と思い立ったとき、アクセスする場所は大きく三つあります。
- Feedly
- 二段階アイデアノート
- ネタ帳
今回はこの三つについて考えてみます。
Feedly
Feedlyは、RSSリーダーです。もしかしたら、RSSリーダーって何だろうと思う方がいらっしゃるかもしれないので、一応解説を引いておきましょう。
» RSSリーダーとは|RSSアグリゲータ|フィードリーダー|フィードアグリゲータ – 意味/定義 : IT用語辞典
RSSリーダーとは、Webサイトを巡回してRSS/Atom形式の更新情報を受信し、リンク一覧の形で表示するソフトウェア。
簡単に言えば、このツールでブログの最新更新情報をチェックするわけですね。そうして、それぞれの記事で何か知的生産的に困っている問題はないだろうかを探し、もしうまく発見できたら、自分ならそれをどう解決するかを考えます。あとは、それをベースにして記事を書くだけです。
このやり方をすると、そうしてできた記事は少なくとも一人の問題解決には役立っているはずです。もちろん、それと似た人の問題解決にも役立つでしょう。
というわけで、他の人のブログ記事はなかなか有用なネタ元です。
二段階アイデアノート
とはいえ、毎度毎度都合良く他の人のブログ記事からネタを発見できるわけではありません。そういうときに役立つのが、アイデアノートです。私の場合であれば、Evernoteがその役割を担っています。
何かしら思いついたことは、ジャンルを分けずとりあえずEvernoteに保存して、特定のノートブックに入れています。この「アイデアを保存するノートブック」には二種類あり、それぞれ「incubator」「アイデアノート」という名前となっています。
直近のホットなアイデアを300個だけ集めたノートブックが「incubator」で、それよりも少しクールダウンしたすべてのアイデアの保存場所が「アイデアノート」です。こちらは現在4000以上のノートが集まっています。
まずざっと「incubator」をチェックします。最近思いついた、ちょっと面白そうなアイデアがそこに300ほどありますので、たいていはこの段階で解決します。しかし、たまたまどのアイデアも乗り気(というか書く気)にならない場合は、「アイデアノート」に移動します。そして、4000以上のノートにざっと(ほんとうにざっとです)目を通します。
さすがに4000です。ざっと流し見るだけでも、ひっかかるものが一つか二つはあります。あとは、それを記事にすればOKですね。
ネタ帳
そこまでやっても、「うん、これを書こう」とは思えないことも稀にあります。
そこで最終手段として、シゴタノ!用のネタ帳ノートにアクセスします。「シゴタノ!でこれを書こう」と思ったものが集められたノートです。単発のネタもありますし、連載用のネタもあります。
順番で言えば、このノートに真っ先にアクセスするのが効率的に思えます。たしかに、それはそうです。しかし、いささか極端な意見ではありますが、そのノートには過去の私が「シゴタノ!でこれを書こう」と思ったことが書いてあり、それをそのまま使うことは、既定路線をなぞることとイコールなのです。言い換えれば、新しいことが生まれにくいのです。
よって、最初は「今現在困っている人に向けたネタ」を、次に「自分にとってホットなネタ」と「今」を基準にネタを選択し、徐々に「こうあるべき」的な路線へと下っていく、という選択構造を取っています。
さいごに
と、いささか大げさに書きましたが、単にこの選択方法の方が「書きたい気持ち」が強くなる、というだけです。いやいや記事を書くことほどしんどいことはありませんからね。
記事を生み出せる「ネタ」がどれだけあったとしても、それを書きたいと思えるかどうかは結構大きな鍵を握っています。もし、それがまったくないのなら、書きたいから書いているのか、それとも(何かによって)書かされているのかがどんどん曖昧になっていきます。それはそれで続けるのが苦しくなりそうです。
その点を忘れないで、ネタ管理もやりたいところですね。
▼今週の一冊:
まだ読んでいる途中ですが、たいへん面白いのでご紹介。
既存のマーケティングの考え方って、どんどん機能しなくなるんじゃないか、という内容です。たとえば、一般的に選択肢が増えれば増えるほど、人は選択不全に陥ってブランド的なものがより一層強くなると言われているけど、それって現代でも通用するの? と疑問を提示しています。
本書が示すことは、『権力の終焉』で提示されることとも呼応していて、一回勝ったらそのあとは楽勝、ということは難しくなっていく時代がやってくるのでしょう。新参者にはありがたい環境ではありますが。
» ウソはバレる―――「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング
Follow @rashita2
えっ、という間に6月も後半です。そういえば、運営している有料メルマガも300号が近づいてきました。長くやっている間隔は多少あるのですが、それでも300号とは驚きです。人には時間は見えないし、たぶんそれ自身を直接感じることもできないのでしょう。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。
» ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由