※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

なぜやるべきことを書き出したリストが減っていかないのか?



10年前までは、談合事件も起きるなど道路公団は非効率的な建設手法を採っていました。その債務は年々膨らんで40兆円近くに達しており、いずれ“第二の国鉄”になるのは確実といわれていました。

しかし現在は、道路公団の民営化によって劇的なコストダウンが図られ、NEXCO各社は毎年順調に債務を返済しつつ(合計債務残高は29兆円に減少)黒字経営を達成しています。

» 新東名延伸、東京側は茨の道? 開通で大混乱の可能性 | 乗りものニュース

あらゆるリストは、こうなって初めて機能します。どういう意味かというと、「見通しが明るいものであるという動き」が見えるようになったとき、機能するのです。

債務40兆円というのは、半端な額ではありません。 1億円の40万倍です。

もちろん29兆円というのも半端な額ではありませんが、債務40兆円が29兆円に減ったというのは、「これ以上ひどくはならないし、今後はよくなっていく」という実感が得られます。

タスクリストも、そういう風に設計されている必要があるのです。

タスクを書き出しても手がつけられない

頭の中にあるモヤモヤしたこと、未達事項、緊急事項をリストにすべて書き出すというのは、第一歩としては悪くありません。以前にも似たようなリストを作ったという記憶が頭をよぎるかもしれませんが、何であれ、未達事項や緊急事項を放置しておくよりはずっとましです。

問題は、そういう風に書き出したリストがいっこうに減らずに、肥大化していくケースです。

「債務の額」はこの際、問題ではありません。書き出した後に「黒字経営」にできるかどうかがポイントです。

書き出したタスクという「債務」がいっこうに減らず、月日ばかりたっていく。1度スッキリしたはずなのにすぐまたモヤモヤする。

そうなるのは、無駄なことで時間を過ごしているからではないのです。仕事が遅いからでもありません。

問題は、書き出されていないリストの方にあります。

書き出されないタスクの処理だけで1日は終わる

書き出したリストに取り組みたくても取り組めない最大の要因は、書き出されていない、「見えないタスクリストと格闘している」からなのです。

それは日々、必ず取り組むことになっているタスク群です。通勤の移動や、定例の会議や、メール処理や、上司から突然振られた仕事などです。

それらは毎日発生しています。にもかかわらず、毎日取り組んでいる業務であるため、「たまってモヤモヤする」という感覚にはなりません。だから、書き出そうとは思わないのです。

モヤモヤするのは、日頃から手がけられない方です。だからいつも同じような事柄が書き出されることになりやすいはずです。

この「目に見えない敵」のリストを、私たちは「デイリーリスト」と呼んでいます。私としてはまず、こちらを「目に見える形にする」ことをおすすめしたいのです。

やらないことは書かれてないリストが大事

そんなことは面倒くさすぎるとか、そんなことをせずともうまくいっている人も多い、という意見があるのは知っています。

しかし、たとえ「モヤモヤすること」を書き出してうまくいっている人であっても、そのリストをすべて片付けているわけでは決してありません。この点が誤解されているように思えて仕方ないのです。

書き出した項目を大事な順から並び替えたり、最適なタイミングで処理したり、鋼の意志でどんなに疲れていてもこなしたり、うまく人に投げたりするのは、難しいことであっても可能です。それができている人は「すごい人」と言っていいでしょう。

しかしそんな人でも、やらずに済ませているタスクもかなりの数に上っているはずなのです。

ようするに、リストを書き出してはその一部を処理し、モヤモヤしてきたら新しいリストに作り替えるというやり方をしている人は、リストを横目に、リストについて判断をしているわけです。リストにあるのに、やらないで切り落とすというのは、重要な判断です。

繰り返しになりますが、モヤモヤを書き出したリストはたいていの場合、減っていきません。むしろ増えていきます。

ふつうの人にとって、これは望ましいことではない。冒頭に引用したとおり、「債務は減っている」という見通しが大事です。そういう兆しを感じてこそ、人は自分のやっていることに自信を持つことができます。

たしかに、いっこうに減らないリストを上手に使っている人もいます。でもそういう人は、どこかに頭の中で線を引いて、そこまで減ればよしとする、といったコツをつかんでいるのです。

つまり、リスト上の「債務」は減っていないが、脳内では「債務が減っている」ということにしているわけです。

しかし、そういう脳内操作を巧みにやらずとも、デイリーリストをクローズにして扱うようにすれば、機械的に同じ結果が得られるのです。

なぜならふつうは書き出されないいつもこなしている業務を書き出せば、それを確実に減らしていける自分に気づくことができるからです。なんとしても「返済」するべき「債務」は、その通常業務の中でさばくべきなのです。