実はScrapboxについては、このシゴタノ!でも1年以上前に記事を書いていて、その頃から基本的な考え方はそんなに変わっていません。
ただ、この頃に比べると、Scrapboxを取り巻く状況はジワジワ変化しました。
本も出ていることからして、ユーザー数も増えていると思いますし、すでに使い込んでいる人々には手放せないツールとなっているでしょう。
今回のこの記事は、そういう方々よりも、「まだ手放せる人々」と「どう使えばいいのか分からない」人向けに書きます。
また今回のこの記事は、Evernoteを何らかの意味で知っている方に向けて書いています。
グレーゾーンの情報をどう扱うか
EvernoteとScrapboxは事実上まるで違うツールですが、それは整理の仕方や「整理」に関する考え方が違うというだけで、情報を整理する個人向けツールという意味では同じカテゴリに入ります。
この点が、面倒くさいのです。
私達は個人として、1つの情報を2つのツールで管理したいとは思わないものです。それでも2つともそれぞれにメリットがあるとなると、「棲み分け」「使い分け」ということになるしかないのですが、どっちに入れるかが明快な情報はまだいいとしても、どうしても明快でなくなる「グレーゾーン」は存在します。
いちいち考えて使い分けするのも、それがそもそも面倒でしょう。好きな人はそういうことが楽しいのですが。
今回いいたいことは、そのグレーゾーンの中でも、扱いにくい情報のことです。
「面白い」というだけの理由で取り込むウェブクリップです。
これはEvernoteに入れても扱いが面倒です。うまく分類できないはず。
かといって、Scrapboxはそもそもあまりウェブクリップを取り込むのに向いてないのです。少なくともEvernoteの方がウェブクリップは機能的に上です。
これをどっちにいれるのがいいか。
断然、Scrapboxなのです。
ScrapboxとEvernoteの発想の違い
面白いというだけの情報をEvernoteにクリップし、「面白情報」とかいうノートブックに入れたり「面白い!」というタグを付けておくことは、とてもむなしい。
Evernoteは、基本的な情報整理の仕方が、アナログのアレゴリーです。
たとえば「領収書」を全て「領収書を入れる引き出し」に入れておいて、A社あては「A社」というタグを、B社あては「B社」というタグを付けておく。
よほどマメなら紙と箱でもできます。ただデジタルのいいところは、場所を取らないし、タグがはがれたりすることはないし、タグもキーワードも検索ができるところです。
こういう「領収書整理」にScrapboxを使うべきではありません。
Scrapboxに面白いと思ったらウェブクリップしておくと、「ははあ。自分はこんなことを面白がっているのか!」と発見するのではなしに、「自分はこれをこういう理由で面白がっているのか!」ということを発見するはずです。
クローズアップ現代などで特集されたある番組を面白いと思ったとき、クローズアップ現代の番組一覧をノートに収めてみたり、「現代の心の病」をまとめておくという発想がEvernoteであるならば、「うつ」と「義理の弟さんの話」の関連性にいち早く気づかせるのがScrapboxです。
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9月29日 第5回心理ハックセミナー「不安を味方につけて先送りを防ぐ」(東京都)
以前に書いた、先送りと習慣系の二冊の本の、いわば合体本が出ますので、その出版記念的な意味も兼ねて、第5回の心理セミナー開催します。
380ページで1000円というのが1つの売りですが、ポイントは「先延ばしをしないようにする」なので、それさえできれば100通りもの方法論を必要としないのはいうまでもないことです。
セミナーの方は、もちろん先延ばしをテーマとします。「時間がないからできない」はまだしも「時間があるのにやらない」をなんとかするのが、いちばんのテーマです。
さらに、軽症うつ、発達障害、睡眠障害と、「先延ばし」の関係なども、触れるつもりでいます。そういう障害に、どうして「先延ばし」がからんでくるのか。どういう対策が考えられるかといった話です。
今回は、ふだんあまりやらないワークも、少しだけ入れようと思っています。