『起業のネタ!』いわく。
独立・起業したいのにできないワケをアンケートで聞いてみたところ、
3位:時間が足りな い(20.4%)
2位:事業化ができない(25.9%)
という回答を、さらに20%ほど突き放して、
1位:起業ネタがない(46.9%)
という結果が出たそう です。
一度の人生なのだから、起業という未踏の大地を踏みしめてみたい、という心意気のある人材が日本にもたくさんいるのに、その元となるネタが思いつけないために、起業を足踏みしているというのは、私からして見ると、すごくもったいない!と感じます。
なので、今日は起業のネタを思いつくためのアイデア発想本4冊を、その読み方と一緒にご紹介してみたいと思います。
これらの本を読むと、きっと、起業アイデアが複数 わいてくることでしょうし、あるいはあっと驚くアイデアに目から鱗が落ちると思いますよ!
1.『起業のネタ!』は、最初に読み、 最後にもう一度読む。
冒頭でもご紹介した、森英樹さんの著書『起業のネタ!』は、「どうやったら起業のネタがみつかるか?どんなアイデア が起業に向くか?」の手法に満ちています。
たとえば、起業のネタの探し方例として、
「(あなたが)今まで、一番お金を使ったモノ はなんですか?」(P44)
「あなたならではの専門分野を組み合わせる」(P61)
など。「ああ、こういう視点で、自分や身の回 りを見ると、起業のアイデアが見つかるんだ」という、ネタの拾い方が理解できます。
この書籍は、具体的な事例をたくさん示す、というよ り、ネタの拾い方の講義に近い内容となっています。
もちろん、本一冊を読み終えただけでも、あなたの頭の中には『起業のネタ』がいくつも 沸いてくるかもしれません。
でも、おそらくこの本を一度読んだだけでは、一生かけてやり抜きたいと思えるような、起業のアイデアが見えてこない方 のほうが多いのではないかと思います。
そこで、この本を通読したあと、一度脇に置いておいて、別の本に取りかかります。あとの3冊は、自 分の起業のネタを発掘するため、あるいはさらに磨き上げるためのアイデア本となります。
2.起業のネタのつくりかたが分かったら、次はアイデアのつくりかたを知ろう
「起業のネタのつくりかたは分かった。次は実際にネタを作るぞ」
というあなた。先ほどの赤本を読んで、おわかりかとは思いますが、起業のネタは、現在ある要素の組み合わせで出来ています。それを人はアイデアの発想と言いますが、実は、アイデアの発想は、「フォードの車を作るように、一定の明確な過程を経ている(P18)」のだそうです。
アイデア発想は思いつきや閃きが主原料で、人の手では制御できない、と思われがちなぶん、これは思いがけないよいしらせではないでしょうか?
というわけで、起業のネタのつくりかたが分かったら、次は、車と同じようなアイデアのつくりかたを知りましょう。
それを教えてくれるのが、タイトルもずばり『アイデアのつくり方』です。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである(P28)」など、基本的な考え方は『起業のネタ!』と被る部分がある(むしろこちらが典拠でしょう)のですが、
1.だったら、アイデア発想をするためにはどういう能力を伸ばしていけばいいの?
2.人はアイデアを発想するために、どんな心の段階を踏んでいるんだろう?
などの疑問に答えを投げかけてくれる内容となっています。具体例に囚われない、大学でいうところの概論みたいな本です。
(ちなみに、1の答えとしては、「既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、物事の関連性をみつけだす才能に依存するところが大きい(P28)」と述べられています。2に関しては、人はアイデアを発想するとき、5つの心の段階を踏んでいるのだそうですよ。詳細はぜひ書籍でどうぞ。なお、帯にはこう書いてあります。「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」 全くその通りだと、私も思います。)
アイデアがどうやって生まれ出るか、その仕組みをロジカルにとらえたい方に。
3. あとは事例を腹に溜めよう。
『起業のネタ!』のつくりかた概論を知った。『アイデアのつくり方』の概論も分かった。これで、おおかた起業スタートアップのためのネタの出し方概論は掴めたと思います。あとは、世の中にあるヒット商品がどうやって生まれたか、その事例を徹底的に知っていきましょう。
今回はとりあえず、その例として2冊の本をお薦めします。
です。
「どちらを先に読むべきか?」と聞かれたら、まず私は『アイデア・ブック』からをおすすめします。こちらにも、アイデアから生まれた面白いビジネス事例が多く含まれていますが、頭を柔らかくするためのワークなども含まれていて、どちらかと言えば具体的な事例より概論に近い内容のものだからです。こちらでウォーミングアップをして、それから『儲かる発想』を読まれるといいと思います。
『アイデア・ブック』の良いところは、先ほどの繰り返しになりますが、具体的な事例ばかりでなく、頭を柔らかくするための、ちょっとしたゲームが盛り込まれている点。
たとえば、「レンガ一個の使い道を15分で50個以上考えてみてください」(p15)などというもの。問題の多くはシンプルなものなのに、思いの外悩む、一癖あるモノばかり。良い感じに頭をかき回してくれます。
また、「スウェーデン式」と銘打っているだけあって、その事例は国内にとどまらず、世界中のアイデアから生まれたビジネスを知ることができます。さらに薄い。本がちょっと苦手な方も、60分あれば読み切れてしまう程度の量です。(そういえば、なぜか『アイデアのつくり方』『ビジネスマンのための「儲かる発想」』『アイデア・ブック スウェーデン式』と今回ご紹介したアイデア本には共通して、みんな薄いです。あっさり読み切れてしまいます。)
対して、『ビジネスマンのための「儲かる発想」』は、国内の、しかもひとりのアイデアマンが考え出したビジネス事例ばかりが、書籍の中にぎゅっと凝縮されています。そのため、多くの人にとっては、この本が、今回紹介した本の中で一番身近に感じられるのではないでしょうか。
この本もまた、帯の紹介文が秀逸。
「青いだけのTシャツを10倍の値段で売るには?歯医者さんの予約ドタキャン被害をチャンスに変えるには? 元手ゼロで始められ、やさしくて、あっと驚く儲け方。」
まあ、実際読んでみると、けっしてアイデア発想一年生が取り組むにはやさしくはないことがわかるのですが、それ以外は文句ありません。
まさに、この通りの内容の本です。
事例が日本の身近な内容なので、「ああ、あの製品の裏にはこんなアイデアが隠されていたのか」「私にも、実は同じ事が出来たはずだったのに!」など、かなりワクワク、あるいは悔しい思いをしながら読める本でした。
まとめ
ここまで読み終える頃には、あなたにはたくさんの起業アイデアが溢れているものと思います。このアイデアをさっそく具体的に検討したい!と思ったら、もう一度『起業のネタ!』に戻って、そのアイデアが本当に起業に向く考えかどうか検討してもいいですし、あるいはもっとアイデアを磨き上げたい、あるいはさらに多くのアイデアを考えたい、というのであれば、さらにアイデアの事例を集まる旅を続けてもいいかもしれません。
ちょうど今、「起業してみたい、でもネタがない!」と、悶々と悩んでいる方がいるとしたら、ぜひ上記の本を参考に読んでみてくださいね。どれも新井のオススメです。
▼新井ユウコ:
iPhoneのある生活をライブ中継。メルマガ「1分で読めるビジネス書ベストセラー」主宰。