日々のスケジュールにおいては、それこそ1分とかからずに終えられるタスクもあれば、数時間かかってようやく完了のチェックマークを入れられるタスクもあります。
でも、タスクリストにおいては見た目は同じサイズの項目であるために、「秒殺」できて爽快な気分になれるかと思えば、「数時間に及ぶ泥仕合」に末に結局ぐだぐだになって、翌日に上司の「判定」を待った上で「仕切り直し」となることもあります。
「タスク分解」というタスク
例えば、次のようなタスクリスト。
□総務のAちゃんにセミナー備品の発注メール ← 秒殺!
□B課長に電話/来週の打ち合わせの件 ← 分殺!
□C社向けシステムの概要設計書作成 ← 数時間に及ぶ泥仕合…
上の2つはともかく、一番下のタスクはいただけません。こういうタスクを前にすると、
・とりあえずコーヒーを淹れてから…(ついでにお菓子も)
・メールチェックしてから…(重要なメールがあるといけないし)
・RSSリーダーの未読が溜まってた…(設計に役立つ情報があるかも)
・伝票の整理がまだだった…(気になって集中できないと困るし)
などなど、どう見ても後回しにできる予定外タスクを瞬時に思いついて、そちらに意識を向け始めます。こうして、懸案のタスクはどんどん先送りされていくことになります。
こうなってしまうのは、言うまでもなく、タスクリストにおける1つ1つのタスクの粒度(≒大きさ)がまちまちだからでしょう。
であれば、対策はシンプルで、細かく分解してしまえばよい…のですが、大きなタスクとなると、この分解作業もけっこうな負荷となります。
□C社向けシステムの概要設計書作成のタスク分解
のような、独立したタスクとして立ててもよいくらいでしょう。でも、こういったタスクはあまり立てたくないものです。なぜなら、このタスク自体は直接的にタスクの進捗に寄与するように感じられないからです(実際にはもろに寄与していたとしても、それが実感できなければ、同じこと)。
そうなると、ますますこのタスクに向き合うのがイヤになります。こうして先送りが常態化。
「小口注文」に分割する
そこで、最近なんとなくやってみて、それなりに効果を実感できているのが、次のようにざっくりと分解してしまうという方法。
□C社向けシステムの概要設計書作成( 0% → 25%)
□C社向けシステムの概要設計書作成(25% → 50%)
□C社向けシステムの概要設計書作成(50% → 75%)
□C社向けシステムの概要設計書作成(75% → 100%)
要は、分解したそれぞれのタスクごとに到達目標をパーセンテージで示すようにするのです。本来であれば、「25%とは、具体的に何と何をすることか?」という疑問にきちんと答える必要があるでしょう。さもなければ、本当に25%消化できたのかどうかが自分でも自信が持てないからです。
でも、本気でそれを始めると、それだけで簡単に30分や1時間は過ぎていきます。しかもこのような検証作業は「直接的にタスクの進捗に寄与するように感じられない」のですから、さっさと実作業に入った方がよいわけです。
ここで大切なことは、到達目標に確実ににじり寄っていることを実感することです。これによって、タスクが抱えている様々なサブタスクを1つ1つ検討するよりも効率よく進められる場合があります。特に、この検討作業がわずらわしく感じられるために、先送りをしているのなら、なおさらです。
もちろん、タスクの内容によってはこのようなざっくりとした進捗把握ではうまくいかない場合もあるでしょう。でも、連日のように「マルッと先送り」を繰り返してしまっているのであれば、「今日は5%だけ進める!」という「小口注文」を切り出して請け負うことで、少なくとも「マルッと先送り」の罪悪感からは解放されるはずです。