池田 千恵 
気づいたらもう2009年もあと1ヶ月！1年は本当にあっという間ですね。年末は特に、1年の仕事にケリをつけたい！と張り切ってしまうため、時間がないと焦り、気持ちにゆとりがなくなってしまいます。
「あと1ヶ月でいったいどこまでいけるのだろう？ バタバタしていて、全く予定がすすまない！どうしたら時間が作れるのだろうか…」と悩んだり、あまりの忙しさにやっつけ仕事をしたばっかりに凡ミスをして落ち込んだり。
「いまちょうど、Ａの仕事をやろうと思ったのに、上司から急ぎでＢの仕事を頼まれ、とっさに言い訳をしてＢの仕事を断ってしまった。上司から後でたっぷり絞られた」
「自信満々で出した企画書だったのに、クライアントからＮＧがでて明日までに書き直しを命じられてしまった。企画書は通るものだと思っていたから、書き直す時間なんて確保してない！徹夜で仕上げた修正企画書はボロボロだった」
自分の思い通りに物事が進まなくなったとき、私たちはイライラし、忙しいと感じます。イライラするからつい、冷静な判断が下せず、また思い通りにならなくなる…落ち込みますよね。もはや自分ではどうにもならない事態をまるごとリセットすることは不可能です。でも、この失敗を次回に生かすために振り返り、反省することはできます。
今日の反省は明日に持ち越さない、という考えがあります。明日は昨日と違う新しい一日なのだから、その日の出来事はその日のうちにリセットしましょう！というものです。私は、この考えは精神的に良くないと思います。なぜならば、多くの人は失敗したとき、夜にため息とともに振り返り、ヤケ酒をしたり、ベッドでくよくよ悩んで眠れなくなったりするからです。
そこで私は、あえて失敗の反省は次の日に持ち越すようにしています。夜、自分の失敗やテンパリを思い出すと、救いようもなく落ち込みます。お酒を飲んでしまって出来事自体をすべて忘れて反省することすら忘れてしまう人もいるでしょう。でも、朝だと中立性をもって出来事を改めて振り返ることができるのです。
朝は静かで、思索と思案に最適な時間。電話が鳴ったり、話しかけられたりという邪魔が入りません。急な出来事にテンパってしまう人でも、早朝だったら冷静に、まとまった一人時間を取ることができます。失敗からしばらく時間がたっているので、失敗を検証し、どうしてうまくいかなかったかを体系化する十分な時間もあります。さらに、反省を元に朝立てた準備や計画は、すぐに実行に移しやすいというメリットがあります。夜いくら「やるぞ！」と決意しても一晩寝たら忘れてしまうことが多いですが、朝だと、立てた計画に対してすぐにアクションを取ることができるのです。
朝の反省は、頭の中だけでなく、ノートに洗いざらい書き出しましょう。例えば上司やクライアントに言われた言葉なども、思い出す限りリアルに、生の言葉を書き出します。
この際自分の感情を加えず、淡々と事実や出来事をまずは書き出すのがポイントです。
こうして淡々と書かれた言葉を眺めて、何が問題だったか、今後どうすればいいのかを考え、さらにノートに書き出して行きます。書き出していくうちに冷静さを取り戻し、今後の対応を前向きに考えられるようになってきます。
私がこの「朝の振り返り」の効果を知ったのは、今から10年近く前の2001年でした。当時の私は何も仕事ができないのに権利や義務だけ主張する勘違い社員で、手を焼いた上司が、私のダメなところを逐一、徹底的に注意してくれたのです。毎日注意されっぱなしで泣きながら帰った夜もあったのですが、朝早起きして、上司に注意されたことを淡々と書き出して行き、毎日見直したところ、徐々に注意されることが減ってきたのです。今も淡々と書いた紙の束は大事に持っていて、折に触れて眺めるようにしています。昔の自分を思い出し、懐かしく思うと同時に気が引き締まる瞬間です。
毎月一度開催している早朝グルメの会。12月は年末ということで、史上初？！早朝忘年会を開催いたします（日曜開催）。朝からアルコールが飲める場所をただいま選定中。さすがに朝なので飲み過ぎないように1杯のみで終了するつもりですが、どんな会になるのか楽しみです。募集は今後、早朝グルメの会のメーリングリストでお知らせするので興味がある方はぜひ登録くださいね。
▼池田千恵：
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9（ビフォア・ナイン） プロジェクト」主宰。
