究極の文房具カタログ【マストアイテム編】
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私ははっきり言って、文具選びは苦手です。品物がありすぎて、頭が混乱しますし、決してマメな性格ではないため、実は「文房具」というものが嫌いなのです。はさみで切ったり、のりで貼ったり、ラベリングしたり、考えただけでも気持ちが悪くなってきます。
そうした私のような人間にとって、文具王・高畑正幸さんの『究極の文房具カタログ』はとても重宝します。こういう本については、文房具に詳しい人はひどく「突っ込みたがる」ものですが、文具について「語る」人は、文房具が苦手な人の気持ちがまったく分かっていません。私は文具が苦手なので、文具について「語られる」ということは、お酒が飲めないのに、ワインのラベルについて語られているようなものです。
しかし、「文房具に関する説明書」は欲しいところ。つまり、文章で懇切丁寧に書き残しておいてもらいたいのです。そうしてもらえると、どうして「文房具」などというものがあれほどたくさんあるのか、少しは理解できてきます。そうでなくても、「何を買え」と書かれてはいるので、たくさんの品物を前にして混乱せずに済むのです。
収納用具を使うコツは同じものを可能な限り大量に購入すること
小見出し自体がライフハックになってしまっていますが、収納が苦手な人は、この言葉を意識するだけでもいいと思います。
収納用品というのは、二度同じものを手に入れるのが難しく思えるほどたくさんあるもので、整理が苦手なのに、収納対象にあわせていろんなことを想像していては、実行段階にまで至ることすらできなくなります。「掃除のカリスマ」などの番組をワイドショーで見ていると、そこに注がれているエネルギーと時間は、半端ではありません。あれと同じ事を、1日ゼロ分でやろうとすれば、絶対に失敗します。
『究極の文房具カタログ』には、じつにさまざまな文房具が紹介されていますが、「整理する」ために「ダイソーの小物整理箱」があったのは、いささか驚きました。これを大量に買って、どう整理しようというのか。本書には次のような指針が添えられています。
収納用具を使うコツは、最初に購入するときに考えに考え抜いて、「いける!」と思ったら思い切ってすべて同じものを、可能な限り大量に購入することだ。こういうものはとにかく数が多くなるほど効果を発揮するため、1個の値段が重要なポイントになってくる。私はすでに自宅用と会社用で120個以上のボックスを購入し、さまざまなものの分類に私用しているが、それでも1万2千円である。同じ形の箱が棚いっぱいに整然と並ぶのは、見ていて気持ちがいいものだ。
考えてみると、整理の基本はこの程度のことです。要するに、規格化なのです。凝って工夫しようと思えば、これ以上のことができると思いますが、整理好きでもない人が、そこまでできるかどうかは別問題。というよりも、机や引き出しの大きさに合わせ、大小様々な小物の形を想像し、あるいは計測し、無駄なく、効率よく整理するのは、「整理嫌い」にはムリです。
それでも、1個100円の収納物を大量に購入して、それにモノを閉じ込めて「整然と見せかける」程度のことならできそうです。ただ、そんなことであっても、トンチンカンなモノを大量購入したくはありません。ですから『究極の文房具カタログ』が有用なのです。話を最初に戻すと、こういう状況で「文具について語られる」ことは無意味なのです。その場で忘れるからです。
▼参考
100円ショップねらい打ち01
http://bungu.seesaa.net/article/2341119.html
すべての物に住所を!
これは決して「みっともいい」方法ではありませんが、「整理が苦手」とか「文具は使いこなせない」という人には、やはりとても現実的な方法です。収納先に「付箋ラベル」を張りまくってしまうのです。
そもそも、整理・掃除が苦手でありながら、いきなり「超超クールな書斎」などをつくろうとするから、何もする気がしなくなるのです。それくらいなら、少しくらい他人から嘲笑される方法でも、使いやすく、一応整然とした状態を目指した方が、結果的には満足できることになります。
とはいえ、「すべての物の置き場を決める」ことは、それだけでも大変そうに思えます。こういうことは、「学習システム」を取り入れるべきなのです。一つ一つ、徐々に、物の置き場を固定していきます。たとえば、ある引き出しは、「ケーブル類」とする。その際に「付箋ラベル」を使うわけです。そしてその引き出しには、常にケーブル類を入れ、ケーブル類以外は決して入れない。そのうちに学習が進み、ラベルがなくても、その引き出しの用途と中身は確定する、というわけです。
この方法のすばらしいところは、生活していく中でだんだん良くなっていくところだ。そして完璧にそこが「クスリ」だと覚えられたなら付箋をはがせばいい。「はがせるから貼れる」という心理は重要で、これをきちんとしたシールを作って貼ろうと考えていると、考えているだけで終わってしまうし、だいたい「下着」なんていうシールはどんなにきれいに作っても、ずっと貼っておくのはイヤだろう。だから私は絶対にこの付箋をオススメするのだ。
というわけで、以下にオススメされている付箋を掲載しておきます。
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なお、私は本書に頼り切っているものの、不満がないかといえばそうではなく、若干残念に思っていることとして、商品がイラストになっている点です。このイラストは上手ですし、これといった不都合はないようですが、私のような「文具オンチ」にしてみれば、ここは絶対に写真になっていて欲しかったところです。
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技術評論社 2009-08-07 |