毎日大量のタスクをこなしているというのに、新しいプロジェクトなどが入ってきて、あっさりと「うまくすすめろ」という方がムリというものです。
新規プロジェクトが発生したとき「これを長期計画で決めた期日までに終わるように計画しよう」とすれば、きわめてつらいことになります。
もっとつらいのは「長期学習」。
マラソンだとか、英語の勉強だとかいう、「重要だけど緊急ではないこと」を毎日の生活に組み込もうとすれば、仕事でもなく〆切もないので、ますます難しくなります。それらをなんとか追加して、しかも挫折したくないと思えば、直ちにやることは6ステップあります。
- 1.たった1度やる
- 2.その記録をとる
- 3.記録を分解する
- 4.分解した項目をタスクにする
- 5.タスクを全てセットにして「次回の予定」にする
- 6.そこにいくつかの「古いタスク」をセットにする
この6ステップは、書けば実にスムーズなようですが、全然スムーズにはいきません。しかしこれが3回くらい回れば、新規プロジェクトにルーチンタスクのセットが発生し、順調に進み始めます。
新規プロジェクトの問題は実行の時間がないことと、実行のタイミングが計れないことです。そのための時間を作り、実行にふさわしいタイミングを計りましょうなどと簡単にアドバイスされがちですが、そのようなことは不可能です。時間は常にまったくなく、したがって実行タイミングなどというものは存在し得ません。
だから最初はとても難しいものなのです。ムリしてでもただ1度、なんでもいいから手がけてみるより仕方ありません。一度でも何かが実行されれば、その記録が残ります。
2013/5/22 7:05-8:51 温泉に行った
これが「たった1度やってその記録を残した」までの第1のステップです。朝の7時から2時間弱かけて温泉に行っています。これはただ1度きりの実績であり、こんなことはそうそうできることではありません。3日坊主まで持っていくのさえも大変なのです。
難しいタスクは「分解する」のが王道です。「分解するなんて百回は聞いた」という人でも、分解を百回しているとは限らないものです。分解は一万回でもするべきです。
□温泉に行く(2012/5/24 16:00)
└□西湘バイパスを抜ける
└□料金所のトイレに行く
└□小銭を用意する
└□真鶴ブルーラインを抜ける
└□ガソリンチェック
└□駐車場にとめる
└□記録を残す
└□小銭を用意する
└□着替えを用意する
└□ペットボトルを用意する
これが分解した記録をもとにして作ったタスクセットです。しかも予定にしてあります。予定にすることにより、単なるタスクが少なくとも「自分と約束した予定」に変化します。
これだけでも実行できる可能性が一気に高くなります。しかし、大きな問題があります。温泉まで往復する時間がかかるわけですから、この長い時間で何かが進まないなら、仕事に支障が出るのです。
だからこの時間分、他のどこかで仕事がしたい。でも2時間分の仕事をする余裕などどこにもない。温泉まではずっと運転ですから仕事などはできません。それでも何かができないかと考えます。工夫する余地もまた、分解にヒントがあるものです。
□温泉に行く(2012/5/24 16:00)
└□西湘バイパスを抜ける(原稿の草案を考える)
└□料金所のトイレに行く
└□メモする
└□小銭を用意する
└□真鶴ブルーラインを抜ける(原稿の草案を考える)
└□ガソリンチェック
└□駐車場にとめる
└□記録を残す
└□メモする
└□小銭を用意する
└□着替えを用意する
└□ペットボトルを用意する
こうすることで思いのほか、私の仕事は進みます。運転中なるべく考え事をする。特に、考え事のしやすい行程があるわけです。それを小分けにしたく分から割り出します。
現にこのエントリも、このメモから書き起こされたわけです。2ヶ月が経過していますが、この原稿を書くスピードに関していえば、圧倒的に節約できています。これは時間の節約の一例と言えるでしょう。
これが「新規プロジェクトに古いタスクを組み込む」という第6番目のステップです。ここまでできればこの新規プロジェクトが新しい習慣として回転し始めます。忘れないようにしましょう。「時間は製造できない」のです。誰もが知っています。しかしそのわりに「時間を作る」という人がこんなにも多いのはどうしたわけでしょうか。
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本当はコワくないFacebook 単身で海外移住したフラダンサーが教える!「リアル&ソーシャル」での身の守り方 (impress QuickBooks) | |
石田愛
インプレスコミュニケーションズ 2013-06-27 |
本書は実体験そのもなのだ。
Facebookの使い方に正解などない。ブログの書き方に正解も決まりもないように。
最近更新されていないがZONOSTYLEというすごいブログがある。iPadはどう使うべきか? 手書きペンとして最適なのは何か? を追求しているブログだ。デジタルと手書きとの関係の追求がテーマのブログである。
これに近い感覚を持った人がこのブログに殺到した。しかし求めた答えはないのだ。製造者がそもそもiPadにペンをつけずに売り出しているのだから。
いわれ尽くしていることだが解がないところの正解を求め続けるというのは大変なことだ。それができる人は、実はかなり限られている。それができる上に、途中のプロセスを情報として発信できる人の数はさらに少ない。
解のないところの解を求め続けた実体験の中から、有用な情報だけを抽出するという、面倒な仕事だからである。