最近、無印商品の落書き帳をよく使っています。
B4サイズとなかなか巨大で、92円(税込)と低価格。ラフに使うにはピッタリのアイテムです。
普段文章を書いたり、かちっとしたアウトラインを固めるときは、デジタルツールを使うのですが、そのはるか前段階、曖昧模糊としたコンセプトを操作するときには、アナログツールを使います。
とりあえず書く
難しいことは何もありません。むしろ、難しいことをなるべく考えないようにします。
中心に中心的なテーマを書き込み、そこから思いついたことを展開していきます。「放射状」や「メインノード」みたいなことは気にしません。一番最初に思いついたことを書き、そこから思いついたことを書き、ということを繰り返します。
この作業は頭の中の洗い出しであり、この段階では、何が重要なのか、どんな構造がそこにあるのかはわかりません。わからないことをわかるように考えるのは、脳のエネルギーを使うので、ここではその思考はカットします。
「とりあえず書く」
これがポイントです。
展開
ある程度書き出したら、より掘り下げたいトピックが見つかるかもしれません。その際はページを替え、今度はそのトピックを中心に据えて、再び「とりあえず書く」を進めます。
ここでも、カテゴリは気にしません。最初に思いついたことを、思いついたように書いていきます。矢印や丸で囲むのも、規則性を決める必要はなく、単にそうしたかったらそうする、くらいで十分です。ともかく、連想を止めることなく、かつ、自分の脳の感覚に近い感じで進めていきます。
この新しいページに書くことには、最初のページに書いたものを重複するものもあるでしょう。それで構いません。書き直すことで刺激される思考はあるものです。また、最初のページでははるか遠くに書き込んだトピックが、このページでは集合することもあるでしょう。それで構いません。そんな「整合性」は一切気にする必要はありません。むしろ、そうして集まることにこそ、ページをあらためて書き直す価値があります。
十分にページを埋めたり、あるいは思ったよりも項目が書き進まなかった場合は、またページを改めて、新しいトピックを中心に据えます。これを、納得できるまでか、時間のある限り進めます。
あとで整える
上記ような書き出しを、5〜6回ほど進めれば、なんとなく掴めるものが出てきます。それは「構造」と呼べるかもしれませんし、「カテゴリ」と呼べるかもしれません。情報同士の関係が頭の中に構築されていくのです。
そこまでくれば、改めて正式なマインドマップフォーマットで書き直してもいいですし、あるいは何かしらのデジタルツール上で構造化を進めてもよいでしょう。その辺の選択は自由です。
ともかく重要なのは、初期の初期段階では、思考を枠にはめないことです。すでに考えることが明白ならば、定型的な質問によって思考を前に進めていけますが、「何を考えていいのかわからない」状態では、固定的な質問は思考の方向性を誤って固定してしまう可能性があります。だから、とりあえず考えていることを書き出してしまうのです。
その意味で、この作業は「アイデア出し」と言うよりも、「質問出し」と言えるかもしれません。本格的に思考を進める前の、ウォーミングアップ作業です。
▼今週の一冊:
数年ぶりに再読したのですが、やっぱりそうだよな、という原点回帰感があります。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。