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今週のおすすめビジネス書&「はじめに」に注目する理由

昨日までの1週間でシゴタノ!で人気のあったビジネス書のご紹介。

ビジネス書は「はじめに」が大事だと思っています。

Wordのストレス解消読本 -Wordの「本当の」使い方教えます[2007/2003/2002対応]

以下の佐々木正悟さんのエントリーで紹介されて以来、根強い人気です。

» Wordのストレスをゼロにする1冊 

もしあなたが好きでもないのにマイクロソフト社のWordを使わなければいけなくて、以下のようなWord独特の現象にいらだたしさを感じているなら、本書をぜひ買って読むべきです。

・行間をうまく設定できない
・箇条書きのインデントをうまく設定できない
・見出し番号をつけたのに、うまく連番にならない
・写真や図を貼ると、意外なところに貼りついたり消えたりしてしまう
・フォントを一度太字にして、あとから書式をクリアしようとすると、太字指定が解除できたりできなかったりする

ある程度詳しい人だと、これらの現象の原因をどこに求めていいかで、大変に悩むでしょう。

Wordのバグなのか
Word独特の仕様なのか
自分が間違っているのか

『Wordのストレス解消読本』を読むと、その大半がバグとは言えないまでも、かなり奇妙な「仕様」なのであり、普通に考えれば「どうしようもない」としか言いようのないケースであることが分かります。

その辺の「裏事情」に精通してくると、「Wordが使いにくい」のはなぜなのかということがわかってきて、ストレスを感じにくくなります。ストレスの大半は「わけのわからなさ」から生じているもので、「わけのわからなさ」が「分かってくる」ことで、ストレスは解消されてしまうのです。

Wordのストレス解消読本 -Wordの「本当の」使い方教えます[2007/2003/2002対応]
西上原 裕明
技術評論社 ( 2010-02-06 )
ISBN: 9784774141657
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

すでにベストセラーになっていますが、シゴタノ!では堀正岳さんが取り上げています。

» Evernoteでストレスフリーの仕事術 GTD を実践する(「今週の本」にて)

プレゼンテーションの本は多くありますが、今回献本でいただきました『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』はモビーディック的に別格のおもしろさをもっています。

まずこの本、誤解をおそれずにいえば、プレゼンの本ではありません。たしかにスティーブ・ジョブスという稀代のプレゼンターのプレゼンを緻密に分析する体裁をとってはいますが、本を貫くテーマは「情熱で世界を変える方法」といってもいいくらい熱いものです。ジョブスがもっている情熱が、どのようにプレゼンに投影され、どのように聴衆へと伝染してゆくか、それが解き明かされているのが本書の読みどころです。

単に熱意だけがあっても、誰も理解しようがないものだったり、メッセージが伝わりにくいのでは、せっかくの情熱がもったいありません。「良いアイディア」を人は求める者ですが、アイディアだけでは、「人のいない森で落ちたリンゴ」のように、誰にも知られないものなのです。著者はそれをふまえて、「プレゼン」という構造を使って自分の意見を世の中にといかける方法についてまとめているのです。

400ページの大部の本ですが、あまりにおもしろいので一気読みしてしまいました。セルフブランディングに悩める人に、ぜひ!

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
カーマイン・ガロ
日経BP社 ( 2010-07-15 )
ISBN: 9784822248161
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

 
▼関連エントリー:
» 思考や行動の“跡”をつけておく効用 (ジョブズのスピーチに言及)
» 偶然を積み上げていく生き方 (ジョブスのスピーチに言及)
» Steve Jobs氏のプレゼンの秘訣10ヵ条に学ぶ 
» 「なぜあの人はうまくいくのか?」の疑問に答える3冊 『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』を紹介)

ドラッカー流 最強の勉強法(祥伝社新書207)

ブロガーであれば本書の「はじめに」を繰り返し読まれることをおすすめします。「はじめに」がきちんと書かれている本は、ブレがありません。同様に、ブロガーも公開するしないに関わらず自らのブログの「はじめに」にあたる文章をきちんと書いておくことは有益です。これから自分が書こうとしているテーマに自分(の経験)をうまく関連づけることで、自分がそのテーマについて書き続ける意義と意志を自ら再確認できるからです。

そして、本書が提唱する「勉強法」は、ブログを書くことを通して実践できます。

前置きが長くなりましたが、詳細は以下の倉下さんのエントリーで取り上げられています。

» 知識労働者のための『ドラッカー流勉強法』 

「最強の勉強法」とはいささか大げさな名前ですが、この本が「ドラッカー流」であることは保証します。看板に偽りなし、です。

本書は「勉強法」となっていますが、これは試験に合格するためのような勉強法ではありません。むしろそれは、一人の社会人がどのように知識を学び、そして外に向けて出していくかという、「知的生産の技術」であると言えるでしょう。

数々の著作を残してきたドラッカーの「知的生産の技術」に興味がある人は多いと思います。そのエッセンスを新書一冊にまとめたという非常にお買い得な一冊になっています。

ドラッカー流 最強の勉強法(祥伝社新書207)
中野 明
祥伝社 ( 2010-06-30 )
ISBN: 9784396112073

 
今週は3冊ピックアップしました。残りは、毎週更新しているランキング「シゴタノ!ベストセラー」(サイドバーにジャンプします)をチェックしてみてください。

 

最近読んだ本/読んでいる本

本書もまた「はじめに」で読ませる一冊。本当の意味での「はじめに」にあたる「まえがき」は割とあっさりしていますが、それに続く本編とを橋渡しする「序章」がすごい。アヴァンタイトルとでもいうべきか、読者を一気に著者の世界に引き込む魅力に満ちています。

自身のこれまでの人生を奢ることなく飾ることもなく振り返り、そこから得られた教訓をつづっているのですが、実に赤裸々です。良いところ・うまくいったところだけをアピールすればいいのに、痛い目に遭ったことや残念なエピソードが満載。

かといって、そのようにして自らのボロボロなところを見せることで同情を誘う、という狙いがあるようにも思えない。つまりは、天然なのです。

著者には何度かお会いしたことがありますが、自らを「50代KY」と称する、別の言い方をすればどこまでも真っ直ぐな人物。ブロガーにとっては、彼のブレない軸の作り方が学べる本です。

励ま詩 もう頑張れないと思ったアナタへの30の「力」
野崎 美夫
マガジンハウス ( 2010-07-29 )
ISBN: 9784838721313
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

 
 

▼編集後記:
大橋悦夫
通称バスタブと呼ばれている、Pocket WiFiの大容量バッテリーを購入しました。

 
Pocket WiFiは便利に使っているのですが、ネックはやはりバッテリー。4時間弱しかもたないために、出先で仕事をする際は、必要な時以外はオフにしていました。これが実に面倒。

もちろん、オフラインでいることによって、仕事そのものに集中できるということはあるのですが、ミーティング中に、相手に見せたいWebサイトがあるような時に、いちいちその場でPocket WiFiの電源を入れるのはスマートではありません。

そんなこともあり、iPadの3G版の購入も検討していました(WiFi版は購入ずみ)。

それが今回の大容量バッテリーの購入で一気に解消。外出中ずっとPocket WiFiの電源をオンにしていられます(12時間くらいもつようです)。Pocket WiFiの電源オン・オフを繰り返している人にオススメします。