昨年に引き続き、今年読んだ本から、佐々木正悟さんと僕(大橋悦夫)とでそれぞれ10冊ずつ、今年は「2010年の仕事始めまでに仕込んでおきたい本」ということでピックアップします。
電車での移動中やちょっとしたスキマ時間にざっと目を通す読み方ではなく、邪魔の入らない静かな空間で、お気に入りのメモ帳とペンを片手に手を動かす、という能動的な読み方を想定しています。
ですので、以下の20冊のうち多くても3冊か4冊に絞って、そのエキスとエッセンスを仕事始めといわず、読んだそばからすぐさま仕事に活用する、という意気込みで読んで欲しいものばかりです。
ではさっそく順不同に。
佐々木正悟編
1.『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』
──好きなことをして生きていきたいすべての人に
「好きなことをして、生きていくのは難しい」とはよく言われる。インターネット時代がやってきて、「ついに好きなことをして生きていける時代が来た!」と思わせる雰囲気が生じたものの、「やはりそううまくいかなかった」と感じている人も多いかもしれない。本書はそのような人にとっての必読書。
2.『人を動かす』
──人間関係を円滑にしたい人に
『人を動かす』を一言で言うなら「相手の立場に立って考えなさい」。もう見飽きたような装丁の本に、聞き飽きたような教訓。それでも、読めば面白い。聞き飽きたような箴言は、こういう面白さの中で繰り返し読み込みたい。
3.『予想どおりに不合理』
──自分の不合理な行動が見えてくる
好きで入った会社が人生を暗くしてしまったり、好きで結婚した相手をこの世で一番キライになってしまったり。自己嫌悪に陥る前に、本書を一読しよう。「傾向と対策」のヒントが満載のはずだ。
» 長期計画をまちがいなく達成する方法ー『予想どおりに不合理』より
4.『天才! 成功する人々の法則』
──「成功したい」すべての人に
「成功」の要因は「個人」に帰することができない。それがこの本の主旨だ。それでは何に帰することができるのか? それをつかむことで、「天才になろう」としたり「成功しよう」としたりするよりも、もっと他にすべきことが見えてくる。本書に書かれていることは、決してありきたりの教訓ではない。
5.『情報ダイエット仕事術』
──やることを減らさなければ始まらない
もしも留学前に本書を読んで理解していたら、私はあれほど留学で苦しまずにすんだと思う。やることを増やしたり、読むものを増やしているのは、「勝手に入ってくる情報」などではなくて、私たち自身なのだが、それを止めるだけでも他の人を少なくとも一歩リードできる。
6.『精神科にできること―脳の医学、心の治療 (講談社現代新書)』
──「精神科医」とは何をする人か?
「精神医療」について一定の知識を持っておく最大のメリットは、自分や自分に近い人の症状を、早めに知れること。早期発見、早期治療が大事であることは、肉体の病気とまったく同じ。38度の発熱がずっと続いているのに、病院にも行かず、薬も飲まず、何の手当もせずにいれば、病気はひどくなるのが自然なのだ。
7.『単純な脳、複雑な「私」』
──「脳の仕組み」を知ることで、ライフハックを発想する
「脳」についての情報は数限りなくあるが、自分が読みたいのはこういう本だったと、多くの人が思える好著。
» 「脳をハックする」ための最高の入門書——『単純な脳、複雑な「私」』
8.『文章力の基本』
──文章修養を「とりとめのあるもの」にする
本書はとてもやさしくて、よい本。「文章力を鍛える本」というと、必要以上に厳しかったり難しかったりするものですが、本書にはそういうところがまったくない。言わんとするところはシンプルで、しかも丁寧。
9.『影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか』
──影響力を自覚せよ!
本書は、いわゆるマーケット心理学の解説本であり、色々と賛否はあるものの、現実に幅広く応用されている。自分自身への影響力という視点で考えてみると、これは行動科学でも、認知科学でも、あまり踏み込んで説明していないような事柄が、うまく解説されているではないか! と興奮した。
» 目的を紙に書いて、実際に動いてみることが、目標達成を後押しする理由
10.『究極の文房具カタログ【マストアイテム編】』
──楽しく読める文具カタログ
私ははっきり言って、「文房具」というものが嫌いだ。はさみで切ったり、のりで貼ったり、ラベリングしたり、考えただけでも気持ちが悪くなってくる。そうした私のような人間にとっても、文具王・高畑正幸さんの『究極の文房具カタログ』はとても重宝した。
大橋悦夫編
1.『アイデアのちから』
──人を動かすコピーを作りたい人へ
思わず感心させられるくだりが随所にあるが、なるべく早い段階で「どうしたら自分でも同じように人を感心させられるか」という発想に切り替え、さらに「自分にとってのゴールは何か?」を考えながら読み進めたい。投資効果を考えたら、16,800円でも惜しくない一冊。
2.『坂本桂一の成功力』
──ノウハウに限界を感じている人へ
スレッショルドを超えるまで努力をし続ける必要がある──これが本書の中核となるメッセージ。方法論やノウハウをいくら身につけても、そして、それをスキマ時間を活用してコツコツと積み上げていっても、成果は出ない。スレッショルド(閾値)を超えるまで、一気呵成にエネルギーを投入する必要がある。その意味で一気に読んで欲しい一冊。
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3.『出会いでつまずく人のための心理術』
──二人きりのミーティング後の雑談で時間をもてあましてしまう人へ
ストーリーを追っていくだけで、どんどん頭に入る! しかも、知らず知らずのうちに日々の会話に入り込んでいることに後から気づく!でも、「読む」 → 「実感する」だけで終わらせると定着が期待できないので、「実感する」の後で再度「読む」ことで血肉化させたい。
4.『仕事するのにオフィスはいらない』
──パソコン1台で一人起業を目指している&実践している人へ
自営業やフリーランスでなくとも、在宅勤務や外回りの営業マンなどオフィス以外で仕事をする人にとっては必読の一冊。
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5.『こころを動かすマーケティング』
──人と組織の狭間で押しつぶされそうになっている人へ
ロジックだけでは人は動かない。パッションだけでも人はついてこない。著者はこの2つを絶妙なバランスで合わせ持ち、次々と立ちはだかる難問をある時はスマートに、またある時は泥臭く、乗り越えていく。ノウハウとして体系化されていないからこそ、読者一人一人が置かれた立場や状況に応じた学びが得られる一冊。
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6.『プロデュース能力』
──まず、自分をプロデュース
会社の中でリーダーシップを発揮していきたいと考えている人、これから起業・独立を考えている人、チーム運営にまつわる悩みを抱えている人、自分が好きで好きで仕方がないマニアックな趣味や習慣をキャッシュに換えたいと考えている人、とにかく仲間が欲しい人、などなど、一見バラバラなプロファイルながら、これらすべての人に役に立つ一冊。
» 自分の内に秘めた「すごい可能性」を解き放ちしたい人のための一冊
7.『なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本』
──読み終えて「知っていることばかりだった」とか言ってる人へ
いくら知っても分かるだけだが、1つでもやれば分かる上でできるようになる。分かっている人よりできる人のもとにできる人が集まる。そんなことを改めて実感させてくれる一冊。納得ではなく。
8.『会社でチャンスをつかむ人は皆やっている!一流の部下力』
──できる上司のつくりかた
「自分はこの人のために何ができるだろうか?」 そう思わずにはいられないような相手と一緒に仕事ができたら、そのプロジェクトが成功しないはずはない。どんな相手とでもこのような関係に持ち込むことができれば、向かうところ敵なしであるが、本書は実際にそのような「一流の仕事人」になるための心得がぎっしり詰まっている。
9.『マーケットと儲けのネタをヒモづけよう! ビジネスマンのための「儲かる発想」』
──日々スタバで起業について構想を描いている人に
何よりも著者の軸がまったくブレないのがいい。読めば読むほど人に教えたくないと思ってしまう。でも、「自分の利益を一番最後に考える」という本書の教えに素直に従うことにする。
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10.『たった1行で!売る お客様が思わず買ってしまう商品「キャッチフレーズ」の極意』
──商品よりもまず自分を売る必要に迫られている人に
商品やサービスのキャッチフレーズをどう作るか、その一点に特化した一冊。著者は花王でコピーライターとして活躍し「スプーン一杯で驚きの白さに」などのキャッチフレーズを生み出す。なんと言っても最終章である第9章に一挙掲載されている32の実例が秀逸。1つ1つについて著者がコメントをつけているため、1~8章で解説されているキャッチフレーズの理論と合わせて読むことで、腹に落ちる。自社の商品やサービスをヒットさせたい人はもちろん、セミナー集客で困っている人にも、読んだそばから役に立つ。「もっと売りたい」と思っている人にとって、読まない理由が見つからない。