年齢、職業、立場を問わず、誰だって「誰かに認められたい」という欲求を持っている。
でも誰かに認められようと、自分を誇張したり、他人を貶(おとし)めようとしたりするのはカッコ悪い。
負けたくないなら、勝とうとしなければいい。
勝とうとして燃え上がるから、負け犬根性が芽生えてしまうんだ。この人より勝っているかどうかとか、今何番目だとか、負けている分を取り返そうとか考えない。
隣の芝生は青くない。
自分のテリトリーだけに集中しよう。他人の目を気にして、いい家に住んだり、いい服を着たり、いい車に乗るよりも、自分が落ち着ける空間にいて、自分の気持ちを上げてくれる音楽を聴きながら、自分の好きなことに没頭している方がよっぽどいい。
他人の居場所を気にせず、自分がいいと思う方向に進んでさえいれば、勝ち負けなんてどうでもよくなってくる。
生き方においては、自己満足をめざしたヤツが最高だ。
つねにめざすべきは、勝ち負けではなく、自己ベストだ。
まわりを見るな。向き合うべきは自分の心だ。『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(p.150)
人は誰しも「ファインプレー」を持っている
好きなことや得意なことを仕事にすることでハッピーになろう、的な風潮があります。すごく良いことのように感じられますが、実践するのはやはり簡単ではありません。
この本の著者の四角大輔さんは「好きなこと」を仕事にすることに成功している方ですが、今に至るまでの過程にはひたすらストイックに自分を問い続ける日々があったようです。
そもそも自分が何を好きなのか、何が得意なのかを考え始めた途端に、
- 自分なんかよりももっと熱狂的に好きな人がいる、敵いっこない
- 自分なんかよりももっと名の知れた達人がいる、勝てっこない
という壁に阻まれて、そこで思考が停止してしまうのです。
それでもなお、まだ人の目に触れていない「ファインプレー」が発掘されずに埋もれている、と僕は考えています。それを掘り出して、光を当てることができたとき、「勝ち負けなんてどうでもよくなってくる」のです。
ではどうすればそれを掘り出せるか。
「ファインプレー」を発掘するための5つの切り口
以下の5つの切り口で自分のこれまでをふり返ってみるといいと思います。
- 寝食を忘れてのめり込んでしまうこと(例:iPhoneアプリをいじり倒す)
- 表彰実績のあること(例:県内で1位をとったことがある)
- 過去に抱えていた悩みを克服したこと(例:25kgのダイエットに成功した)
- よく人から褒められること(例:字がきれい、聞き上手)
- 当たり前のようにずっと続けていること(例:日記、飲み会の幹事)
特に、自分にとってはもはや当たり前になってしまっているものは狙い目です。当たり前になっているということは特に注意を引かないということですから、気づかずにスルーし続けていることが多いのです。
こういったことを発掘するうえでは以下でもご紹介した「自分史」を書いてみることが役に立ちます。
この検証に役に立つのが「ダイジェスト版」ではなく「完全版」としての自己紹介です。言い換えると自分史です。生まれてから昨日までの、思い出せる限りの、掘り起こせる限りの、自分に関する全歴史。
この自分史がブログという自己紹介を積み上げていくための「ぬか床」になります。
一時的な思いつきや流行に左右されず、これまでの人生を通じて自分の中に一貫している軸を見つけ出し、この軸からぶれることなく自己紹介を紡ぎ続けていく。
そのためには、一度立ち止まって、時間をかけて自分史を作り込む必要があります。さもないとえんえんと“浅漬け”を作り続けることになりかねないからです。
ライバルを出し抜くより自己ベストを出し抜く
このようにして発掘したこと、言い換えれば「自分が達成してきたこと」を世の中に示すことができれば、そこから可能性が広がっていきます。
マスメディアで取り上げられやすい人は、この「自分が達成してきたこと」すなわち「ファインプレー」をうまく表現できた人である、と言えるでしょう。
以前はマスメディアに積極的に売り込むか、あるいは向こうから見つけてもらうのを待つしかありませんでした。
今はもっと手軽にできる方法があります。
それはブログを書くことです。
「今さらブログを始めてもなぁ・・・」と思われるかもしれません。すでに先行組がたくさんいる中で始めたところで、たいして注目も集められないうえに、時間ばかりかかって、空しいだけだ、と。
そうかもしれません。
でも、それは先行組というライバルと競うことが前提になっている場合です。もし、先ほどの5つの切り口のどれかに当てはまる「ファインプレー」を持っていて、それを売りにする先行組が見当たらないようであれば、チャンスです。
これが私の「ファインプレー」だ! と思っても、それは大いなる勘違いだった、ということもあるでしょう。
でも、その「勘違い」という“ハズレくじ”を引き続けていけば、いつか本当の「ファインプレー」に突き当たるはずです。
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