このシゴタノ!の中で大橋悦夫さんが先日シゴタノ! 今年「やらない」ことを決めるための12の問いというエントリを書かれました。その中には次のような下りがあります。
気になるのは、どうすれば「やらないこと」を効率よく効果的に決められるのか、ではないでしょうか。
そして「12の問い」が続くというわけですが、他にも有効なやり方があります。それはTaskChuteを使うことです。
買えるか、買えないかは経済力によって決まる
欲しいモノがあるとします。かなり慎ましい人でも1つや2つはあるでしょう。
その欲しいモノを買うかどうかを決めるとき、決め方には色々あると思うのですが、ほとんどの人が検討するのが「値段」のはずです。
欲しいモノの全部は買えない。なぜならそんなにお金を持っていないから。
そういう人が大半だと思います。残念ながら、仕方がありません。その場合、欲しくてもいくつかのモノはあきらめざるを得ません。どうしてあきらめるかといえば「お金がない」からです。
これと同じことを「行動」についても検討する必要があると思うのです。「やらないこと」とは「やらない行動」であり、どうして「やらない」かというと、その理由は「時間がない」からなのです。
できるか、できないかを決める「お金」は「時間」である
欲しくても買えないモノがある。なぜならお金がないから。
同じように、やりたくでもできないことがあるのです。なぜなら時間がないからです。
残念ながらこれは仕方のないことです。お金はあるいは、無限に近くもっている人もいるかもしれません。しかし時間については、そういう人はいません。永遠に生きられる人は、たぶんいないのです。
TaskChuteを使うと即座に「全てのタスクについて、それぞれどのくらいの時間がかかりそうか?」を埋めなければならなくなります。GTDで全てのタスクを洗い出した後でこれをやってもいいでしょう。
全てが終わってから寝るとなると、何時に寝られるでしょうか? たぶん今日中には寝られないでしょう。まず間違いなく、明日中にも明後日中にも寝られないでしょう。
理屈は単純なのです。欲しいモノを全部は買えないということと同じです。だからGTDにも「いつかやりたいことリストに分けて切り出す」という行程があるのです。
TaskChuteでも「当分はできそうもないこと」をTaskChuteから追い出すというやり方を推奨します。しかし、何なら全部、いつかやりたいことも含めて何から何までTaskChuteに置いておいてもいいのです。それらには未来の年月日を付けてしまえばいいのです。
TaskChuteは「どうしても毎日やること」(例えば食事やトイレ)や、ほぼ毎日やること(例えば入浴)や、週単位で繰り返すこと(例えばゴミ出し)や、月単位で繰り返すこと(例えば公共料金の支払い)まで「タスク」としてはいってきます。もちろん割り込みタスクもはいります。結果としてすぐに「やりたいけどできないこと」をどんどん未来に先送りするということをせざるを得なくなります。
これを繰り返すうちに、「今年できないことは来年に」押し出されることになるのです。これは必然的な流れです。すなわち「今年やらないこと」が自動的、かつ合理的に決まるというわけです。
これがまさしく「やらない仕組み」と言えるでしょう。
あきらめずにやりぬく人に変わる方法 (中経の文庫 さ 17-2) | |
佐々木 正悟
中経出版 2012-12-27 |
本書が出たばかりですがけっこう好調なようです。といっても著者には実は、書籍の売り上げがいいと言われても、実際のところは不明であり、いわれていることをそのまま鵜呑みにするしかありません。
実際どの程度売れれば「いい」とか「売れている」とかいったこともふくめて、著者にはほとんどなにも分からないのです。Amazonのランキングというのは全体の指標のごく一部でしかありません。(しかしそれが唯一の頼りだったりします)。
というわけで、本当に「好調」なのかどうかは分からないのですが、色々知らされてくる断片的な情報を強引に総合する限り悪くはないようです。お買い求めいただいた方に深く感謝します。