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気まぐれな報酬が人の心をつかむ



佐々木正悟 私は習慣化には「報酬の力」がぜひにも必要と、今回出た本の中で書きましたが、同時に報酬の力は、人をこんなふうにしてしまうこともあります。

なぜあなたの親友は電話のそばをはなれず、薄情な男友達がときおりかけてくれる短い電話を固唾を呑んで待っているのか。ただの電話なのに。

『心は実験できるか―20世紀心理学実験物語』


毎回、あるいは毎時、必ず報酬が手に入るという状況よりも、間欠的に、時にまったく気まぐれに、しかも不定期に報酬がもらえるケースの方が、習慣を消去しにくいという心理実験の結果があります。

これはなかなか直感に反する、奇妙な話です。

餌付けという言葉があるとおり、ある行動を取れば確実に報酬がもらえるからこそ、それが習慣になると思われます。

たまにしか報酬がもらえないというのは、もしかするとまったく報酬がもらえないままかもしれないという意味であり、もしもまったく報酬がないなら、それはまず習慣にはならないはずです。

「強迫的に繰り返しているような行動」には要注意

しかし、たまにしかもらえない報酬を、いきなりある行動で不意に手に入れてしまったりすると、その経験は強烈な印象をもたらします。

ラスベガスに出かけた初日にたまたま100万円を手にしたりすると、その後めったに報酬を手に入れられなかったとしても、カジノにのめり込んでしまうということは、現にあることです。

私は、これも本の中で、習慣化に必要なのは報酬ですが、同時に習慣化の妨げになるのは「悪い習慣」であって、その悪癖の消去を習慣化と「同時に」やらない限り、習慣化に失敗する旨を記しておきました。

特に、めったに報酬を手にできないのに、強迫的に繰り返しているような行動があるなら、それは要注意ですし、そのような行動を「消し去る」ことができたら、それだけで大きな成果と言えます。人生を変えるといっても過言ではないほどのインパクトがあるでしょう。

この言葉は怪しげに聞こえるかもしれませんが、とは言え、間欠的な報酬のために強迫的にのめり込んでしまうことがらは、人生を壊すだけの力を持っているのです。
これなら少しも怪しくはないはずです。

引き続き、よろしくお願いします。