答えは自分の拠って立つところにある。
自分は誰のために何をしているのか?
何をしようとしているのか?
本を読んだり、
人から話を聴いたりするなかで、
ヒントを探るものの、
しっくりくる「答え」は、
自分の拠って立つところにある。
経営計画合宿に参加してきました
5月1日(金)・2日(土)と「経営計画合宿」というものにに参加してきました。
その名の通り、経営計画書を作るための合宿です。
2000年4月に独立し、2001年に法人化して以来、経営計画書というものを作ったことがなく、
「そのうち作ろう」
と考えているうちに、気づいたら15年たってしまいました…。
経営計画書の構成要素は以下の3つ。
- 1.長期:経営理念
- 2.中期:経営方針
- 3.短期:計画(数字計画、顧客創造計画、要員計画、など多数)
2日弱の合宿中に、経営理念と経営方針、そしていくつかの短期計画(5年間の損益計画など)を作り上げることができました。
今回とくに触れたいのは経営理念。
経営理念は一言ないし多くてもA4用紙1枚に収まる分量です。
例えば、ファーストリテイリング(ユニクロ)であれば、
服を変え、常識を変え、世界を変えていく
という一行。
ザ・リッツ・カールトンはもう少し長く、
リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの
心です。
という感じです。
14字で表現できた
僕自身、個人の事業としては今年で16年目に入ります。
これまでの15年間をふり返りながら、この2日間でいろいろと考えました。
その結果、かなり納得のいく一言に辿りつきました。
字数を数えたら14字。
ファーストリテイリングは19字でしたが、それよりもさらに短いです。
とはいえ、この14字の後に補足的な2行が加わるため、トータルではリッツ・カールトンよりやや少ないくらいの分量になります。
それでも、とにかく自分にとっての最上位概念がたった14字で表現できたことに大いに満足感を覚えています。
スマホのロック画面にもこの14字を表示させるようにしました。
この14字については、しっかり固まったところで、また改めてご紹介します(理由は後述)。
情熱を維持し続けるために必要なこと
今回参加した合宿は「がんばれ社長」の武沢信行(たけざわ・のぶゆき)さんが主宰する、その名も「経営計画合宿」です。
書籍であれば、武沢さんの以下の著書がおすすめです(Kindle版もあります)。
今回、僕自身がこの場で理念をご紹介しなかった理由は、
本書の以下のくだりを読んでいたからです。
三島(注:三島由紀夫)は恋愛について語っているのですが、私はこれを読んだとき、それまで「理念は言葉にして人に宣言しよう」と言っていたのですが、それは事実の一部分にすぎないのかもしれないと思いました。
打ち明けない恋が最も丈の高いものであるのなら、理念や目標が固まってもいない段階で宣言することは、それに対する情熱を喪失してしまうことにつながるのかもしれないと思ったのです。
好きになって告白して、思いが冷めて別れる。
そういう恋愛を繰り返すことが恋愛の死であるのなら、目標を立てて宣言し、目標を獲得する(あるいは未達成に終わる)ということを繰り返すと、情熱の死に至り、目標を獲得しようというエネルギーがなくなってしまうのではないかということです。
ですから、これはまだ私にとっても仮説なのですが、もしかしたら自分にとっていちばん大切な「目標」というのは軽々しく言葉に出さず、しばらくは自分の心の中だけに置いておくことも、情熱を維持し続けるためには必要なことだと思えるのです。
がんばれ社長の武沢さんとは2002年10月11日に一度お目にかかっていました。
同氏主宰のセミナーに参加し、少しお話させていただいたり、出したばかりの本をご紹介させていただいたり。
それなりに盛り上がりましたが、そこから次の展開を迎えることはありませんでした。
そして、その後の数年間は僕にとっては「暗黒時代」。仕事はしていたものの方向性が定まらず、目の前にある仕事を何とかこなしているだけという状態。
それが、あるきっかけからブログを始めることになり、今に至ります(かなり端折りました)。
武沢さんは僕のブログのことをご存じでいらっしゃったようで、今回、実に13年ぶりの再会となりましたが、すぐに思い出してくださったようです。合宿に申し込んだその日にメールで連絡をいただきました(こういうのはうれしいですよね)。
そんな背景もあったため、今回の合宿参加に際して「改めて原点を見つめなおそう」という気持ちが高まっていました。
合宿中は、ワークの時間がたっぷりあったので、経営理念や経営方針を考えるうえでの材料として、独立してからの日記(テキストデータ)をいくつかのキーワードで全文検索をしつつ読み返します。
読み返してみると、ところどころ記憶と記録に食い違いがあり、良くも悪くも勘違いをしていたり、「こんなことを考えていたのか!」と驚かされることがあったりと、かなり充実した時間になりました。
答えは足もとにあったわけです。
結局、自分は自分にしかなれない。
そうであるならば、とことん自分を掘り下げる。
過去の自分(たち)が考えていたこと、
言い換えれば未来の自分に託してきたことを受け止めて、
次の自分にバトンを引き継いでいく。
そうすることで、しっくりくる自分に近づくことができるはずです。
そのためのランドマークになるのが理念なのだ、と腑に落ちました。
最後に武沢さんの著書から引用します。
『ゴッドファーザー』は映画が有名ですが、私は映画ができる前にマリオ・プーゾの本を読み、すっかりはまってしまったのです。
ギャングというダーティーな世界の話ですが、そこに登場するドン・コルレオーネやマイケルといった男たちの生き様はとても魅力的なものでした。
生き方に憧れるというのは、彼らの抱いていた理念に憧れるということでもあります。
ですから彼らに憧れ、彼らの真似をすることで、私は無意識のうちに彼らの理念を引き継いでいたと言えるのかもしれません。
理念を持つ最初のステップは、真似でいいと私は思っています。
最初は借りものの理念でも、それに基づいて行動しているうちに、それはやがて自分のものとなっていきます。
また、行動していく中で自分の本当の心をつかむ人もいるでしょう。そのときには先ほどの方法で自分なりの理念にシフトしていけばよいのです。