート
という優先順位で行動しており、これで全てがうまくいっていると確信しています。
今日は時間管理で最も優先すべき時間が「睡眠時間」である理由についてお話ししたいと思います。
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1.睡眠不足では生産性が下がる
2.睡眠不足だと人間関係が悪化する
3.睡眠時間を優先すると時間管理がしやすくなる
1.睡眠不足では生産性が下がる
ペンシルバニア薬科大学のDavid Dinges氏らで、睡眠不足状態の脳の活動状態をfMRIで調べたところ、脳の複数のエリアでその活動が突然ストップすることを確認できたそうです。
睡眠不足状態では脳が睡眠状態に陥るのを止めることができず、睡眠状態と覚醒状態が短期間の間に交互に繰り返される状態になり、その結果集中力と視覚的処理能力が劇的に低下する、とのこと。
via 睡眠不足だと仕事がはかどらない理由、科学的に明らかになる | スラッシュドット・ジャパン サイエンス(←論文へのリンクも掲載されています)
睡眠不足では、仕事にしてもプライベートにしても日中の生産性が下がります。また、ミスも多くなります。これはいつもよりも睡眠時間が1時間~2時間程度不足しているという程度でも実感できる問題ですよね。
私の場合、睡眠時間が5時間を切ってしまうと、日中にぼーっとしてしまう事が多くなります。
そうなると、「あ、今どこまで考えてたんだっけ?書いてたメモもぐちゃぐちゃでよくわからないし…」といった状況になり、なかなか仕事をスムーズに進めることができません。
睡眠時間を削ってまで何かをしても、その結果できたものの質が低かったり、他の面でミスが生じたりすると、結局さらに手間を増やすことになります。
であれば、生産性はもちろんのこと、日中に気持ちよく活動をするためにも、健康のためにも、きちんと睡眠時間を確保すべきではないでしょうか?
2.睡眠不足だと人間関係が悪化する
睡眠不足の状態では、脳の働きが鈍くなる外、ミスが増えることなどは先ほど紹介した通りです。そしてさらに問題なのは、人間関係が悪化することです。
ミスや眠気からくるイライラとした気持ち、仕事がはかどらないことに対して気分が落ち込むこともあるでしょう。こうした状況では他人とのコミュニケーションもぎこちなくなりませんか?
また、直接的な例として昔の私を紹介しましょう。
慢性的に睡眠不足だった昔の私は、会議中に居眠りをしてしまうことが多かったため、「あいつはよく居眠りをするやつだ」「人の話を聞いていない」などと悪い印象を与えてしまっていました。
その結果、どれだけ成果を挙げたとしても「まぁでも居眠りしてるようなやつだからなー」と最後に嫌なオチがついてしまうのです。普段からの信頼もあまり良いとは言えませんでした。
睡眠時間を重視している現在の私は、仕事中に居眠りをすることはまずありません。当たり前と言えば当たり前のことですが、その当たり前のおかげで他人との仕事がやりやすくなったことを大変実感しています。
3.睡眠時間を優先すると時間管理がしやすくなる
睡眠時間の確保を時間管理の最優先事項とすると、24時間から予め6.5時間程度を天引きし、残りの時間で行動することになります。
私の著書でも紹介している通り、時間管理とはパズルゲームのようなものです。最適な組み合わせを考えるにあたって、睡眠時間という大きなピースを固定してしまうことは完成に有利なのです。
さて、睡眠時間を固定すると、どのように生活が変わるのでしょうか?
例えばこういうことです。
十分な睡眠時間を確保するには、会社で遅くまで仕事をするわけにはいきません。ですから、無駄に会社に残らずすぐ帰るよう行動が変わります。
睡眠と仕事だけでは味気ない生活になってしまいますから、個人の時間も確保したくなります。
しかし、睡眠時間を削ることはできないので、時間の使い方を考え直すようになります。結果としては、仕事の時間をさらに減らすか、より効率よく時間を使える朝型の生活に切り替えるなどの対処になるでしょう。
このように、睡眠時間を最優先とすることで、残りの時間の行動指針が次々と決まっていくのです。
まとめ:睡眠時間を優先して時間管理をすると
- 睡眠不足から生じるミスが減るため、余計なフォローの時間が減る
- 良好な人間関係を保てるため、他者と進める仕事にかける時間が減る
- 睡眠時間をベースにすると、時間管理がやりやすくなる
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カナダ・バンクーバーに拠点を持つFatigue Science社は、「疲労の科学」という社名が表すとおり、疲労度の測定とマネジメントテクノロジーを活用し、リスクの削減とパフォーマンスの向上をはかることを目的に設立された企業です。
同社が開発したReadibandと呼ばれる腕時計型の分析機器を用いた研究の結果、疲労や睡眠不足の状態にある人は反応速度に40%の低下がみられ、これは血中アルコール濃度が0.08%の弱度酩酊、つまり「ほろ酔い」と同じ数値であるということがわかりました。
これはたとえ話ではありますが、酔っ払った状態で仕事をするなんてありえませんよね。
とすると、酩酊状態と同じパフォーマンスとなってしまう睡眠不足状態で仕事をすることも、同じくらい良くないことではないでしょうか?
私はいつも「睡眠不足=酔っぱらい」と考えて、睡眠時間をとれないことは恥ずかしいことだと考えて行動しています。
▼濵中省吾:
「ほんと自由に生きてるよね」と家族に言われる化学系研究職。はまラボ主宰。