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SH001:整理と処理の時間を分ける

佐々木正悟&大橋悦夫コンビの原点に『スピードハックス』という本があります。

ありがたいことに本書は多くのかたよりご支持いただき、セミナーや講演のお仕事をいただくようになりました。

その後、佐々木・大橋とも単独での活動も増え、それぞれに書籍の刊行やコンサルティングなどに従事していましたが、最近のクラウド技術の進歩やスマートフォンの普及により、「スピードハックス」の内容も一新させる必要に迫られるようになってきました。

そこで、まずはシゴタノ!にて「スピードハック2」として「スピードハックス」を復活させようというのが、本連載の趣旨です。

メディアは変わりますが、独自の仕事術に軸足を置く大橋と、心理面を重視する佐々木が、酷似した考え方にもとづく仕事術について情報発信するポイントは変わりません。

この5年の間に洗練させてきた二人の「スピードハックス」をシゴタノ!読者のみなさんにも楽しんでいただければ幸いです。

整理と処理の時間を分ける

タスクリスト、あるいはToDoリストを活用している方は少なくないでしょう。

リストの良いところは、ルートが一本決まることです。リストがあるおかげで、現在地と目的地とが一本の線で結ばれるのです。

ここで注意すべきは、リストの整理と処理を同時に行わないようにすること。

リストは、カーナビでいえばルートにあたります。

ルートが一度決まってしまえば、あとは愚直に機械的にこれに沿えば良いのです。「もっといいルートはないだろうか?」とか「こっちの方が速いのではないか」といった疑念を差し挟み始めると、スピードが落ちてしまいます。

もちろん、途中で行き詰まることもあるでしょう。でも、行き詰まるまではルートに沿って進むことだけを考えた方がエネルギー効率は良くなります。

タスクリストにしても、朝の時点でその日のルートを設計しきったら、後はもうまっしぐらに突き進むこと。途中で迷ったり考えたりする余地があると、必ずそこでスピードがダウンしてしまいます。

いったんスタートを切ったら、もうリストには整理の余地はなく処理をするのみ。これが最速です。

そのためには、途中で引っかかることなくスムーズに流れるようにリストを設計しておく必要がありますが、この設計方法については改めて触れます。

まずは、リストを整理する時間と処理する時間の2つに分けることから始めましょう。