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ノマドワーカー第0章:004本を出すなら理由をはっきりさせる

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第6回No Second Lifeセミナーに先日お邪魔してきました。総勢130名を超える大盛況ぶり。テーマは「普通のサラリーマンが出版する方法」です。

私が衝撃を受けたのは、いくらセミナー主催者のブログがアクセスを集めているとは言え、こんなにたくさんの人が「出版したい」という現実でした。出版も悪くないとか、チャンスがあれば本を出してみたい、ではないのです。日曜午後に4000円支払ってきている人が100名を優に超えているところがすごいと思います。

この事実からすると、ノマドになるという人の多くはきっと本が出したいに違いないと直感しました。(理論的に考えてみたわけではないということです。「ノマド」と「出版」が直結すべきだという理屈は私の頭では成り立ちません)。だから今回は「本を出す話」にしようと思います。

「本を出したい」と明らかにする

セミナー中、主催者の立花さんがおっしゃっていた中で、最も有効だろうと私が感じたことは1つでした。本を出したいと「関係者(普通は編集者)に」宣言すること、つまりふれてまわることです。

私は以前にもどこかに書いた事があるのですが、多くの人は何か少し異なることをやっています。本を出したいということを著者や、ライターさん、もしくは「つてのありそうな人」にふれて回るものの、編集さんには持ちかけないのです。著者のところに話すことが無意味だとは思いませんが、本というのは出版社がその気にならない限りでることはないものです。著者がいくらその気になってもダメなのです。

編集者さんと著者との関係をWin-Winにすること。本が出るとは、そういうことです。編集さんにとっては売れる本がいい本。著者の立場はその限りではないでしょう。しかし著者の立場が明確に伝わりさえすれば、編集さんが著者の立場を軌道修正でき、Win-Winにもっていけます。

「本を出したい」ということがそもそも明らかになってないと、編集さんは著者と「組む」勇気がなくなるはずです。「本を1冊書き上げる」には数ヶ月かかるため、途中心変わりされかねないからです。NSLセミナーで「ブログのエントリ数」がテーマに上がっていたのはそういうことですが、ブログのエントリ数が1万でも編集さんが安心するとは思えません。

著者が最後まで本を書くならいいのです。ブログのエントリなどなくてもいいのです。現にブログなどほとんど更新していない著者はたくさんいます。だから「意気込み」や「情熱」といった話になるのですが、それらはあくまでも参考意見です。意気込みは数ヶ月のうちには変化することがほとんどだからです。

「本を出す理由」を明らかにする

そういう意味でおそらく編集さんが重視すると思われるのが「本を出す理由」です。理由が明快で納得できれば、数ヶ月のうちに心変わりする可能性が低そうに思えるからでしょう。(ちなみにたいていの編集さんは著者の代わりに字数を埋めることを好みません)。

本を出す理由。それはなんであってもいいと思います。金のために本を出すとしても、傑作にならないとは限りません。バーネットは生活苦ゆえに小説を書き、『秘密の花園』は古典的名作です。エミリ、シャーロット・ブロンテ姉妹も似たようなもので、最近はあまり読まれていませんが、『ジェイン・エア』も『嵐が丘』も今世紀中はのこり続けるでしょう。

生活苦ゆえに、売れる本を著者が書きたいというなら、編集さん(にもよるでしょうが)は乗り気になると思います。貧乏な著者さんは数ヶ月程度は貧乏なままでしょうから、もうけたいなら心は変わらないでしょう。

一番難しいパターンは、著者自身の本を出す目的が1つに絞り込めないどころか、やたらたくさんある場合です。「印税生活もしてみたいし、有名になれたら嬉しいし、本を出したら結婚できるかもしれないし、使命感だってないわけではない・・・こういう本が出たら、売れるんじゃないかというアイデアがあります」という話に編集さんは乗りにくいのだと思います。

というのも現実問題として印税生活は容易ではなく、著者が有名になれても編集さんのメリットとは言いがたい(もっとも無名な著者が有名になるということは本が売れてのことでしょうからそれはメリットになります)。著者が独身か既婚かは全くどうでもいいことです。残る価値は結局「アイデア」ですが、編集さんも毎日本を売ろうと必死(でもない人もそれなりにいますが)なのですから、著者の「アイデア」が「目から鱗だった」ということはそう多くない。少なくともそう多くはないように思えるのです。

ですから熱意より理由です。著者は本を出したいと確かに思っていて、他人を納得させられるだけの理由ももっている。少々行きつ戻りつしても(心理的にはけっこう負担になります)挫折せずに本を書き上げてくれるのなら、編集さんはその本を「売れるように修正」できます。編集さんが求めているのはきっと「売れるように修正しやすい本を書く理由が明確な人」で「とにかく本を書いてみたい、情熱はある、アイデアもある、という人」ではないのです。

▼編集後記:
佐々木正悟



8月26日 第4回タスクセラピー 「仕事管理は手帳だけ」からの脱却(東京都)

今回でタスクセラピーも4回目となりますが、初心者重視で「手帳とふせんだけを使う仕事のやり方からの脱却」と位置づけ、スマートフォンの活用を並行的に促すという原点にもう一度立ち戻りたいと考えます。 …

まもなくお盆がやって来ますが、今回から改めてタスクセラピーもいくつかの試みを始めます。

  • お一人様3分ほどの短い時間ですが、ご希望の参加者には全員、タスクセラピー個人診断を受けていただくことが可能です
  • コーチによる得意分野の概略(GTDやタスクシュート方式の)を第1タームで語っていただく時間を設けます
  • 完全な初心者の方にはそもそもどのコーチの島に行っていただくかを相談させていただきます(これは前回から)

残りわずかとなっていますが、ご参加いただけましたら幸いです。