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やるかやらないかを決められないのが先送り


佐々木正悟 あとで確実にやることを私たちは先送りとはいいません。

「寝るのを先送りにする」とはふつう言わないでしょう。仮に一日くらいは徹夜することがあっても人は必ず寝るからです。

以前GTDで話題になった「いつかやりたいことリストに入れる」は、別の意味で先送りとはあまり言いません。

なぜなら「サムデイリスト」に入れたことは「やらない」からです。「ハワイに移住する」などは「先送りにしている」と言うよりも「できたらいいなあ」なのです。

この間にある悩ましい問題が「先送り」です。「先送り」とは「やるかやらないかの判断を先送ること」なのです。

こういうふうに悩むのは、そもそも「あまりやりたくないこと」をやろうとしている場合です。

「プログラムの勉強をしようとしたんだけどマンガを読んでしまった」というとき、なにが「先送り」の対象であったかは言わずとも明らかです。

「勉強」が先送られたのです。

「マンガを読む」ようにやりたいことは、計画せずとも、先送りを問題にせずとも、できるときがくればやるものです。

そんなにプログラムが「やりたくもないこと」だったらやらなければいいのではないかと思う人もいるでしょう。

その「あきらめ」がつきにくいのもまた先送りの特徴です。

やりたいわけではないけれど、やらずに済ませていいものかどうかの判断がつかず悩ましいのです。

先送りの悩みには葛藤がある

「先送りグセ」という言葉があるように「判断の先送り」を習慣にしてしまっている人もいます。

理由は簡単で、不安なのです。

  • プログラムの勉強をしておかないと「得られるスキル」を得られずに、そのぶん残念な人生を送る羽目になりそうで不安だが、
  • さりとてやりたくもない勉強に時間を費やすのもまた、そのぶん人生で損をする気がして怖い

といったダブルバインドの葛藤があります。

このような心理に覚えがあるという人には、とりあえず「残念な人生」だとか「人生で損をする」などの懸念をいったん棚上げにするように提案したいです。

検討すべきはやはり単純な話です。

プログラムの勉強をすれば絶対確実に「人生のトク」ができるのかどうかを考えてみればいいでしょう。

これが絶対確実なら、もう悩む余地はありません。やればいいのです。やらなければ100%人生で「損をする」のです。損をするのが怖いなら、やらなければ不安はぬぐえないでしょう。

逆にプログラムの勉強が本当にトクかどうかが不明だとか、少なくともトクすると確信できないなら

やらない!

と決意しましょう。英語の勉強であれ、資格試験の勉強であれ、中国語の勉強であれ、筋トレであれ、なんであっても同じです。

でも…やらないとなると不安です…

という気持ちがムクムクとわいてきたら、先ほどの問に戻ります。

「それをすれば絶対に、人生でトクすることは保証されていますか? 幸せになれますか?」

おそらくですが「絶対確実」ではないでしょう。99%と言いきるのも難しいと思います。

ではあきらめましょう。プログラミングの勉強も筋トレも、「やらない!」ことに決めれば二度と「先送り」なんかせずに済みます。

でも……

となりましたか?

これが「先送り」なのです。

▼編集後記:
佐々木正悟


『なぜか仕事が早く終わらない人のための 図解 超タスク管理術』はおかげさまで好評いただいています。

とくに今回はレビューで好評いただいていてとても嬉しいです!