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焦っているのに先送りを繰り返してしまうのはなぜか?



佐々木正悟 2つ以上のプロジェクトの両方が気になるのに、どちらにも集中できない」という悩みがあります。

こういう人が締め切りを気にしないとか、先に進まない仕事をどうでも良いと思っているわけではなく、むしろ逆です。

「締め切りまでには絶対にやらなければならない!」という強い思いがまずあります。

あるいは、「短い人生が終わる前に、自分がやるべきだと思うことをやり遂げなければいけない」という恐怖感すらあったりします。

宿題の締め切りはもうすぐなのにまだすべてが白紙だという絶望感。

背中からこみ上げてくるマグマのような感情のプレッシャーがたえきれなくなり、ある日とつぜん堰を切ったように「猛烈モード」に入ることに成功し、なんとか乗り切れた経験もあることでしょう。

ADD/ADHDに多いとされるこの罪悪感を持ちつつ、なのにギリギリまで、あるいは締め切りをついに過ぎるまで先送りし続ける「症状」は、決してADDなどに限った話ではありません。けっこうよくある話なのです。

私にももちろん、覚えがあります。
どうしたらいいのでしょう?

溜め込まなければいい

溜め込まなければいいのです。

それがむずかしいのだ!とすぐに反応する人が多いのですが、それは誤解なのです。

そもそもまず「先送りしない」ことと「溜め込まない」をイコールで結んでしまってはいけません。両者は厳密には違います。

溜め込まない = 先送りしない(?)

このふたつは違います。このふたつの違いをまずしっかり把握してください。大事なことなのです。

溜め込まなければ先送りしてもかまいません。言葉のトリックみたいですが、じっさいそれはそのはずなのです。

100日間先送りしたって、そんなに仕事が溜まらないなら、問題ないのです。

逆もしかりです。

先送りしていないけれど、仕事はどんどん溜まってしまってその恐怖感がある。それは問題です。

たとえばメールにしても、毎日処理はしているけれど、大変な量が毎日溜まってしまって、その整理に追われ続けるというのは、困った事態です。

先送りすることが問題なのではなく、溜め込んでしまうことこそが問題なのです。

もっと言えば「不安を溜め込んでいくこと」が問題です。恐怖が蓄積されるというのは、いろんな意味で非常によくないのです。

具体的な事例に入ります。

溜め込むことで発生するムダな作業

たとえば毎日家計簿をつけるという話があります。

「そんなめんどうなこと、やれっこない!」

という台詞をじつによく聞きます。とてもよく聞くのです。

「せめて1週間に一度なら・・・」

といった人もけっこういます。

完全に勘違いされています。

レシートを毎日家計簿につければ、絶対にやらずにすむのが

日付の混じったレシートをを日付別に分ける

という100%ムダな作業です。9/1、9/2、9/3、9/4、9/5…というようにレシートを並び替える作業は、9/1のレシートしか持ってなければ、しなくていいことなのです。

これはレシートの事例でした。しかし世の中にはこういう「溜め込んだために発生しているムダな作業」が山のようにあります。

いちばん典型的なのが「3月にお祭り騒ぎになる確定申告」です。これは領収書・請求書・支払調書などなどといった細々とした紙の切れ端を1年間分溜め込むために発生する「100%ムダな作業」なのです。

これをただ税理士さんに整理してもらう代わりに20万円くらいを支払っているという人もいらっしゃいます。何のことはなくただ毎日の紙を溜め込んでいくことによって、仕事を作り出してあげているだけです。

「ついつい先送りしてしまって、後で大変なことになるんです」

そう思ってしまうから、先送りしてしまうということを忘れないようにしましょう。



先送りグセをなくそうとするのではなく…

最初は何でも簡単なのです。その簡単なうちにやれば、不安など不要です。

しかしたとえ溜めてしまっても本当はたいしたことにはならず、確実に終わらせることができます。

逆説的ですが、そう信じられればいつでも取りかかれるものなのです。

「先送りグセをなくそう」

とするのではなく

不安を溜めないようにしよう

としてください。

仕事がたとえ溜まっていっても、それで不安を感じないなら、おそらく問題は発生しません。

溜まった仕事を「手際よく」片付けていけるはずです。

しかし、たいして溜まっていなくても不安が蓄積されていくと、文字通り手に負えなくなる以前から手がけられなくなっているでしょう。

だから少しでも不安だということがあるならば、そちらから先に、不安が少しでも大きくなる前になくしてしまうべきです。