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Mac を指揮者のように指先一つで操るショートカット術

堀 E. 正岳春は始まりの季節…。というわけでこれまで Windows を利用していたけれども、就職や大学進学を機に Mac に乗り換えてみたという人もいるのではないでしょうか? 都合のよい話の進め方ですが(笑)、そんな人がいたとします。

でもこれまで Windows をサクサクと使っていた人が Mac に触れて最初に困ってしまうのが、今まで便利に利用していたショートカットを全て覚え直さなければいけないというハードルです。なんだか思い通りに動かせないという苛立ちに、最初は戸惑うことでしょう。

幸いなことに、Windows からスイッチするユーザーを意識して、Mac の多くのショートカットは押すキーを一つ変えるだけでそのまま通用するようになっています。

それ以外にも Mac には使い始めるととたんに普段の生活を楽にするショートカットが数多くあります。これをいくつか知っているか知っていないかで、普段感じられる使用感が大きく変わるかもしれないほどです。

 
今日はそんな、Mac を二割増し便利にするショートカットについてご紹介します。

 

基本編

まず初心者向けのショートカットの基本について一応書いておきましょう。Windows において Control + C などとなっているものの多くは、Command(modcm) + C と置き換えて使用することが可能です。

  • Command + C:コピー
  • Command + V:ペースト
  • Command + X:カット
  • Command + Z:元に戻す

などがこれに当たります。Word などの多くのアプリでおなじみの Contol + B(ボールド)、Contol + U (下線)、Contol + I (斜体)も、Control を Command に変えるだけで通用しますので、このへんはすぐに慣れることでしょう。

わかりにくいかもしれないのが、Option (modop) キーの扱いです。キーの上に Alt と書かれてはいるものの、Windows 上での Alt キーの使われ方とは異なっているからです。

Option キーはたいてい、「通常の挙動を変える」という役割を担っていて、たとえば Command + W という「ウィンドウを閉じる」というショートカットなら、Command + Option + W で「全てのウィンドウを閉じる」という具合に使われます。

Option キーや Command キーを使った機能で便利なのが、ファイルのコピーや移動を行う操作です。

  • Option + ファイルを新しいウィンドウにドラッグ: ファイルをコピー
  • Command + ドラッグ: コピーせずにファイルをそのフォルダに移動(USB ドライブなどにファイルを移動するときに便利)
  • Option + Command + ドラッグ: 新しい場所にエイリアスを作成

これを知っていると、マウスの動作に加えて左手で一つキーを押しているだけで、ファイルの整理がスイスイとできるようになります。

Windows から Mac に移行したときに覚え直さなくてはいけないショートカットのうち、最も使われるのは Alt + Tab 「アプリケーションの切り替え」かもしれません。Mac でこれに相当するのは Command + Tab ですので、微妙な違いですが、指にしっかりと記憶させましょう。

ところでこの見慣れない modcm という記号や、modop という記号にもアップルのこれまでの歴史が籠められています。時間のあるときに読んでみると、愛着がわいてくるかもしれません。

 

便利なショートカット

基本編が身についたなら、日常的にちょっと呼び出すことで作業に近道を生み出したり、困ったときに呼び出せるショートカットを覚えてみましょう。

 
Control + Shift + エジェクト:画面を消してくれます。プログラムを動かした状態で席を離れたい、でも周囲の人に画面をのぞかれるのは嫌だ。そんなときにこのショートカットを使うと、画面が消えて暗くなりますがアプリはそのまま実行され続けます。

ボリュームを細かく設定する: 音のボリュームの設定はキーボードから行うと通常16段階になっていますが、ボリュームを選ぶときに Shift + Option を押していることでさらに 1/4 の精度で音の大きさを調節できるようになります。

Command + Shift + 4 / Command + Shift + Control + 4:画面の選択した範囲をキャプチャーしてファイルに落としてくれます。ファイルにせずにクリップボードに追加するなら、さらに Control キーも押せば選択範囲はクリップボードに記憶されますので、任意のアプリの中にペーストできます。これと同様に、Command + Shift + 3 がスクリーン全体、Command + Shift + Space がウィンドウをキャプチャーします。それぞれのショートカットに Control を加えれば、結果はクリップボードにコピーされます。

Control + Command + エジェクト:すべてのアプリケーションを終了させて再起動します。Control + Alt + del のようなものだと思うといいでしょう。

Command + Shift + Option + Esc: 覚えにくいこのショートカットは、応答していないアプリを強制終了するのに便利です。Dock のなかで応答していないアプリを選び、このショートカットを利用して下さい。

 
意外かもしれませんが、私がふだん一番多用しているのは「画面の一部をキャプチャする」というショートカットです。Keynote や、Word に図や資料を貼り付けるために、いちいちファイルにセーブすることなく、ブラウザから直接張り込むのに、このショートカットは威力を発揮します。

 

ショートカットを自在に割り当てる

「便利なショートカットがたくさんあるのはわかったけれども、メニューでよく使う項目にショートカットが割り当てられていないじゃないか!」ということもたまにあります。

こうしたときのために Mac OS X の環境設定には任意のアプリケーションのメニュー項目にショートカットを設定する方法があります。

  • 「システム環境設定」を開き、「キーボードとマウス」を選択
  • キーボードショートカットのタブを選び、「+」のアイコンをクリック。
  • 「全アプリケーション」あるいは選択したアプリにおいて任意のショートカットを設定できるようになります。

新しく Mac を購入したなら真っ先に設定すると便利なのが「プレビュー」の中の「サイズを調整…」メニューのショートカットです。
デフォルトではこのメニュー項目にはショートカットが割り当てられていませんので、適当に覚えやすいキーを割り当ててみましょう。

 

もっとショートカットを…!

fastscriptデフォルトの機能ではまだ足りない! 自作の AppleScript や Perl スクリプト、Automator スクリプトにもショートカットを割り当てて 10 本の指だけで Mac を操ってみたいというハードコアのキーボード派の人には、有料ですが Red Sweater の FastScriptsをおすすめします。

FastScripts はグローバルなショートカットや、特定のアプリケーションだけで利用可能になるショートカットを作成して、それに任意のスクリプトを割り当てることのできるアプリです。

たとえば Mac でよく利用されるランチャー Quicksilver には日本語が扱いにくいという弱点がありますが、これを回避する AppleScript を FastScripts で起動するなどの利用法があります。

ほとんどの人には機能が制限されている無料の FastScripts Lite でことが足りるはずですので、こちらもご利用下さい。

 

▼編集後記:

この原稿を書いている時点でこれまで拠点にしていた名古屋から関東に引っ越しの真っ最中です。母艦の iMac はすでに荷造りされてさわれずにいますが、必要なファイルのほとんどは DropBox のなかにありますので、いつも通りに仕事が出来てしまうのが便利でもあり、ちょっと怖いところでもあります。

名古屋でお知り合いになったみなさん、ご支援ありがとうございました! 関東にお住まいのみなさん、これからどうぞよろしくお願いします!

 
▼堀 E. 正岳:
「これからMacを始めたい人」を徹底ガイド。Lifehacking.jp主宰。