「いま何をやっているのか?」
「それはなぜなのか?」
私はこの本の中で上のように書きました。今やっているつもりでいることを、本当にはやっていない、ということは少なくありません。しかしその時が一番時間をムダにしています。
だいたい、やっているつもりでいること以外のことをえんえんとやっているときは、もともとやることをやりたくないことが多いものです。でもその「もともとやるべきこと」はどうせやらねばならないことなのです。
TaskChute for iPhone(たすくま)が正式にリリースされて「くままーく」の恩恵を受けていらっしゃる方が増えてきていると思います。TaskChuteでもまったく同じだったのですが、やってもいないことを長々と「やっていること」にしているということに対する歯止めが必要なのです。
いま「くま」になっているタスクを本当にやっていますか?
言ってしまえばこれにつきます。それくらい「今やっていること」から逸脱した行動を取ることは多く、しかもその時に経過する時間は速い。
もちろん上司などの権力によって割り込まれたのであればそれは仕方がありません。
しかし、その時であっても、
「いま何をやっているのカ?」
「それはなぜなのか?」
を、自分が把握しておく必要はあります。こういうことはすぐわからなくなってしまい、わからなくなると後でダメージを受けるのは誰よりも本人なのです。
自分の脱線であれば、「今これをしている場合じゃない」ということは心のどこかで知っているはずです。それでさえ「くまマーク」などの力がないと、逸脱から戻れないことが多いものです。
しかし上司からの割り込みとなると「今これをしている場合じゃない」とすら思わなくなるので、完全に脳がジャックされてしまいます。拙著をお読みいただいた方にはご承知の通り「カーテンレール」が発生するのです。あれは大げさにしても、ああなると、仕事への集中はゼロに等しくなります。
TaskChute以来、ずっとこの問題にはフォーカスが当たっていたのです。「開始時刻」だけが入っていて、その仕事は「1分も」進んでいない。そのしわ寄せは「終了時刻」にきっちり反映されています。だからタスクシュートは仕事が進むのです。