※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

10/30(日)情報発信のスタイルについて解説します

倉下忠憲表題の通り10月30日にセミナーでちょこっとお話させてもらうことになりました。場所は大阪、テーマは「伝え方」についてです。

私以外にも二名の方がトークされます。
※詳しくは下記リンク。

スタートとしてのブログ

今のところ「物書き」として生活していますが、前職は本とはまったく関係ない仕事をしていました。何か本と関係があることと言えば「ブロガー」であったことぐらいです。

そのブログも特に人気ブログといったわけではありません。ごく普通の(つまりアルファではない)ブログです。それでも2009年から2年近くこのシゴタノ!で書かせていただいたり、あるいは2010年の最初の書籍の出版があったりと、「物書き」への道のりがそのブログから徐々に生まれてきたことも確かです。

ブログを続ければ物書きになれるか?

これについては、さすがにYesと断定することはできません。もしそうであれば、世の中は物の書き手で溢れかえっていることでしょう。しかしやらないよりもやったほうが可能性が高まることは確かです。

もし、誰かに何かを伝えるということに興味があるのならば、ブログはそのスタートとしては悪くないツールだと思います。広く読まれる可能性を考慮すれば、少なくともエッジが効いていることは確かです。

武器としての情報発信

最近では、ブロガー発で書籍を出版される方も多く目にするようになってきました。そういった方も特別な能力をお持ちというよりは、情報発信を丹念に行ってきた、という印象の方を強く受けます(少々変わり者の方が多いことは確かですが)。

ごく普通の人が情報の消費者から情報の発信者へ変化する、これがソーシャルメディアの特徴です。今まではプロの仕事であった情報発信の門戸は広く開かれています。

むかしは、専門家と大衆のあいだにかなりの格差があったかもしれませんが、今日ではそういうものはほとんどなくなっている。プロフェッショナルとアマチュアというのは、いわばめしの種のちがいだけのことであって、内容的には現実にそうかわらないかもしれない。

と梅棹忠夫氏が書かれたのが1977年。そこから40年以上経っていますが、その傾向はたしかに強くなっている気がします。すくなくともその境界線はとても曖昧で、すぐに飛び越えられそうな雰囲気すらしています。

この連載「R25世代の知的生産」も、別に頭を良くするための方法論などではなく、ごく普通の人が(あるいは若い人が)いかに情報発信をしていくのか、そのために必要なツールや技術は何なのかというのが一つの大きなテーマです。

人生において何かを(少しぐらいは)変えられる力。『武器としての決断思考』という本のタイトルをもじれば、『武器としての情報発信』と言えるかもしれません。地位も名声もない無名の個人が戦うための武器です。 

話そうと思っている二つのポイント

と、いろいろ大げさなことを書きましたが、セミナーでお話しさせていただこうと考えているのは以下の2点です。

  1. 本を書くときに気をつけていること
  2. ブログを書くときに気をつけていること

どちらも「いかに伝えるか」という点が大きなポイントになってきます。どちらの比重を多めにするかは(いまだに)決めていませんが、参加者の方の興味に合わせてバランスさせたいと思います。

ブログについて困っている、あるいはこれから初めての本を書くのだけれども何に注意して良いか分からない(というレアな)方がいらっしゃればご参加検討くださいませ。

» 10月30日 ブロガーが語る 「伝えたい」を伝える力

▼今週の一冊:

思考停止というのは、もちろん否定的な意味合いで使われるわけですが、そこから脱出、つまり思考というのは一体何を意味しているのでしょうか。

「考える」は一般的に使われる言葉ですが、実際何をするのかは曖昧です。Aさんの「考える」と、Bさんの「考える」は全然別のことをしている可能性すらあります。

では「考える」とは具体的に何をどうするものなのか。その一つの方法論を紹介したのが本書です。

本書では「ディベート思考」という考え方(思考の進め方)が解説されています。単一の視点だけではなく、複数の視点から問題について考える手法がディベート思考です。

面白いのが次の指摘。

ブレない生き方は、ヘタをすれば思考停止の生き方になります。

「ブレなさ」は時に高評価の材料として使われますが、いろいろ考えた上でブレていないのか、それとも何も考えずに惰性で同じことしかしてないのかはまったく別の意味を持っています。

自分が信じていることでも、時としてディベートのように自分自身に反論を投げかけてみる、というのも有効かもしれません。


▼編集後記:
倉下忠憲
iPhone 4S いいですね。レスポンスが良いというのが素晴らしい体験であることを思い出させてくれます。あと液晶も(3GSと比べて)とても美しいです。毎日使うツールはやはりこうでないと。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。

ほぼ日手帳HACKS
倉下忠憲、北真也
PDF: 226ページ