今後迷うことがあったら、真っ先にこの問いを思い出すことにします。
- 今やろうとしていることは、真に「インパクト」のあることか?
きっかけは『減らす技術』の冒頭付近に載っていた次の2原則。
- 制限する──制限することで「本質に迫ること」を厳選する
- 本質に迫ることだけを選ぶ──時間とエネルギーを最大限活用し、小さな元手で大きなインパクトを生み出せる
本書を一通り読んで、この2原則はもっとシンプルにまとめられると感じました。
それが、
- 今やろうとしていることは、真に「インパクト」のあることか?
という問いです。
以上でもう個人的には十分なのですが、ダメ押し。
本書を読んで僕自身もっとも「インパクト」を感じたくだりが以下。
連絡して謝る
電話かメールで、今はどうしても余裕がなくて約束ごとを果たせない旨を連絡しよう。誠実に謝る。ただし、交渉の余地はないことをはっきりと示そう。(p.153)
これができないばかりに苦しんでいる、あるいは薄々これができさえすればもっとラクになるのに、というまさにクリティカルな一点を衝いています。
こうして確保した貴重な時間ですからムダにしてはいけません。そうしないための方法がいろいろと紹介されているのですが、とりわけ効果てきめんなのが以下。
「オフライン」で仕事する
インターネットの接続を切るのは、生産性を上げるためにすこぶる有効な手段だ。実は私も本書を書いている間は接続を切っていた。
いったん慣れれば、日に何時間かインターネットの喧噪から離れるのは気持ちがいい。実に落ち着く。インターネットとつながっていると、何分かおきに邪魔な考えが頭をよぎる。
「そうだ、メールに返信しておこう」
「ついでに例の本も検索しようか」
「どうせならあの曲もダウンロードして…」お気に入りのサイトもチェックしたくなってうずうずしはじめる。インターネットの魔力がいつも目の前にちらついていれば、タスクに集中するのは難しい。
しかし接続を切ってしまえば、邪魔者にわずらわされることもない。目の前にタスクひとつだけ。それだけに集中できるから、ぐっとはかどる。(p.132)
特に説明は不要でしょう。
『仕事するのにオフィスはいらない』の著者・佐々木俊尚さんもTwitterで次のようにつぶやいています。
それにしても外で仕事をした方がはかどるのはどうしてでしょうね。
理由の1つは「集中を阻害する要因が激減するから」でしょう。僕自身も自宅に仕事場があるにもかかわらず、PCを携えて放浪しているので、このことは強く共感・実感しているところです(これがあるので、ここを経てここに至る)。
そんなわけで、誘惑と邪魔者に完全に包囲されている現代人にとっては、ハッとさせられるメッセージ満載の一冊。苦しんでいる人ほど、強い「インパクト」がもたらされることでしょう。
▼合わせて読みたい:
「1分で大切なことを伝える」ためには、大切でないことはどんどん減らしていく必要があります。そういう意味では「1分で大切なことを伝えるための、不要なことを減らす技術」が本書の裏タイトルといえるかもしれません。
毛色の異なるところでもう1冊。在庫削減のノウハウが解説されていますが、この考え方は一般の(在庫管理とは無縁の)ビジネスパーソンが抱える課題の解決にも応用可能です。書類の整理はもちろん、増え続ける蔵書の整理をどうするか、という問いに対するヒントが得られるからです。
買った本をどこに置いておくか、読み終えた本を本棚にどのように収納するか、どのタイミングで本を処分するか、などなど、蔵書管理をシステマティックに行っていくのに役に立つ考え方が載っています。
▼関連エントリー:
・受信トレイを空に保つための5つのルール
・あなたのビジネス体質を損失過多から利益過多に改善するための7つの問い
え、そんなことまで!?
現在、使っていないモノを積極的に減らすキャンペーンを実施中なのですが(個人的に)、その一環で不要品回収業者に来てもらって、ジャンクと化したPCや廃品となったコーヒーメーカーなどを引き取ってもらいました。
便利屋とは 一言でいうと、あなたの身の回りの困ったことを解決する何でも屋さんです!
家のゴミを処分したり、家具を移動させたり、排水のつまりを直したり、はたまた蜂の巣を駆除したり… などなど
いろいろ調べた中で、少し変わりダネだったという理由でお願いしたのですが、提供しているサービスがぶっ飛んでいます。不要品回収などは序の口で、以下のような「え、そんなことまで!?」というサービス(?)もやってくれるそうです。
- 合コンの人数合わせ
- イベントなどの付き添い
- 結婚式の代理出席
- 犬の散歩
- 探偵調査
- 並び購入代行
- 夜中のコキブリ退治
- 指名が少なくいキャバ嬢指名
面倒ゴト一切を引き受けてくれる感じで、「減らす」を強力に推進できそうですね。