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コーヒーを飲みながら仕事しない



佐々木正悟 先日たまたま、Skypeで大橋さんと他1名、計3人で話していたときにこの話をしたら、私が驚くほど驚かれたため、書くことにしました。ちなみに3人であることを断ったのは、大橋さんだけが驚いたわけではなかったことから、一般的には驚くべき話なのかもしれない、と思ったからです。

私は表題のとおり、コーヒーを飲む時間と、仕事をする時間をハッキリ分けていて、コーヒー飲みながらiPhoneもみないようにしているくらいで、まして仕事場にコーヒー他、飲食物は持ち込まないようにしています。仕事場といっても自宅の書斎に過ぎませんが。

飲食しながら仕事をするのって、マルチタスクだと思うのです。

時間によほど追われていると自分で判断するのでない限り、マルチタスクは極端なまでに避けています。べつにできないわけではありませんが、マルチタスクによる時間の節約というのは、思うほど効果がなく、しばしば時間がかえってムダになり、しかも経験が薄められてしまうと思うからです。

マルチタスクを極限まで減らす

経験が薄められるというのは、仕事ならべつにいいと思う人もいるでしょうが、コーヒーはもったいない気がします。私は今、原則としては1日1杯まで、多くて2杯までにしているため、仕事に気を取られているうちに飲み干してしまうことに我慢できないのです。

ちなみに、運転中にもコーヒーは飲まないことにしています。危険性がないわけでないため、コーヒーに集中できないのがイヤなのです。

私はマルチタスクというものが、どこから見ても、集中には良くないという気がしています。集中というのは結局のところ、1度に1つのことに必要な注意力がちょうどよく用いられている状態です。やる気がありすぎても少なすぎてもいけないので、仕事中に、仕事以外のこともすると、この原則を好んで崩すことになると思うのです。

ちなみに私は、音楽も聴きませんし、目の前にはほとんど何もない状態で仕事をします。ひたすら打っているこの文章だけが見えるだけです。水を飲むことすらありません。水を飲むなら、一度休憩を入れます。

繰り返しになりますが、なにか発達障害的なことのために、マルチタスクが苦手だとかいうことはありません。しかしできれば電車の移動中に仕事をしたくはないですし、お風呂に入ってものを読んだりもしません。行為そのものだけにもっともちょうどいいエネルギーを、その行為だけに使うのが、いちばん理想的だという気がするのです。個人的な考えですが。

泳ぐことに似ている

このことに関連して思い出したのは、私は文章を書くということは、泳ぐことに似ていると感じています。泳いでいるとき、飲食はできませんし、音楽も、いまは可能かもしれませんが、聞けないものです。また、移動中に泳いだりもしないでしょう。泳ぐというのは、ある意味ではきわめて単調なもので、少し沈み、少し浮き、息つぎ、こいで進む。ただひたすらにその繰り返しです。

その時にいちばん気をつけていることがあるとすれば(ほぼ無意識になりますが)呼吸のリズムでしょう。というよりも、やることはそれがすべて、という感じになります。文章を書くときには文章を書くことしかしないといって、息はしているだろう、それはマルチタスクではないのかと問い詰める人もあるかも知れませんが、むしろ、泳ぐということは息をすることと私の中ではほぼイコールで、文章を書くこともそれと似てくるのです。

▼編集後記:
佐々木正悟



» 10月21日 第3回 横浜ライフハック実験室(神奈川県)

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