サービスには次の3種類があると思っています。
- 過剰サービス
- 過小サービス
- 異常サービス
過剰サービスとは、頼んでもいないのにごはんを山盛りにしてくれたり、まだ残っているのに温かいお茶に交換してくれたり、などなど、まぁやってもらえたらウレシイけど、それってムダですよね、というサービス。
過小サービスとは、上げ底とか無愛想とかセルフスタンドといった、過剰サービスの対極にある、人によってはクレームもののサービス。
異常サービスとは、一見すると過剰サービスながら、そこにはブレることのない明確な軸があり、ポリシーがあり、クレドがあり、これらにもとづいた、世の中の常識からかけ離れた、それでいて人の心の奥深くにまで浸透するパワーを秘めたサービス。例えば、ディズニーランドが提供するのは異常サービス。
面白いのは、一見すると過小サービスに見えたサービスが、実は異常サービスであったり(無愛想なガンコ親父の作った親子丼が絶品とか)、過剰サービスに見えて、その実スカスカだったり、という見た目と中身に著しいギャップが見られるところでしょう。
その点、異常サービスはその異常さにおいて人の期待を決して裏切りません。異常であることに異常なまでに努力を続けているからです。それは、一定のスピードで超高速で回転しているタイヤが、あたかも止まっているように見えるのに似ているかもしれません。
ここからわかることは、次の一点。
- 人は、見た目で品定めをする
取り立てて新しいことではありませんが、もし「そんなの当たり前じゃないか」と思われるとしたら、あなたはすでに見た目に囚われているのかもしれません。
人は看板を見て、その店に入るかどうかを決める
今回ご紹介する『儲かるお店の「すごい!」見せ方』は、その名の通り「お店」を経営する人に向けた指南書です。何を教えてくれるのか? それはサブタイトルが示しています。
「心地よく目立つ」ための店舗、看板、POP作りの秘訣
ここで目を引くのが「心地よく目立つ」という一言。実はこの言葉が本書の“異常さ”を端的に言い表しています。
そして、それを読み取ることができたなら、本書は自分自身という「お店」を経営している人すべてに役に立つ「すごい!」一冊になるでしょう。特に、ブログという「お店」を運営している人であれば、読んだその日からすぐにアクセスアップに役立つ秘訣が得られます。
ブログにおける「看板」とは、すなわちタイトルのこと。人は看板を見て、その店に入るかどうかを決めるのと同様に、ブログの読者もタイトルを見て、そのエントリー(記事)を読むかどうかを決めるのです。
そうなると、あなたのブログのタイトルが「心地よく目立つ」ものになっていれば、おのずとクリック(入店)してくれる人も増えることになります。
つまり、あなたのブログが多くの読者を集めようとしたら、少なくとも最初はタイトル(看板)に最大限のパワーをかける必要がある、ということです。
では、具体的にはどうすればいいか。
それは、あなたにとっての常識を一度リセットすること。以下は、本書で紹介されている、ある酒屋さんのエピソードです。「白ワインのよさを知ってもらいたい」と考えた経営者が次のようなPOPを試してみたところから始まります。
冷やし過ぎに注意! 香りが十分に発散されず、舌が冷やされるため感覚が鈍ります。
というキャッチコピーです。好きだから知識も豊富だったのですが、あまり効果はなかったそうです。
そんなとき、あるお客さんに次のことを尋ねられたといいます。
「冷やしすぎはたしかによくないけど……。じゃあ、実際、何度くらいがいいのかしら?」
「これだ!」と経営者はひらめいたそうです。ワインの飲み頃として、より具体的な「飲み頃の温度は何度」と、ズバリそれぞれにメッセージPOPを添えたといいます。
白ワインは、飲む「15分前」に開栓を!
辛口の白ワインは、栓を抜いて15分くらい空気に触れたときが飲み頃です。また、白の辛口の場合、冷やしすぎると味を損ねます。8~10度が飲み頃。それには冷蔵庫から出して15分がちょうどいいのです。
じつは、ここにキャッチコピーを見つけるヒントがあります。
酒屋さんからすると、“常識”として誰もが知っていると考えていたことでも、お客さんからすれば、知らないことがあります。そこがポイントです。そのちょっとした知識をコピーとして出しただけで、売れるようになったということです。
常識を一度リセットする、とは、それを知らなかった時の自分に戻る、ということです。これはとりもなおさず、「お客さんの視点」に立つ、ということにほかなりません。
ブログのエントリーを書くときというのは、これから書こうとすることを知っている(だからこそ書ける)わけですが、だからこそ、それをまだ知らない人に読んでもらうために、それを知りたいと思っている人の目に留まるタイトルをつける必要があります。
ポイントは、タイトルを読み返したときに「それを知らなかった時の自分」に読ませてやりたい、と思えるかどうか、でしょう。
とはいえ、タイトル(看板)も大切ですが、すべてではありません。本書にも次のように書かれている通り…
私たちは入ったことのないお店を見つけたとき、店の外観や店内の様子、雰囲気といった情報をたよりにイメージをふくらませます。
「店内の空気は自分の好みに合っているか」「美味しいものを食べさせてくれるか」「欲しいものを売っているか」「値段はどのくらいか」──こんなことを想像しながら「入店する、しない」を決めているのです。
これが“目利き”です。
店のつくりや調度品、照明、店員やお客さんを含めた雰囲気は、看板に負けず劣らず大切な判断材料なのです。
…タイトルを含めたすべての見た目の要素をトータルに改善していく必要があるのです。タイトル以外の要素については、ぜひ実際に本書を読んで確かめてみてください。
ちなみに、個人的にグッと来たのは次の5つの質問(p.32)。
○コンセプトを絞り込むための5つの質問
- あなたのお店は、どのくらい知られていますか?
- あなたのお店は、お客さんにどんなメリットを与えることができますか?
- あなたのお店の強みはなんですか?
- あなたは自分のお店の強みを出すために、今の商売の中で何を捨てることができますか?
- あなたのお店が、ファンを増やしていくためにすることはなんですか?
「お店」を「ブログ」に読み替えたうえで、回答を考えてみると良いでしょう。
ちょっと他の本では見たことがない
読んで良かった!
第一印象が大切です
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「を」とか「ぷ。」とか
「を」という文字をずーっと眺めてみてください。水溜りに足を入れている人に見えてきませんか?
「ぷ。」という文字(句点つきで)をずーっと眺めてみてください。ボーリングをしている人に見えてきませんか?
解説はこちらで。