Apple Watchの「呼吸」を毎日欠かさなくなった大橋です。
Apple Watchを着けていると、不意に手首への穏やかな通知で、
「呼吸、しませんか?」
といざなわれます。
そのときにたまたま手が空いていたり、呼吸したい気分のときであれば応じることもありますが、たいていは「今はいいや」ということで丁重に辞退。
街を歩いていて「あなたのために3分間祈らせてください」と話しかけられるくらいの唐突さなので仕方がないところではあります。
「間が悪い」のです。
それでも、せっかくだから続けられるようになりたい、と思っていました。
続けようとしても続かない
習慣は「続けよう」とすると続かないものです。
自転車でも車でも、まっすぐに進もうとするとかえってまっすぐに進めないことに似ています。
意識した途端に難しくなるのです。
まっすぐ走れるときというのは「まっすぐ走ろう」と意識しなかったときであり、ふと気づいてふり返ったら、まっすぐ走れている。
同じように、続けられているときというのは「続けよう」という意識を忘れたときなのです。
かと言って
- よし、続けることは忘れるぞ!
と意識するとうまくいきません。
ではどうすればいいかというと、
「続ける」ことを忘れるくらいに夢中になれる何かを見つけること、です。
かと言って
- よし、続けることを忘れるくらいに夢中になれる何かを見つけるぞ!
と意識すると…(以下略)。
とりあえず今日だけ!
要するに「続ける」という未来をいったん脇に置き、「いま目の前のことにのみ没頭する」ことです。
とはいえ「いま目の前のことにのみ没頭する」は難しい。
なぜなら、
- これ、明日も明後日もずっとやるわけでしょ?
- だったらなるべく負荷を下げて毎日続けられるようにしたほうがいいよね?
- そのためにはまず…
という具合に先手先手を打とうとして、いま目の前のことではなく、ずっと先の未来を気にし始めてしまうからです。
カメラのレンズを目の前のスライムではなく、奥にいるスライムに焦点を当てるようなイメージです。
当然、目の前のスライムはボケるわけです。
代わりに、目の前のスライムに焦点を当てれば、おのずとクッキリと目に入ってきます。
よくよく間近で観察してみると、とても美しい形をしているなあ、とか影がクリアできれいだなあ、とか普段は気づくことのない発見が得られるでしょう。
こうなったらしめたもので、すでに意識は目の前にロックされますから、習慣化への一歩は踏み出せています。
Apple Watchの「呼吸」についても、毎日続けることはいったん忘れてみます。
- とりあえず今日だけやってみて!
- もし気に入らなかったら明日以降はやらなくていいから!
という「お試しオファー」を自分に出すのです。
こうすることで、「まぁ、今日だけでいいならやってみるか」ということで、意識をロックできるわけです。
もっとも自然に行える「位置」に置く
とはいえ、習慣化にはもう1つ重要な要素があります。
それは毎日同じ時間帯に行う、ということです。
さらに言えば、前後の習慣も同じにするとより続けやすくなります。
これは、ラジオ体操に似ています。
ラジオ体操を毎日続けていると身体が勝手に動くようになります。
これは順番が完全に決まっているからです。
もし、毎回順番がランダムだったら、常にラジオのかけ声に耳を澄ませて次に何が来るのかを待ちかまえる必要が生じ、ラジオ体操というものがとても面倒なものに感じられるでしょう。
今日訓 0805:手順が決まっているものは続けやすい。ラジオ体操のように。良いと思ったことは手順にまとめて繰り返す。この最初の手順が軸になり、習慣が巻き付いてくる。 #dailyremark
— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) January 3, 2013
今日訓 1313:ラジオ体操は順番が決まっているから覚えやすい。仕事もいつも同じ順番にやっていると早くなじめる。しっくりくる順番を見つけて、これをひたすら守るようにすると仕事が早く終わるようになる。 #dailyremark
— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) January 20, 2015
「呼吸」も、一日の中でもっとも自然に行える「位置」を見つけて、そこで必ず行うようにすることで、無理なく習慣づけられるようになります。
僕自身は、昼食後、午後の仕事に入る前という「位置」に置いています。
ここに置くことで、「呼吸」が仕事モードに切り替えるスイッチのような、あるいは演劇の幕間(まくあい)のような働きをすることになり、すんなりと定着しました。
それをしたときに必ず得られる「いい感じ」を見つける
最後にもう1つ、ダメ押し。
ラジオ体操をすれば、身体がほぐれたり、目が覚めたり、といった「やればやっただけのメリット」が毎回必ず得られるものです。
ひとたび習慣化すれば、こうしたメリットが感じられなくても続けられるものですが、慣れないうちはリターンがないと渋るのです。
「呼吸」についても同様で、最初は「え~、呼吸なんて普段からやってるし~」などともっともらしい理由で退けていたのですが、「今日だけでいいから!」オファーに応じて渋々やっていたら、あるとき不意に実感したのです。
- 息を吸うたびに頭に酸素がどんどん送り込まれていく感じがする!
- 頭の中に沈殿していた不純物がどんどん吐き出されていく感じがする!
いずれも気のせいかもしれませんが、やればやるほどこういう「感じ」が強くなってきたので、それが後押しとなって「呼吸」への敷居がどんどん下がり、いまや「呼吸フリーク」となりました。
まとめ
「呼吸」に限らず、あらゆる「続けたいこと」に応用できると思いますので、とりあえず今日だけ、やってみてください。
- とりあえず今日だけやってみる(もし気に入らなかったら明日以降はやらなくてOK)
- 一日の中でもっとも自然に行える「位置」を探る
- 必ず得られる「いい感じ」を見つける
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